5月8日(火)

★野ばら咲く愛のはじめのそのように  正子
野ばらを見ると、愛が始まる時のような可憐な思いが湧いてきたのでしょうか。素敵な句です。(祝恵子)

○今日の俳句
チューリップ小雨は森に去りました/祝恵子
森の近くのチューリップ畑。あまりにもかわいらしいチューリップに雨は少しだけ降って森へ去っていった。ここにメルヘンが生まれた。(高橋正子)

●3月下旬のような肌寒さ。
ネット短信No.348 を送信。内容は、5月月例ネット句会のご案内。

○野茨(花いばら・野ばら)

[野茨/東京白金台・自然教育園]

★花いばら故郷の路に似たる哉/与謝蕪村
★愁ひつつ岡にのぼれば花いばら/与謝蕪村
★咲きはじむ野ばらの白よ旅衣を解く/高橋信之
★野ばら咲く愛のはじめのそのように/高橋正子

野茨(バラ目バラ科バラ属学名:Rosa multiflora)は、バラ科の落葉性のつる性低木。日本のノバラの代表的な種。沖縄以外の日本各地の山野に多く自生する。ノバラ(野薔薇)ともいう。高さは2mぐらいになる。葉は奇数羽状複葉で、小葉数は7-9、長さは10cmほど。小葉は楕円形、細かい鋸歯があり、表面に艶がない。花期は5~6月。枝の端に白色または淡紅色の花を散房状につける。個々の花は白く丸い花びらが5弁あり、径2cm程度。雄しべは黄色、香りがある。秋に果実が赤く熟す。野原や草原、道端などに生え、森林に出ることはあまり見ない。河川敷など、攪乱の多い場所によく生え、刈り込まれてもよく萌芽する、雑草的な性格が強い。古くはうまらと呼ばれ万葉集にも歌われている。

★道の辺の うまらの末(うれ)に 這(は)ほ豆の からまる君を はなれか行かむ/丈部鳥(はせつかべのとり)万葉集巻二十 4352

野薔薇は、シューベルトの歌曲で知られているが、与謝蕪村が好んで俳句に詠んでいる。蕪村の句は読んで非常に新しい感じがした。山裾の崖、河原の藪に絡むように育っているが、花は、一面に白い花が咲いて、可憐である。

◇生活する花たち「野茨・ひとりしずか・ふたりしずか」(東京白金台・自然教育園)

5月7日(月)

★白ばらの空気を巻いていて崩る  正子
白ばらの正に絢爛と盛りある咲きよう。空気の中に広がり、否、大きく巻き込んで濃密な一体となって在り、この期を逃せばあとはただ崩れ去るのみ。(小西 宏)

○今日の俳句
蒲公英の花せめぎあい光りあい/小西 宏
蒲公英が明るい日差しの中に、びっしりの咲いている様子。一つ一つの花は可憐でありながら、せめぎあうほどの花の力。せめぐだけでなく、また、互いに光りあっている。確かな目である。(高橋正子)

●午後5時半ごろからどしゃ降り。3分ほど歩くのに、ずっしりと濡れてしまった。
エコーと血液検査。よく検査するように病院から言われる。検査し過ぎの感じがしないでもない。

俳句月刊誌『氷室』(尾池和夫主宰・宇治市)5月号の「現代俳句鑑賞」のページに正子の句
「水破りみどり無数の葦の角」を大島幸夫さんに鑑賞いただいた。
<無数の葦が春の日差しを得て成長し、水の面に顔をのぞかせ、緑の角の先端を陽光に光らせた瞬間を切り取られた瑞々しい作品である。
 平凡な観察であれば、「昨日まで水の下だった葦が、今朝は水の上に顔を覗かせている」程度の時の経過で見てしまう情景を、作者は微速度撮影のような鋭い観察眼をもって、葦の角が「水の下から伸び、水面に至り、今ついに水を突き破った刹那」を確認されたのである。もしかしたらその時、幽かにでも水輪が生じたのが見えたのかもしれない。「水破り」という措辞を見出し、自らズンと顔を出した動きを見事にけいようされたことに敬服する。>

○ジャーマンアイリス(ドイツアヤメ)

[ジャーマンアイリス/横浜市都筑区ふじやとの道] 

★ドイツアヤメ咲く青年のジョギング/高橋信之
★学ぶ卓ドイツあやめの香が届き/仙石君子

ドイツアヤメ (Iris germanica) はアヤメ科アヤメ属の植物の一種。別名のジャーマンアイリスで呼ばれることが多い。本種は、アヤメ属の植物を交雑して作出されたもので野生のものはない。1800年代の初期にドイツ、フランスで品種改良され、その後、アメリカが多数の品種を出している。花期は5 – 6月ごろである。

◇生活する花たち「山躑躅・武蔵野きすげ・あやめ」(東京白金台・自然教育園)

5月6日(日)

★明け初めし空の丸さよ柿若葉  正子
煌々と明るくなる前の夜明けの空なので、丸く感じたのでしょう。柿若葉が春のやわらかで丸さを感じる空を引き立てて感じせてくれます。 (高橋秀之)

○今日の俳句
ヨットの帆きらめく海に高々と/高橋秀之
「きらめく」、「高々」の言葉が、ヨットの浮かぶ海の光景に高揚する気持ちをよく述べている。(高橋正子)

○山躑躅(やまつつじ)

[山躑躅/東京白金台・自然教育園] 

★つつじいけて其陰に干鱈さく女/松尾芭蕉
★百両の石にもまけぬつつじ哉/小林一茶
★近道へ出てうれし野の躑躅かな/与謝蕪村
★つつじ野やあらぬ所に麦畑/与謝蕪村
★死ぬものは死にゆく躑躅燃えてをり/臼田亜浪
★山つつじ照る只中に田を墾く/飯田龍太
★山躑躅そこを明るく道ありぬ/稲畑汀子
★けもの道明るく照らす山躑躅/minmin4221
★山の子となって遊べば山躑躅/高橋正子
★新緑をすずしくさせて山躑躅/高橋正子

 ヤマツツジ(山躑躅、学名:Rhododendron kaempferi)はツツジ科ツツジ属の半落葉低木。高さは1-5mになり、若い枝には淡褐色の伏した剛毛が密生する。葉は互生し、葉柄は長さ1-3mmになる。春葉と夏葉の別があり、春葉は春に出て秋に落葉し、夏葉は夏から秋に出て一部は越冬する。春葉は長さ2-5cm、幅0.7-3cmになり、卵形、楕円形、長楕円形、卵状長楕円形など形状や大きさに変化が多く、先は短くとがり先端に腺状突起があり、基部は鋭形、葉の両面、特に裏面の脈上に長毛が生える。夏葉は春葉より小型で、長さ1-2cm、幅0.4-1cmになり、倒披針形、倒披針状長楕円形で、先は丸く先端に腺状突起があり、基部はくさび形、葉の両面に毛が生える。
 花期は4-6月。枝先の1個の花芽に1-3個の花をつける。花柄は長さ3-4mmになり、花冠の筒はやや太く、色は朱色、まれに紅紫色、白色があり、径3-4cmの漏斗形で5中裂する。花冠の上側内面に濃色の斑点があり、内面に短毛が散生する。雄蘂は5本。花柱は長さ3-4cmになり無毛。果実は果で長さ6-8mmの長卵形で、8-10月に熟し裂開する。
 北海道南部、本州、四国、九州に分布し、低山地の疎林内、林縁、日当たりのよい尾根筋、草原などに生育する。日本の野生ツツジの代表種で、日本の野生ツツジでは分布域がもっとも広い。

◇生活する花たち「かきつばた・踊子草・おへびいちご」(東京白金台・自然教育園)

5月5日(土)

★葉桜の蔭は家居のごと安し  正子

○今日の俳句
鯉のぼり仲良く泳ぐ水鏡/上島祥子
田水が張られ、その近くに民家があるのか。ま鯉、ひ鯉、子供の鯉とそろって吹かれている様が水に映って気持ちよさそうだ。(高橋正子)

○今日はこどもの日。小学校2,3年生のときのこどもの日、を思い出した。

こどもの日

山へのぼろう
こどもの日に
山つつじが赤く咲く岬の山へ
かあさんたちが
つくってくれた
ばらずしをもって

山から海を見ようよ
少女たち
子もりのふうちゃんが
炭鉱のある九州へひっこっして行った海を
赤い髪の小さいけんちゃんが
手をふってブラジルへ行った海を

そうして
海のむこうから来る船が
正午に鳴らす汽笛を聞こうよ
目をこらせば
きっとわかるんだよ

○山躑躅(やまつつじ)

[山躑躅/東京白金台・自然教育園] 

★つつじいけて其陰に干鱈さく女/松尾芭蕉
★百両の石にもまけぬつつじ哉/小林一茶
★近道へ出てうれし野の躑躅かな/与謝蕪村
★つつじ野やあらぬ所に麦畑/与謝蕪村
★死ぬものは死にゆく躑躅燃えてをり/臼田亜浪
★山つつじ照る只中に田を墾く/飯田龍太
★山躑躅そこを明るく道ありぬ/稲畑汀子
★けもの道明るく照らす山躑躅/minmin4221
★山の子となって遊べば山躑躅/高橋正子
★新緑をすずしくさせて山躑躅/高橋正子

 ヤマツツジ(山躑躅、学名:Rhododendron kaempferi)はツツジ科ツツジ属の半落葉低木。高さは1-5mになり、若い枝には淡褐色の伏した剛毛が密生する。葉は互生し、葉柄は長さ1-3mmになる。春葉と夏葉の別があり、春葉は春に出て秋に落葉し、夏葉は夏から秋に出て一部は越冬する。春葉は長さ2-5cm、幅0.7-3cmになり、卵形、楕円形、長楕円形、卵状長楕円形など形状や大きさに変化が多く、先は短くとがり先端に腺状突起があり、基部は鋭形、葉の両面、特に裏面の脈上に長毛が生える。夏葉は春葉より小型で、長さ1-2cm、幅0.4-1cmになり、倒披針形、倒披針状長楕円形で、先は丸く先端に腺状突起があり、基部はくさび形、葉の両面に毛が生える。
 花期は4-6月。枝先の1個の花芽に1-3個の花をつける。花柄は長さ3-4mmになり、花冠の筒はやや太く、色は朱色、まれに紅紫色、白色があり、径3-4cmの漏斗形で5中裂する。花冠の上側内面に濃色の斑点があり、内面に短毛が散生する。雄蘂は5本。花柱は長さ3-4cmになり無毛。果実は果で長さ6-8mmの長卵形で、8-10月に熟し裂開する。
 北海道南部、本州、四国、九州に分布し、低山地の疎林内、林縁、日当たりのよい尾根筋、草原などに生育する。日本の野生ツツジの代表種で、日本の野生ツツジでは分布域がもっとも広い。

◇生活する花たち「かきつばた・踊子草・おへびいちご」(東京白金台・自然教育園)

5月3日(木)

★森奥のたんぽぽ大方は絮に  正子
春も深まる森奥の静けさの中、白い絮となるたんぽぽの群落がほっと心灯されるように目に浮かびます。やがて、か細いたんぽぽの絮も空中に飛び立ち、若葉萌えだす森の、新たな季節の訪れも感じさせてくれます。(藤田洋子)

○今日の俳句
真っ直ぐな銀杏並木のみな若葉/藤田洋子
真っ直ぐな銀杏並木の整然とした若葉に、気持ちが爽やかになる。「真っ直ぐな」に読み手の背筋も伸びる思いだ。整然としたなかにも「みな」という柔らかな音の語があって、若葉の柔らかさを感じさせてくれる。(高橋正子)

○花にら

[花にら/横浜日吉本町]

★足許にゆふぐれながき韮の花/大野林火
★おもてより裏口親し韮の花/水野節子
★花にらはいつも樹のそば垣のそば/高橋正子

 花にらは、春の季節感があるが、俳句の季語ではない。夏の季語の「韮の花」とは違う。ハナニラ(花韮、学名:Ipheion uniflorum (Lindl.) Raf.)は、APG植物分類体系第3版でヒガンバナ科(APG植物分類体系第2版ではネギ科古い分類のクロンキスト体系ではユリ科)に属するハナニラ属の多年草。イフェイオン、ベツレヘムの星とも呼ばれる。原産地はアルゼンチン。日本では、明治時代に園芸植物(観賞用)に導入され、逸出し帰化している。葉にはニラやネギのような匂いがあり、このことからハナニラの名がある。野菜のニラ(学名Allium tuberosum)とは同じ科の植物であるが、属が違うのであまり近縁とは言えない。球根植物であるが、繁殖が旺盛で植えたままでも広がる。鱗茎から10-25cmのニラに似た葉を数枚出し、さらに数本の花茎を出す。開花期は春で、花径約3cmの白から淡紫色の6弁の花を花茎の頂上に1つ付ける。地上部が見られるのは開花期を含め春だけである。 
 

◇生活する花たち「山躑躅・武蔵野きすげ・あやめ」(東京白金台・自然教育園)

5月2日(水)

★八十八夜のポプラに雀鳴きあそぶ  正子
八十八夜と言えば童謡「茶摘み」を思い起こします。この頃は柔らかな日差しと眼にも優しい若葉がそよぎ爽やかな風を心地よく感じられる季節です。また雀たちは日脚の伸びた明るいポプラに何時までもその喜びに囀っていたのでしょう。若葉と囀り、明るさに満ち溢れた夏の近づく音を感じます。また、「鳴きあそぶ」に可愛い雀に対して作者の優しい眼差しをも思われます。 (佃 康水)

○今日の俳句
筍を茹でつつ糠を噴き零す/佃 康水
筍を茹でるとき油断すると灰汁を抜き、柔らかくするために加えた糠が吹きこぼれる。鍋や釜の縁に吹きこぼれた糠がこびりつくこともある。しかし、こういう事に季節の暮らしがある。(高橋正子)

○八十八夜

★磧湯(かわらゆ)の八十八夜星くらし/水原秋桜子
★きらきらと八十八夜の雨墓に/石田波郷
★逢ひにゆく八十八夜の雨の坂/藤田湘子
★旅にて今日八十八夜と言はれけり/及川 貞
★八十八夜都にこころやすからず/鈴木六林男

 八十八夜(はちじゅうはちや)は、雑節のひとつで、立春を起算日(第1日目)として88日目、つまり、立春の87日後の日である。21世紀初頭の現在は平年なら5月2日、閏年なら5月1日である。数十年以上のスパンでは、立春の変動により5月3日の年もある。
 あと3日ほどで立夏だが、「八十八夜の別れ霜」「八十八夜の泣き霜」などといわれるように、遅霜が発生する時期である。一般に霜は八十八夜ごろまでといわれているが、「九十九夜の泣き霜」という言葉もあり、5月半ばごろまで泣いても泣ききれない程の大きな遅霜の被害が発生する地方もある。そのため、農家に対して特に注意を喚起するためにこの雑節が作られた。八十八夜は日本独自の雑節である。
 この日に摘んだ茶は上等なものとされ、この日にお茶を飲むと長生きするともいわれている。茶の産地である埼玉県入間市狭山市・静岡県・京都府宇治市では、新茶のサービス以外に手もみ茶の実演や茶摘みの実演など、一般の人々も参加するイベントが行われる。
 「♪夏も近づく八十八夜…」と茶摘みの様子が文部省唱歌『茶摘み』に歌われている。
昭和7年(1932年)『新訂尋常小学唱歌 第三学年用』

茶摘/文部省唱歌
一、
  夏も近づく八十八夜、
  野にも山にも若葉が茂る。
  「あれに見えるは
  茶摘ぢやないか。
  あかねだすきに菅の笠。」
二、
  日和つづきの今日此の頃を、
  心のどかに摘みつつ歌ふ。
  「摘めよ、摘め摘め、
  摘まねばならぬ、
  摘まにや日本の茶にならぬ。」

○花蘇芳(はなずおう)

[花蘇芳/横浜日吉本町]

★いとしめば紅よどむ蘇芳かな/松根東洋城
★風の日や煤ふりおとす花蘇芳/滝井孝作
★花よりも蘇芳に降りて濃ゆき雨/後藤比奈夫
★街中の水に空ある花すおう/和知喜八
★花すおういつも縁側より見えて/高橋正子

 ハナズオウ(花蘇芳、Cercis chinensis)は中国原産のマメ科ジャケツイバラ亜科の落葉低木で、春に咲く花が美しいためよく栽培される。高さは2-3mになり、葉はハート形でつやがあり、葉柄の両端は少し膨らむ。早春に枝に花芽を多数つけ、3-4月頃葉に先立って開花する。花には花柄がなく、枝から直接に花がついている。花は紅色から赤紫(白花品種もある)で長さ1cmほどの蝶形花。開花後、長さ数cmの豆果をつけ、秋から冬に黒褐色に熟す。和名紫荊はその花の紅紫色が、あたかもスオウ染め汁の色に似ているからである。
 花蘇芳の紅紫色は古典的。よい色である。ハート型の葉も魅力。空の青色に似合う。生家には土塀のそばに一本の蘇芳が咲いた。子どもの目にはその花は少し暗く思えたが、つやつやとした絹地のように映った。
 ハナズオウ属は北半球温帯に数種が分布する。地中海付近原産のセイヨウハナズオウ (C. siliquastrum) は落葉高木で高さ10mほどになり、イスカリオテのユダがこの木で首を吊ったという伝説からユダの木とも呼ばれる。このほかアメリカハナズオウ (C. canadensis) などが栽培される。

◇生活する花たち「三葉躑躅(みつばつつじ)・葱坊主・繁縷(はこべ)」(横浜日吉本町)

5月1日(火)

★豆の花宙に雀が鳴いており  正子
春の到来を告げる豆の花が畑一面にに咲き乱れ、空には賑やかな雀たちの鳴き声が響いています。おおらかなこの季節の賛歌です。(河野啓一)

○今日の俳句
春深し小枝に小鳥来てとまる/河野啓一
「春」のただなかに身を置いている自分と、小枝に飛んできた小鳥に自分を重ねているような、静かな楽しさがある。「春深し」の実感。(高橋正子)

●快晴。
小さいパン屋に。できたてのベーコンエピがあり、思わす買う。フランボワーズと何か合わせたジャムを載せたデニッシュとチョココルネも。こちらはおやつ。どのパンも本当に感心するほど丁寧につくってある。少し高いので、思いついたとき、たまに。

「ごとし」俳句が多いと信之先生が平成俳句年鑑のテレビで人気の俳人の句を見ていう。5句のうち3句が「ごとし」俳句だ。ほかの著名俳人にも「ごとし」俳句は多い。そのことは私は、前々から知っている。観察や洞察なしで、安直で上手そうな俳句になる。読んでみて、それはごまかしと思える。伝統俳句は比喩を嫌う。その根底は東洋思想で、自然への深い洞察や観察がもとだ。中世は物が少なく、中世思想などが発展した。
経済がゆたかになる、物が多くなると精神はすたれるらしい。

○錦木の花

[錦木の花/東京深川・芭蕉記念館]

★錦木の花や籬にもたれ見る/高浜虚子
★苔の香や錦木の花散り溜まる/織田烏不関
★川風に錦木の花うすみどり/高橋正子
★新緑の中なる花もうすみどり/高橋正子

 ニシキギ(錦木、学名:Euonymus alatus)とはニシキギ科ニシキギ属の落葉低木。庭木や生垣、盆栽にされることが多い。日本、中国に自生する。紅葉が見事で、モミジ・スズランノキと共に世界三大紅葉樹に数えられる。若い枝では表皮を突き破ってコルク質の2~4枚の翼(ヨク)が伸長するので識別しやすい。なお、翼が出ないもの品種もあり、コマユミ(E. alatus f. ciliatodentatus、シノニムE. alatus f. striatus他)と呼ばれる。
 葉は対生で細かい鋸歯があり、マユミやツリバナよりも小さい。枝葉は密に茂る。 初夏に、緑色で小さな四弁の花が多数つく。あまり目立たない。 果実は楕円形で、熟すと果皮が割れて、中から赤い仮種皮に覆われた小さい種子が露出する。これを果実食の鳥が摂食し、仮種皮を消化吸収したあと、種子を糞として排泄し、種子散布が行われる。紅葉を美しくするために西日を避けた日当たりの良い場所に植える。 剪定は落葉中に行う。よく芽をつける性質なので、生垣の場合は強く剪定してもよい。 栽培は容易。名前の由来は紅葉を錦に例えたことによる。別名ヤハズニシキギ。

○生活する花たち「苧環(おだまき)・カラー・クレマチス」(横浜日吉本町)