津和野
★夏深井酒づくりの水湧きつづき 正子
津和野と前書きがあり、そこを流れる高津川の清流は、全国一の水質をもつとか。津和野の地酒はこのように吟味された水からうまれるのでしょう。こんこんと湧きつづける清澄な水に、心まであらわれるようです。(小川和子)
○今日の俳句
青紫蘇を水に放ちてより刻む/小川和子
青紫蘇をしゃっきりと香りよく、細く切るためには、水に放して、いきいきとさせて刻む。水と紫蘇の出会いが涼しさを呼び起こしてくれる。(高橋正子)
★浜名湖の水の五月を新幹線 正子
新幹線は大阪から東京に向かう時、浜名湖を通ります。水がすぐそこにあって、いつも楽しみな風景です。五月の水、いきいきと青く気持ちのよい日だったのでしょう。(多田有花)
○今日の俳句
芍薬のつぼみ開かんとする丸さ/多田有花
芍薬の蕾は、絹のような丸さが印象付けられる。それが、花開こうとしているいるところに、花のみずみずしさがある。 (高橋正子)
今日の俳句②
★くれないに色いろいろと祝う薔薇 正子
一本一本、それぞれのくれないに最も美しく咲いている薔薇の花、私達門下生も薔薇の花に託して先生の傘寿をお祝い出来て大変嬉しく思います。 (佃 康水)
★薔薇を見しその目に遠き氷川丸 正子
咲き誇るきれいな薔薇を見られたその目で、戦後引き揚げ船として活躍した氷川丸を遠くに見られて、作者は何を想われたのでしょう。時と場所を超えて何か心惹かれる詠みです。 (河野啓一)
★山里の空はひんやり花芍薬 正子
上野・西洋美術館
★いとけなき白もて描かれゴッホの薔薇 正子
当たってないかもしれませんが、ゴッホ最晩年の作といわれるだけに力強さというよりむしろ繊細な色遣いとタッチで描かれているのでしょうか。「いとけなき白もて描かれ」の措辞が心に響きます。絵画と俳句、芸術は相呼応する、の感を覚えます。(河野啓一)
○啓一さんへ。ゴッホの薔薇の句にコメントくださるのに、わざわざどのゴッホの薔薇を調べていただていて、ありがとうございます。西洋美術館にあるのは、よく見ると(よく見なくてもですが)むしろピンクの花が多いのですが、現物を見たときに、白い色が印象づけられました。こんなにも繊細な人が、ゴーギャンと暮らすのは、絶対無理だと思ったような気がします。この薔薇のA4くらいの複製写真を息子の間借りの部屋に、一人暮らしを励ます親心(?)で貼り付けておきましたら、気にいったようで、卒業まで貼っていました。(正子)
○今日の俳句
若葉分け伸び行く単線鉄路かな/河野啓一
単線の鉄路が若葉を分けてどこまでも続く。ただそのことが、爽快である。(高橋正子)
○今日は、信之先生傘寿の誕生日。お祝いの胡蝶蘭、薔薇など、お花を頂く。花冠ツイッター写真集に書かれたお礼の言葉は、「豪華なばらをいただき、ありがとうございます。人生のひと区切りに、今までとは違った誕生日を迎えております。信之」
http://twitpic.com/525es6
★竹落葉わが胸中を降るごとし 正子
初夏の清々しい空の下、竹は新葉にかわり、古葉を降らせます。ひそやかに落ちる他の常緑樹に比べ、竹落葉の流れは軽やかです。眼前の竹落葉を凝視し、それが「わが胸中」に在ると思うに至る。自ずと散りゆく心の古葉を、自然の観察によって、確かめられたのでしょう。深い心境と存じます。(川名ますみ)
○今日の俳句
風薫る坂の上なる男子校/川名ますみ
坂の上にある男子校を薫る風が吹き抜けてゆく。逞しく、またしなやかな少年男子の学ぶところは、薫風がよく似合う。(高橋正子)
○ツイッター句会が順調。うれしいご感想をいただきました。
・5月1日から始まったツイッター句会に昨日14日は、15名の方がご参加くださいました。予想以上の盛会に大変喜んでおります。信之先生は、毎日5名の方がご参加くだされば、上出来だろうと予想されておられました。ご投句、選句、コメントをありがとうございます。(花冠代表 高橋正子5/15)
・信之先生、正子先生、花冠ツイッター句会をありがとうございます。ブログ句会以上にみなさまとの距離が近くなった感じがいたします。(多田有花5/15)
・信之先生、正子先生、ツイッター句会をありがとうございます。初めはツイッターで?と不安でしたが、慣れるに従い膝を突き合わせて皆様と会話をしているようで、ぐっと距離が縮まったように感じております。お導き、感謝致します。ツイッター新聞、写真集も楽しみです。(後藤あゆみ5/16)
信之先生、正子先生、スケッチのブログをネット短信保存版でご紹介いただき、ありがとうございます。スケッチの題名を俳句にしてから、なんだか題材を見る目が変わってきたような気がします。俳句、いろいろな広がりとつながりをもたらしてくれますね。。(多田有花5/24)
信之先生、こちらもまたなつかしい写真です。ありがとうございます。「俳句は、いろいろな嬉しいことを思い出させてくれます。」というお言葉、まことにそのとおりと同感いたします。旅に出ても写真以上に俳句がはっきりその瞬間を蘇らせてくれます。(多田有花5/25)
御礼 高橋信之先生、正子先生 その節は大変なお世話になりました。花冠俳句を続けてきてほんとに良かったと感謝感激です。正子先生には席上選と温かいご講評をいただき、改めて厚く御礼申し上げます。(河野啓一5/25)
◆花冠の歩み/花冠ツイッター写真集◆
http://twitpic.com/photos/kakan03
◆俳句と書/高橋信之ツイッター写真集◆
http://twitpic.com/photos/kakan01
◆生活する花たち/高橋正子ツイッター写真集◆
http://twitpic.com/photos/kakan02
★燕子花を抱え一束の湿り 正子
水の中から生える燕子花。葉の大きな花ですから、一束を抱える時は、腕の中に水をだいているような心地になるでしょう。燕子花の他にない「湿り」です。(川名ますみ)
水辺に育つ燕子花。切花として数本を束にして抱えれば、(包装紙を通してさえ)ひんやりとした湿り気が感じられ、濃紫の花のみずみずしさまでもが、くっきりと目にうかびます。 (小川和子)
○今日の俳句
茄子苗の影なすほどに確と付く/小川和子◆
夏野菜の苗を植える季節。茄子苗も植え付けはじめは、心もとない感じだった。しっかりと根付いた今は「影をなすほど」になった。「影なすほど」は、茄子苗の存在感。(高橋正子)