曇り
●大寒だけあって、寒さが厳しい。さくらでんぶを買いに東急へ。ついでに、茨木のり子の詩集が見て見たかったので、天一書房へ。ちくま文庫か、岩波文庫にあったと思うが、見つからなかった。詩歌コーナーに茨木のり子選集の『女のことば』(童話屋)の小さくてかわいい本があった。いいけど、ちょっと高い。ぱらっと読んでおしまい。その近くに『人はみんな可哀想』と言う題の詩集があった。そう思う人は私だけではないのだと思った。
●今日は封切前の焼き海苔があって、三つ葉が安かったので、それに節分の恵方巻のことも頭にちらついたので、巻きずしを巻いた。釜が3合炊きなのでせいいっぱい炊いて4本巻けた。巻きずしの芯の青みは、胡瓜でなく、三つ葉。夕方句美子が来たので3本持って帰らす。具が余っているので、あす、またお米を炊いて巻くことにした。節分には巻かない。
晴れ
●苺がよく出回るようになった。産直いちごの糖度が9度。産直でないのが10度。甘味を採るか、生きを採るか、迷ったが産直を買った。香りがよくて酸味も甘味もいい。苺は初夏のものだったのに、今食べていないと美味しい苺にありつけないなんて。
曇り
●今日はなんとなく、気分が落ち込んでいる。人生重荷が在りすぎる。
2月の行事を見るために暦を繰る。節分は3日。初午は10日。初午は午なのに、なんで狐の、稲荷神社の祭りなのかしらんと思いネットで検索。穀物の神様の伏見稲荷が711年に午の日に稲荷山に鎮座したことが由来のようだ。豊作を祈り、春めいたころの祭りに明るい兆しが見える。お供えが油あげやお稲荷も面白い。狐も表に出て遊びそう。13日が第2日曜でネット句会。23日の天皇誕生日。2月はこういったところ。
晴れ
●角川の広告料を振り込む。6分の1ページ、年鑑と奇数月分。
●ゆうちょ銀行の問い合わせにネットで答える。数分で回答できるものだが、マネーロンダリングがどうのこうのとか。そんなの凡々と暮らす主婦に聞いても無駄と思う。
●一日作業用シューベルトを聞く。ほかにホロヴィッツの『軍隊行進曲』1、23番を聞く。
曇りのち晴れ
むらさきも白も濃く咲く冬菫 正子
節分豆のテトラパックに鬼三人 正子
冬林檎箱にあるまま匂い立ち 正子
●朝起きると道路に雨のあと。本の整理を少し。
『俳句・漢俳交流集』という白い表紙に金文字を押した本が出て来た。1993年の記録。この交流集は、北京側が出版したと思う。
北京大学から、日本学生俳句協会に招待状が来て、北京で俳句交流会を持ったもの。軸主宰だった故河合凱夫氏が団長で軸から大勢参加されている。信之先生も参加している。そのとき、息子の元に北京大学から中国語の『三国志』を贈られたのが書棚にある。交流集に登場する王新華さんはわが家にも来られたことがあるが、信之先生が指導していたのだろう、俳句らしい俳句で日本語で作られ、日本側として参加。当時松山に住んでおられた。今ほど海外との行き来がそれほどでもなかったが、俳句の国際交流が身を張って盛んにおこなわれていたと時代だと、時代に参加して思う。
『俳句・漢俳交流集』(日本学生俳句協会訪華団/北京大学東方文化研究所 1993年刊)より。
髙橋信之の句
芽吹く樹へつぎつぎ心遊ばせる
川出合うところもっとも月光に
乾杯のビールあわあわ北京大学
城を打ち空へ吹きあぐ風青し
王新華の句
落葉積むその下からの命の芽
春天の中へ黒松そびえ立つ
曇り
●天気は下り坂。
●加賀の五郎島金時が配達された。直径が3センチか4センチ。思いつくのが、輪切りにして甘く煮て食べる。正月の栗の甘露煮のシロップの残りで炊いたらいい具合。思ったより、すっきりとした味。横浜に越して来て、いまいちと思っていた紅あずまの味にもなれた。舟和の芋羊羹は紅あずまとのことだが、その味も食べてすぐわかるようになった。売られている焼き芋も圧倒的にねっとり系。五右衛門風呂の置き火にくべたほくほくの焼き芋が懐かしい。
晴れ
きのうより今日よく咲いて冬菫 正子
冬ばらの三日目の花ゆるく巻き 正子
冬ばらを三部屋に活けていつも見る 正子
●角川「俳句」1月号」を初めて読む。12月に届いていたはず。広告を出しているから、広告だけ確かめて、読んでいなかった。著名俳人20人の七句が並び、次に12句の数名が並ぶ。七句の柿本多映氏、星野椿氏のふたりは、俳句も文もここまで来るとあっぱれな感じ。以下の方は相応の俳句や文なのでしょうと。
●夜、東の空にいつも一等星が見える。何の星がずっと気になっていた。夜空が明るくて星が消えている。寒さを我慢して暗がりまで歩いて行くと、オリオン座が見えた。星が消えたとは言え、あのオリオンまでもわからなくなっていた。一等星はオリオンの星だった。旅行をプレゼントしてくれるなら、山岳ホテルに泊まってみたいものだ。
晴れ
ふるさとの深井に寒九の水湧くらむ 正子
●「寒九の水」という言葉を全然聞かなくなった。寒に入り9日目の水は、最も澄んで薬を飲むのによいとされている、その水。一昨日だったか、ちょと塩味が強いと思いながら食べていた煎餅、食べるうち、それほど塩辛さを感じなくなって、つい、つい、手を伸ばし食べてしまった。夜中、非常に冷たい水が欲しくなった。身をふるえさせるほどの水が欲しかったので、冷蔵庫から水を取り出しごくごく飲む。このとき、「寒九の水」を思い出した。数十年前の句会、「寒九の水」が句によく登場していた。
生家では井戸水を造り酒屋に提供していた。寒くなると荷台に木のタンクを積んだトラックがやって来て、井戸水を汲ん帰るのだが、子どもとしては、ちょと見ものだった。検査をしていたようだが、中国地方では、ちょっといい水だったらしい。
落花流水試作
桜ちる空をつばめのまっしぐら 正子
ひらひらと手に降る落花みずみずし 正子
夫の背に降りし落花のみずみずし 正子
水音へ峠の桜散るばかり 正子
水音へ天城の桜散るばかり 正子
渓川の水がのみ込む落花かな 正子
桜ちる夕日に影となりながら 正子
街中の川へ祭りの落花かな 正子
幼子に桜ちる日も在りしかな 正子
晴れ
身の芯を寒がらせて飲む寒の水 正子
暗がりの寒夜に覚めて窓青き 正子
冬菫ま白く咲かす地の力 正子
●栄太郎さんより電話。俳壇年鑑202年版の投句の件。
●新潟の薔薇園直送の薔薇の花束が届く。ふるさと納税のおまかせらしく、ピンクと黄色。
●山江村の栗のモンブラン、いつ食べようかと思っていたが、今日解凍してお八つに。
晴れ
●美知子さんから「類想句」の問い合わせ。まず、それが類想句かどうかの判断がいる。次に、句集に含める場合はいいとして、年鑑に一句出す場合は世に誤解を招かないということがある。著名人の句の方が後に発表されたとしても、著名人ではない人の句は、取り下げねばならぬのだろうかという疑問がある。類想句でないなら強気でいくか、それでも考えて、遠慮するか。本人の気持ち次第か。信之先生に相談。「出したければ、出せばいい。」と言う。私は、「大問題になったら、応援します。」と返事。
同じ句ができる場合があるし、類想句もたくさんできるだろう。なぜ同じ句ができ、類想句ができるかが問題。俳句の宿命といいきれないのではないか。
私見としては、俳句のリズムやブレスは、指紋のように個人によってちがうのではないかということ。
だいたい、一句を声を出して、読めば、普通、13秒から14秒。俳句を英訳する場合、ストップウォッチで計って、日本語俳句と同じように13秒から14秒に収まるように、3-4-3音節を基本に英訳したことがある。この方法は誰も使ってはいないだろうし、誰も評価しないが、案外うまく行っていると思う。