★ヒヤシンスの香り水より立つごとし 正子
ヒヤシンスの水栽培をされているのでしょう。ガラスの器からの花の香が、水より漂っていい香りを放っています。(祝恵子)
○今日の俳句
春鳥の飛び去り棒の揺れるのみ/祝恵子
たとえば、畑に突っ立っている棒に、鳥が飛んで来て止まり、辺りを見たり、鳴いたりして、飛び去る。飛び去るときのはずみで棒が揺れる。春になると特に小さな生き物がいきいきと動き始める。春らしい景色。(高橋正子)
○たんぽぽ
★たんぽぽや日はいつまでも大空に/中村汀女
★蒲公英の絮とぶ下を千早川/杉山岳陽
たんぽぽは、すみれと並んで、春の野の花の代表かもしれない。キク科の多年草。菊と同じような花の付き方をする。西洋たんぽぽに押され気味らしいが、、関東のたんぽぽ、関西たんぽぽ、白花たんぽぽなとど、何も調べないでもいろいろあることと知っている人は多い。植物学的ではなく、「たんぽぽ」をどう発音するかだが、おそらく関東の人は、「たん」にアクセントを置いて発音されるだろう。私は中国地方で育ったから、「たん」は平板に発音して「ぽぽ」で少し上げて「ぽぽ」のところは同じ強さで発音する。「たん」を強くいう標準語は、どうも言いにくい。ただそれまでのことだが。おとといも横浜市内の緑道や里山公園ですみれを見つけたが、たんぽぽが咲き揃えば、いよいよ桜も数日内には加わってくるだろうと、楽しみだ。
★たんぽぽの野の平らかに空の下/高橋正子
◇生活する花たち「カタクリの花・キクザキイチゲ・満作」(横浜四季の森公園)

★春雷のいなづま明かりを胸に受く 正子
夏の雷には即物的な力を感じますが、春雷となると少し感情に響くところがあるようにも思います。「いなづま明かり」にはいささか艶めかしささえ感じられます。どんな思いを胸に受けられたのか、それは読者の読みに任されていますけれど。 (小西 宏)
○今日の俳句
水色のそらに連翹の明るい岸/小西 宏
元の句は、「水色のそら」で切れ過ぎ。感動のありどころを、論理的に詰めて表現するとリアルな句になる。水色の空であるから、真っ黄色い連翹の咲く岸がくっきりと眼前に見える。そのコントラストが美しい。(高橋正子)
○横浜都筑・ふじやとの道緑道
きのう、3月29日、都築区にある「ふじやとのみち」を歩いた。横浜市営地下鉄グリーンラインの北山田(きたやまた)で降りてそこから始まる緑道を歩いたのだが、空は青く晴れて、小さな雲が浮かび、春の陽気となった。新緑のころは、木々の緑の枝が差し交わし、せせらぎがさらさらと流れ、さわやかな道となる。きのうは、春の日差しが溢れ、新設された外灯が工事現場の柵を残したまま、道沿いに突っ立っている。黄水仙がやっと。葵葉すみれを見つけたが、歩けど歩けど春の日差しが行き届いているが木の花草の花はまだ。緑道が尽きる手前に一本だけ辛夷の花。。辛夷を写真に撮ろうとするが、剪定がまずいのか、樹形が壊れてしまっている。首が痛くなるほど見あげて、結論を出した。辛夷を画に描くとしたら、どう描くかなど思いながら、つまり、画を描くつもりで写真を撮った。紙くずのような感じでほどけた花びら、中心にうすい赤みがあるところ、背景は空の青。枝があること。
緑道の終わりは、徳生公園で鴨が泳ぐ池がある。残った鴨は羽が白と黒の鴨がほとんど。水輪をつくりのどかに泳いでいる。鵜の番も杭に止まりひなたぼっこ。ベンチに座り、水筒からコーヒーを飲むと、老人となったような、ならないような心持である。緑道は、保育園児と、犬の散歩をさせる人、たまに自転車の主婦が通るくらい。「散歩」は、外国からの輸入らしいので、散歩が日本の文化になじむにはまだ時間がかかるのかもしれない。都筑阪急で、讃岐うどんの昼食を済ませて、センター北駅から帰宅。
○生活する花たち「梅・ヒイラギ南天・山茱萸(さんしゅゆ)」(東京関口・江戸川公園)


★沈丁の香の澄む中に新聞取る 正子
いつも其処に在る沈丁花ですが、同じに匂うわけではありません。朝一番、扉を開けた時の、ひときわ澄んだ香り。それは「新聞取る」日課に得る、よろこびです。清かな香の中に、今日のよくあらんことを想います。(川名ますみ)
○今日の俳句
残る鴨みずから生みし輪の芯に/川名ますみ
「残る鴨」なので、みずからが生んだ輪の中心にいるという事実が生きる。温んだ水が、しずかに輪を描き、その中心にいる鴨に、独りでいる意思が読み取れる。
○辛夷

[横浜都筑・ふじやとの道緑道2012年3月29日撮影]
★丘の上総身白き花辛夷/高橋正子
辛夷は、高さ6-9メートルに達する落葉喬木。新葉の出ぬ前白色の花を、梢頭樹間に開く。私にとっては、堀辰夫の小説のイメージが強い。横浜に転居するまでは、辛夷は、希に、もしくはほとんどと言っていいほど見たことがなかった。どんな花だろう、この目で見てみたいと思っていたものだ。似ている花の白木蓮は、庭木などで、家々によく咲いていた。新しい住宅が建つなどすれば植木にも流行があるのか、どの家にも同じ木が植えられる。白木蓮もその一つではなかったかと思う。横浜に転居してからは、近所に始まり、至るところに辛夷を見かける。旅をすれば、雑木山に辛夷が咲いているのが目撃できる。辛夷の花が咲くころは風がたしかによく吹く。風に雑木山ごとなぶられるようなこともある。白木蓮のように明らかな形で咲かないで、くしゃくしゃと咲く。この決まりなさがいい。スケッチするなら、白木蓮より辛夷がいい。風に打たれやすく、雨に傷みやすくて、儚く美しい文人好みの花であろう。シデコブシというのがあって、いい花だと思う。
◇生活する花たち「辛夷・花水木・柳の花」(横浜都筑・ふじやとの道緑道)

★花にらはいつも樹のそば垣のそば/高橋正子
にらに似た匂いがあり、花は星型で白色の花を咲かせる花にらは野生化して樹のそばや垣根のそばに映えているのが多いですね。ぞばのリフレインがとても素敵ですね。素敵な春の景ですね。(小口泰與)
○今日の俳句
揚ひばり畑ねんごろに打ちにけり/小口泰與
ひばりが空高く揚がり、のどかな日和。畑の土を丁寧に打ち返す。行いを丁寧にすれば、心の内も平たんになる。また逆も。(高橋正子)
○花にら
★花にらはいつも樹のそば垣のそば/高橋正子
花にらは、春の季節感があるが、俳句の季語ではない。夏の季語の「韮の花」とは違う。日本では、明治時代に園芸植物(観賞用)に導入され、逸出し帰化している。葉にはニラやネギのような匂いがあり、このことからハナニラの名がある。野菜のニラ(学名Allium tuberosum)とは同じ科の植物であるが、属が違うのであまり近縁とは言えない。球根植物であるが、繁殖が旺盛で植えたままでも広がる。鱗茎から10-25cmのニラに似た葉を数枚出し、さらに数本の花茎を出す[3]。開花期は春で、花径約3cmの白から淡紫色の6弁の花を花茎の頂上に1つ付ける。地上部が見られるのは開花期を含め春だけである。
◇生活する花たち「花にら・辛夷・菜の花」(横浜日吉本町)

★春の夜のむかし炭火を持ち運び 正子
炭火は今は貴重なものとなりましたが、むかしは火鉢や七輪によく使われたものでした。御句からは、熾きのもつ色合い、ぬくもりなども伝わり、春の夜のしっとりとした趣に懐かしいあたたかさを感じます。(小川和子)
○今日の俳句
湧水の流れに椿一花あり/小川和子
きれいな湧水に一花の椿が落ちてまだ色鮮やかである。水と花のクリアなイメージが美しい。(高橋正子)
○連翹(レンギョウ)
★遠くゐて連翹の黄と思ひをり/森 澄雄
連翹とは、広義にはモクセイ科レンギョウ属(学名: Forsythia)の総称(それらから品種改良で作られた園芸品種をも含める)。狭義には、レンギョウ属の種の一つ、学名 Forsythia suspensa の和名を指す。一般には広義の意味で称されることが多い。特徴は、雌雄異株。繁殖力が旺盛で、よく繁る。樹高は1 – 3mまで育ち、半つる性の枝は湾曲して伸び下に垂れ、地面に接触すると、そこからも根を出し新しい株ができる。枝は竹のような節を持つ。また、枝の髄が早期に消失するため、節の部分を除いて中空になる(このことから“空の木”、レンギョウウツギ(連翹空木)という別名が付いた。まだ葉が芽吹く前の早春、2 – 3cmの黄色い4弁の花が、細い枝に密に多数開く。その花が咲き終わる頃、入れ違うかのように今度は、緑色の葉が対生に芽吹き、それが秋になると濃緑色、概憤色(くすんだ黄緑色)、紫色と順に変色し、最後に落葉する。付いた果実は漢方薬として用いられる。中国原産。日本への渡来は古く、『出雲風土記』や『延喜式』にもレンギョウの名前が見られる。江戸時代前期に栽培の記録がある。
★飛び出でて子ら連翹の黄と遊ぶ/高橋正子
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◇生活する花たち「クロッカス・木瓜・山茱萸(さんしゅゆ)・」(横浜日吉本町)
★宵風の白みて強し犀星忌 正子
犀星といえば、「ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」との詩が浮かびます。私生児として生まれ、生後間もなく養子に出されるという複雑な生い立ちは犀星文学の原点でしょう。「白みて強し」にその感覚がうかがえます。傷は裏返せば持ち味であり、強さにもなります。(多田有花)
○今日の俳句
頂の三角点に蝶降りぬ/多田有花
世の中あるいは自然界には、説明のしがたいものの良さが多くある。この句もそのひとつ。山頂の三角点に蝶が留まった。敢えて意味づけると、山頂、三角点、三角形の翅。危ういがしかし確かなピンポイント。山頂の春の日の輝きである。(高橋正子)
○雪柳
★月うるむ地にただようて雪柳/石原八束
ユキヤナギ(雪柳、学名:Spiraea thunbergii)は、バラ科の落葉低木。別名にコゴメバナ、コゴメヤナギなど。春に小さい白い花を咲かせる。中国原産という説もあるが、日本原産であると考えられている。特徴は、手を掛けなくても成長し、大きくなると1.5mほどの高さになる。地面の際から枝がいく本にも枝垂れて、細く、ぎざぎざのある葉をつける。花は、3月から5月にかけて、5弁で雪白の小さなものを枝全体につける。そのさまから和名がついた。
雪柳の花ざかりは、枝が見えないほど真っ白になる。雨に散れば小米のような花びらが地面に張り付いてなかなかとれない。コゴメバナとはよくいったものだが、子供のころよく見た小米は、今はどこにいったのだろう。全く見かけない。
★雪柳自由な茎と空気と触れ/高橋正子
★雪柳水のかかれる井戸端に/高橋正子
◇生活する花たち「河津桜」(伊豆河津2011)
★春の蕗提げしわれにも風が付く 正子
春先の蕗の薹が伸びて、大きな葉をつける頃、食用にする蕗の出来上がりです。山地に育った蕗を採り掲げると、山菜の香りが身に纏ってくるように感じられます。自然の風に蕗の新鮮な香りが漂ってくるようで、素敵です。 (藤田裕子)
○今日の俳句
近づいて離れて日永美術展/藤田裕子
日も永くなって、仕事や家事をするにも余裕ができるようになった。美術館では近づいてよく見たり、離れて鑑賞したり、ゆっくりと楽しめる。これも日が永くなればこそ。(高橋正子)
○第9回きがるに句会入賞発表
【最優秀】
★浅間山真向いにして花を待つ/小口泰與
堂々とした浅間山に真向かい、いまだ蕾の桜が咲き満ちる姿を想う。浅間山を咲く桜をまっすぐにわが心に受け止める姿勢がよい。(高橋正子)
★卒業の歩を運びゆく足袋白き/川名ますみ
「歩を運びゆく」から、袴姿の女子学生が想像できる。白い足袋が、潔くもあり、また、しなやかである。(高橋正子)
その他の入賞作品:
http://blog.goo.ne.jp/kakan02c/
○柳の芽
★芽柳のおのれをつつみはじめける/野見山朱鳥
★芽柳や明治の鉄の橋架けて/石塚友二
★芽柳の緑さやかや雲もなし/高橋正子
柳先花緑 六如
柳眼春寒獨自醒 柳眼 春寒 独自ら醒む
新来氣力放青青 新来の気力 青青を放つ
應須喚作風流箒 応に須らく喚て風流箒と作すべし
逆為開花掃一庭 逆して開花の為に一庭を掃ふ
柳が春寒の中、芽を出し始めた。
新たな芽は生命力に満ちて、青々としている。
これを風流な箒ということにしよう。
逆さにして、開花に備えて庭を掃いておくのだ。
◇生活する花たち「雲間草・雪割草・キクザキイチゲ」(横浜四季の森公園)

★鈍行の列車に剥ける春卵 正子
ゆっくりの旅なのでしょうか。春の車外の景色を楽しみながら頂く卵、なんだか旅に出たくなります。(祝恵子)
○今日の俳句
店先の竹筒に挿し早桜/祝恵子
竹筒と早桜の取り合わせがさっぱりとして清々しい。季節に先駆けた「早桜」でありが。さりげなく風雅を楽しむ心意気が好もしい。(高橋正子)
○雪割草
★息とめ見る雪割草に雪降ると/加藤知世子
★水車の辺日の粒乗せて雪間草/佐藤敬子
ユキワリソウ(雪割草 学名:Primula modesta)は、サクラソウ科サクラソウ属の多年草。高山植物で日本全土の亜高山帯から高山帯に自生する。高さは10cmほど。葉はへら形で、表面は緑色でしわが多く、裏面は淡黄の粉がある。花は3から10個の淡い紅紫色の合弁花。
◇生活する花たち「椿①・椿②・馬酔木の花」(東京関口・椿山荘庭園)

★雪割草のひらく時きて日があふる 正子
桜草の仲間でもともとは高山植物の一種、雪割草は薄紫の可憐な花。外は未だ冷たく寒くて春遠しと言えども、陽射しは日毎に力が漲り春を待つ花たちは歓喜の喜びをあげます。春の訪れを力強く詠われたすきな一句です。(桑本栄太郎)
○今日の俳句
校門のつぼみ艶めく桜芽木/桑本栄太郎
桜芽木に「校門」を配して、句に物語性がある。卒業式を控え、そして新入生を迎える準備も進んでいるであろう学校。別れと希望が入り混じって校門の桜芽木は蕾をつややかに膨らませつつある。(高橋正子)
○横浜四季の森公園
昨日22日、「フェイスブック俳句コンテスト」の相談を兼ねて、小西宏さんをお誘いして四季の森公園を信之先生ともども3人で散策。この日は、早春の予期せぬ花がたくさん咲いていた。おまけに翡翠まで池のとまり木に止まってくれた。片栗の花は、アマチュアカメラマンが咲いているところへ案内してくれた。この方は、毎週四季の森に来ているとのこと。
咲いていた花:さんんしゅゆ・みつまた、まんさく、かたくり、雪割り草、ふくじゅそう、キクザキイチゲ、葵葉すみれ、おおいぬのふぐり、猫柳、白梅、紅梅、藪椿、馬酔木、ヒイラギ南天、土筆、なずな、はこべ、ヒメ踊り子草など。芽柳も枝垂れてみどりが美しい。昨年同じ時期開いていたこぶしは、花芽がまだまだ固い。一か月以上も遅れているか。
○片栗の花
★片栗や自ずとひらく空の青/加藤知世子
★山の湖かたくりも花濃かりけり/星野麦丘人
★鐘型紅紫色ほのと咲く片栗の花/高橋信之
早春に地上部に展開し、その後葉や茎は枯れてしまう。地上に姿を現す期間は4-5週間程度で、群落での開花期間は2週間程と短い。このため、ニリンソウなど同様の植物とともに「スプリング・エフェメラル」(春の妖精)と呼ばれている。種子にはアリが好む薄黄色のエライオソームという物質が付いており、アリに拾われることによって生育地を広げている(同様の例はスミレなどにも見られる)。
早春に10cm程の花茎を伸ばし、薄紫から桃色の花を先端に一つ下向きに咲かせる。蕾をもった個体は芽が地上に出てから10日程で開花する。花茎の下部に通常2枚の葉があり、幅2.5-6.5 cm程の長楕円形の葉には暗紫色の模様がある。地域によっては模様がないものある。開花時期は4-6月で、花被片と雄しべは6個。雄蕊は長短3本ずつあり、葯は暗紫色。長い雄蕊の葯は短いものより外側にあり、先に成熟して裂開する。雌蕊の花柱はわずかに3裂している。地上に葉を展開すると同時に開花する。日中に花に日が当たると、花被片が開き反り返る。日差しがない日は終日花が閉じたままである。開花後は3室からなる果実ができ、各室には数個-20程の胚珠ができる。平均で60%程の胚珠が種子となる。胚珠は長さ2 mmほどの長楕円形である。
かつてはこの鱗茎から抽出したデンプンを片栗粉として調理に用いていた。精製量がごくわずかであるため、近年は片栗粉にはジャガイモやサツマイモから抽出したデンプン粉が用いられている。若葉を茹でて、山菜として食されることがある[17]。鑑賞用の山野草として、カタクリの球根が販売されている。日本各地の群生地では、春の開花時期に合わせて「カタクリ祭り」などが開催されている。
★かたくりに山の正午の日が差しぬ/高橋正子
◇生活する花たち「片栗の花・菫・山茱萸(さんしゅゆ)」(横浜四季の森公園)

★水菜洗う長い時間を水流し 正子
関東では、京菜と呼ばれ、若い葉はやわらかく、おひたしにしたり、サラダや煮物にもする水菜を暖かくなった春の水で綺麗に洗っている作者。春の訪れを実感して素晴らしい御句です。有難う御座いました。(小口泰與)
○今日の俳句
楤の芽や水ほとばしる湯檜曾川/小口泰與
湯檜曾川は、利根川の支流。「湯檜曾川」という名が楤の芽の芽吹くところをよく思わせてくれる。清冽な句である。、(高橋正子)
○チューリップ
★チューリップ喜びだけを持っている/細見綾子
チューリップはユリ科チューリップ属の植物。球根ができ、形態は有皮鱗茎。和名は鬱金香(うこんこう、うっこんこう)、中近東ではラーレと呼ばれる。原産地はトルコのアナトリア地方とされ、トルコ国内の宮殿(トプカプ宮殿等)やモスク(ブルーモスク等)に貼られたタイルに描かれている。生産地ではオランダが非常に有名で、各国へ輸出されている。トルコからオランダにチューリップが伝わったのは16世紀頃。日本のホームセンターや園芸品店で販売されている球根は、ほとんどがオランダからの輸入である。
チューリップは、多様な園芸品種が存在する。外観は、花弁が先端が丸いもの・尖ったもの・フリル状のものある。咲き方は一重から八重。一つの球根から複数の花がつくもの。すぼまった状態で開花するものや花弁が外側へ反り返り全開して開花するものなど。花色も青以外の赤・黄・オレンジ・白・緑・紫などの単色や複数の色のものなど、数百品種のチューリップが存在する。青バラと同様に多くの育種家によって青いチューリップの開発が進められているが、花弁全体が青い品種は発表されていない。 チューリップの花を上から覗くと、花弁の根元に青い部分が存在する。その部分には青い色素がみられ、その青い部分を増やすことで青いチューリップを作る研究がされている。
★学び舎にチャイムの鳴りてチューリップ/高橋正子
◇生活する花たち「福寿草・雲間草・満作」(横浜四季の森公園)
