晴れ
まぶしくて十一月の辛夷の芽 正子
●あたたかき十一月もすみにけり 中村草田男(『長子』)
今年の11月は暖かかった。その十一月も今日で終わり。草田男は終わりではなく「すみにけり」という。「仕事がすんだ」というように、「十一月がすんだ」のだ。「済ます」というのが実はむずかしい。
●『光陰の矢』(朝吹英和著)のお礼を出す。以下を好きな句にあげた。朝吹さんの季語の扱いは特別で、伝統的ではない。季語により触発された感覚と素養とが融合し、あらたな美的なイメージを寓意性に富んで作り上げている。以下に選んだ句は、氏の句のなかでも伝統的季語の扱いに近いものをあげたのではないかという気がしている。
「地雷原」から
花合歓や水に沈みし夜想曲
真言を包む群青飛瀑かな
授けられ授けし命河鹿鳴く
「縄文の舟」から
戦場に繋がる海や野分雲
肩に乗るルソーの猿や十三夜
来し方の透けし黄葉暮れそむる
「年輪の声」から
喪の家に寒木瓜密と花開く
フルートの煌めきやがて飛雪かな
寒茜昭和の影の淡きこと
「ロングシュート」から
屋根裏を打つ春霰詩魂湧く
葬礼を包むオルガン寒戻る
ゴーギャンの裸婦より春の土匂ふ
「光陰の矢」から
熱帯魚ゆるりと回す星座盤
少年は老い易しとやラムネ抜く
遠雷や出羽三山の杉尖る
●満月。午後9時半ごろ、満月ながら、月食のような様子が見えるという。見上げると、うっすら欠けているところがあるような。
●今日行く予定の病院をキャンセル。月の末日に病院にいくのは、いかにも忙しすぎる。薬はあるので来週にしてもらう。
曇り
●本と書類の整理に一日。カーテンの洗濯と窓ふき。
●ルンバが活躍。ベッドの下などへもぐこみ、小さい塵も吸い込んでくれる。ルンバにまだ慣れていないので、ルンバの動線がいちいち気になる。
晴れ
●今日から寒くなる予報だったが、それほどでもない。
●洗面所の整理。無くなっていると思ったシャンプーとコンディショナーが見つかる。コロナで横浜のデパートには行きたくないので、困っていたところ。しかたなくコンディショナーの代わりに朴葉オイルをつかっていたのだ。ところが、そのおかげかどうか、がんの手術後にはじまった頭の湿疹がなおった。
●妹が柿をたくさん送って来た。お裾分けもしたが、まだまだ。
柿のコンポートと柿のアイスクリームを作ることにした。
①3個はためしに冷凍保存。これは絶品シャーベットになるらしい。
②アイスクリームは、固めの柿をすりおろし、バニラアイスに混ぜるだけ。「爽」がいいかも。
③コンポートは、白ワインとハチミツ、レモン汁、カルダモンとクローブがいるが、白ワインのアルコールを飛ばして、少し煮るといいかもしれない。柿は
●朝吹秀和さんより、第4句集『光陰の矢』(ふらんす堂・2020.11.26刊)
が送られてくる。朝吹さんとのご縁がはじめどうだったのか、よくわからなくなっているが、第1句集、第2句集もいただいている。
●イタリア発のパネトーネを2個買う。一つは、家に置いて句美子たち用。一つは元の家に送る。元希が英語に興味を示しているようなので、英語の絵本を2冊と、『100さいの森』を荷物に入れる。
●美知子さん出版祝に成田花壇から胡蝶蘭を送る。白い花の中心に紅色のスプレーがある珍しいもの。熟成胡蝶蘭とある。白いレース状の切り絵のカードに
メッセージを書く。
●カーテンの洗濯。玄関周りの大掃除。11月中に大掃除は、済ませる覚悟。
曇のち晴れ
●美知子さんのアンソロジーのお礼や感想が発行所宛届いているので、美知子さんに転送。発行所ブログに、送られてきた鑑賞文などを掲載。手紙を出されたかたもいるが、なんといってもメールやネットでの書き込みが早い。
晴れ 夕方、雨しづく
半月
●ネット短信No.366発信。
●美知子さんのアンソロジー出版へのお祝いの件で、同人各位に電話。短い電話ながら、それぞれの花冠にたいするお考えなどがくみ取れた。通信手段はいろいろあり、一つに頼りがちになるが、一つだけでは、不十分と知る。