5月6日(金)

曇、ときどき晴れ。
谷戸口に樹齢いくばく栃の花 正子
●午後すぐ、用事で横浜ゲートタワーに行く。みなとみらい線の新高島下車.
このビルは去年できたばかりで3階がシェアオフィスになって、ここに用事。新高島駅の出口1をまっすぐまっすぐ上り、まっすぐ歩きビルに着く。出口を間違えれば、迷うことになる。
受付らしいものはないが、英語の看板のあるどこかの会社らしいカウンターに女性が二人。ここで聞くしかないと思い、「お尋ねしてもよろしいでしょうか。」と自分では普段言わない日本語を話してしまった。「誰べえです。」というと「うかがっております。」と言ってGUESTと書いた首から掛ける名札をくれた。ここは受付なのかもしれない。しばらくロビーで待って事務所の人と会った。
さっき、「お尋ねしますけど、」と言おうとしたのだが、ちょっと躊躇したとたん、テレビで聞く妙な日本語「お尋ねしてもよろしいでしょうか。」と言ってしまった。まるで英語のCan I ask you ,,,? の直訳のような言い回し。聞いていいかどうか尋ねて物を聞く。どうしてそこまで気を遣う、ゆきすぎ。
信之先生によく聞き返される。耳が遠いせいもあるのだが、譲らない相手に対して、こちらとしては、言い方がまずかったかと言いなおす。たびたびなので、自分の話した日本語が通じているかどうか、非常に気になる。それに、毎日のように自分の俳句を推敲していて、だれかの俳句も添削していて、だれかの言葉に深く入り込んで、それらは普段話す言葉ばかりではないから、普段話す日本語がおかしくなっているのではと、ひょっと思う。
●ゲートタワーでの用事が終わって、帰ろうとすると、帰り道を案内してくれた。「ありがとうございます。いえいえ、来た方の電車に乗りますから。」「えっ。」「港の見える丘公園に薔薇を見にいきますので。家には帰りは5時と言ってありますから。」事務所の人はにっこり。ここまで来て、薔薇を見のがすことはないので、来た方の下り電車で終点、元町中華街まで乗った。

5月5日(木)子供の日 立夏

玄関に立夏のアロマよく匂い     正子
薔薇活けてざっくりと敷く白リネン  正子
更地の畑きぬさや豌豆すずなりに   正子
●今年はアブラムシが全然いない。こんなに全然いない年は経験したことがない。逆に、大丈夫かなとも思う。薄暑といいながらも、空気がひんやりしている。わが家のミニミニ薔薇がよく咲くのはいいけれど。
●You Tubeに『バカの壁』の養老孟司先生の「生活の知恵」と言う講演を切り取ったような話が出現したので、数話聞いた。禅問答のような話もあるが、つい聞いてしまう。口癖は、「そうでしょ」。これで同意し、納得させられているのかも。それに落ちとして「虫」が出て来る。
●髪が落ち着かないので、カットしてもらう。前のカットからちょうど1か月。正直な髪の伸び具合。出かけたついでに、暑くなりそうなので、無印でTシャツを1枚買った。あまり似合っているとは言えないが、いいことにして。太番手の木綿の少しざっくりした生地。

5月4日(水)みどりの日

晴れ
●日吉東急にあったヤマダ電機がなくなって、エディオンが新しく離れたところにできた。午後、ひとり、店の見物に出かけた。もっぱら2階のデジタル製品だけ2時間ほど見た。電子ピアノ、ステレオ、パソコン、カメラなど。
目新しいデジタル製品がある。電子メモ、クーピーのデジタルペン、リングライト、双眼鏡、面白いデジタルカメラ、ピントが自動で合う老眼鏡。いろいろ見ると、デジタル化に体が追いついていない、取り残されている感じがだんだん強まってきた。電子ピアノやキーボードが楽器店ではなく、電器店で売られている。ステレオがそうだから、それもそうかもしれないが。
電子ピアノに楽譜が置かれていたので、どんな音か弾いて見た。「エディオンマーチ」の楽譜だった。外に出ると広い駐車場、そしてすぐには高架を東横線が走っている。高架を潜り、徒歩でバス通りに沿って帰る。歩いているうち、デジタルの世界から少し解き放たれた感じになった。バス通りは家並みの若葉や花が輝いている。煉瓦造りのアパートが建設中。わが家のあたりはどの家も薔薇が満開。
●菖蒲を買ってきたので、今日菖蒲湯を立てる。

5月3日(火)憲法記念日

晴れ
薔薇咲いて改憲論の処々に湧き    正子
ばら剪りぬ真新しき軍手はめ     正子
薔薇咲いてとろとろ煮えるカレー鍋  正子
●まだ「ウィーン」が頭に残っていて、なんとなくgoogleのヨーロッパの地図を開いた。ウィーンは私が思うよりいつも東にある。ウィーンの位置がなかなかインプットされない。ドナウ河が流れ、東欧はすぐ。
●松野苑子第3句集『遠い船』を読み、礼状を認めた。苑子さんは1947年山口生まれ。
「身体感覚が詩的に浄化され一句となっているのが目立つ。自分のある一線を崩さず詠みっきっているのは素晴らしい。母を亡くしたり、乳がんの手術を受けたりと、沈みこんだ時を時の経過とともに尊さが増してきている。」
『遠き船』より好きな句(15句)
小鳥屋の百の扉や冬日中
摘草のときどき横の姉を見て
夜は星吹き出してゐる葱畑
夏蒲団と私の体との隙間
海底に沈みゆくごと髪洗ふ
春の日や歩きて遠き船を抜く
風鈴や山に山影ぶつかりて
指入れて指長くなる泉かな
草笛に草の味してまだ鳴らず
見舞ふたび命減りゆく母や春
息せねば母は骸や夏の月
父母亡くてこの世よく晴れ蒲団干す
桜ふぶき人のかたちを消してゆく
礼状に桃描く桃の香の中に
菜の花の大地の起伏光りあふ

5月2日(月)八十八夜

曇、ときどき晴れ
かしわ葉のやや朽ち色に柏餅       正子
透きとおるまでわらび餅火を入れて    正子
花あけびいつも斜め上にあり       正子
●ネット短信No.379を発信。
5月月例ネット句会の案内、花冠7月号の投句依頼。
●奥の細道むすびの地記念館『共鳴』4月号(星野勝選出)より
落葉掻く匂いを立たせ園丁ら    髙橋正子
雲雀鳴く空広く町つつましき    小川軽舟(鷹)
天窓に日の射し来る七日粥     名村早智子(玉梓)
人来るたび榾を足しゐる除夜焚火  伊藤政美(菜の花)
春渚一歩に波の転げきて      和田順子(繪硝子)
みちのくや雪に寝る夜の雪の夢   名和未知男(草の花)

5月1日(日)

くもり
若葉冷ゆラジオにリート流れいて  正子
ベランダにミニばら溢るを幸として 正子
薔薇を食う青虫小さし憎まれず   正子
●青葉が冷えている。今朝のラジオの音楽の泉は、シューマンの「詩人の恋」。今日から5月ということで、シューマンの歌曲が選ばれたのかなとも思った。夕べから、ネットサーフィンで曲を付けられた詩をいろいろ見ていた。偶然とは言え、5月はそんな月なのか。ロマン派の詩に舞い上がっては俳句ができない気がして、ほどほどでサーフィンは中断。根本的に違うんだ。