12月21日(火)

★柚子の香に頬のほのかに温まる  正子
柚子の香る湯にゆっくりと浸かれば、身体の芯からほぐれ、頬が湯気にほんのりと上気するようです。ほのぼのとした温かさがゆったりと伝わってきてさわやかです。(小川和子)

○今日の俳句
青清し蕾兆せる野水仙/小川和子
水仙は蕾のときから、すがすがしい様子。野水仙となれば、ようやくに見えかけた蕾みも緑濃く、「青」が印象付けられる。清冽な句。(高橋正子)

12月20日(月)

★冬鵙の囃すは水照る向こう岸  正子
冬の川がきらきら輝く向こう岸から冬鵙の甲高い声が響いてきます。冬鵙の声を囃すととらえたところに正子先生の感性がうかがえ、いい句だと思いました。(井上治代)

○今日の俳句
冬鵙に雲一片もなかりけり/井上治代
一片の雲もなく晴れ渡った空に、けたたましいはずの冬鵙の声が、のびやかに聞こえる。(高橋正子)

○花冠2月号の校正を印刷所にファックス。裏表紙は俳句界の版下が届かないので、花冠ブログ句会の月間賞の句を載せる。今日、明日中には、校了となる予定。年内か、年明け早々に2月号ができそうだ。

○いよいよ年の瀬。我が家にホームベーカリー登場。家電はおもちゃの延長のようなものらしく、娘がパナソニックのホームベーカリーとパンミックス粉を買ってきた。午後7時29分に粉と水、ドライイーストをセットして、11時29分にできあがりとなる。夕食後待つこと正確に4時間。出来上がりは電子音でピーと鳴って知らせる。ミトンをはめて内釜ごと取出し、パンを網に載せて冷ます。完全に蒸気が抜ける必要がある。出来上がったパンは、もちろん今朝の朝食となった。スライスすると、そん色なくできている。味はいい。クラストもうすいので、トーストするとカリッとして食べやすい。初回は娘が作ったが、今後は、だれがパン当番になることか。炊飯器程度のすごく簡単な操作なのだが。

○昨日の土曜日、パンを買いに行った途中で、野菜市で信之先生が買ってきたものは、葉つき人参、柚子、さつまいも。人参の葉は、てんぷらにした。残りの葉は今朝電子レンジで3分加熱して乾燥させ、ちりめんと塩少々を入れてふりかけに。
余談だが、塩少々というのは、親指と一指し指でつまめる量。塩一つまみというのは、親指、一指し指、中指でつまめる量と区別しているらしい。

○息子夫婦が夕方柚子をたくさん持って急に立ち寄る。冬至の柚子湯に使うように持ってきたという。することが、親子反対のような気もするが、われわれも年とったか。柚子湯に入る習慣はよいものだ。

12月19日(日)

★水に放つよろこびがあり冬苺  正子

○今日の俳句
無造作に一輪挿しの野水仙/渋谷洋介
野水仙を、珍重がらず、「無造作」に一輪挿しに活けたところがよい。野水仙のあるがままの姿、野にある風情が見えて、句が生きている。(高橋正子)

○アクセスランキング
2010.12.18(土) 604 PV 154 IP 8623 位 / 1510268ブログ

12月18日(土)

 鎌倉・報国寺
★竹林の千幹二千幹が冬  正子
冬の竹林の美しさは立ち並ぶ幹の力強さにこそ。冷え冷えと地にあり、凛と空を指す千幹ニ千幹の影に日本古来の景を感じます。
(宮地祐子)

○今日の俳句
冬星座むすめば空の動きだす/宮地祐子
星座が組み終われば、すなわち、すっかり夜空となると、星座は眼に明らかとなって、空を巡り始める。星空の動きに楽しさがある。(高橋正子)

○きのうに続き、快晴。ベランダの鉢植えは、バケツ2杯の水で足りるが、これをやろうと思いながら2日ほどひきのばした。が、今朝実行。水をやっていて気付いたこと、いろいろ。
まず、苺の花が咲いていたので、おどろき。二株に咲いているので、受粉をさせた。うまく実がついてくれることを願う。ラッパズイセンと、ムスカリの緑の芽が5ミリほどのぞいている。菊は、プランターから掘り上げて、とりあえず、土ごと株をまとめて新聞紙にくるんでおいたが、元気そのもの。この菊をどうしようかと、思案中。レースラベンダーは、3株だけ残して、チューリップと混ぜて植えているが、新しい葉が少し茂ってきた。ナデシコが、またぽつぽつと咲き始めている。雪割り草は夏の暑さがこたえたらしく、葉が少ない。ューリップは、プランターに土だけが入っているように見えるので、これから何を植えるのかと娘に聞かれた。パイビスカス、シクラメンは日向ぼこ。パンジーをもう少し植える予定でいる。野菜は、細葉韮、小葱が二度食べればなくなるほど少し。鉢を増やさないように、そしていろいろ楽しめるように工夫をと思うが、実行ならず。

○数件先の民家の桜の小さい木に雀ではない小鳥を見つけた。しじゅうがらだろうと思い、家に帰りネットの野鳥図鑑を見る。やはり、間違いなし。飛びながら鳴く声はよく聞くが、姿を近くで見ることはめったにない。「ツッピー、ツッピー」。「しじゅう財布がから}だから、このように鳴くと愛鳥家から聞いたことがある。

「Yachoo! オンライン野鳥図鑑/しじゅうがら」
http://www.yachoo.org/Book/Show/588/sijyuukara/

12月17日(金)

★跳躍の真紅の花のシクラメン  正子
真紅のシクラメンとは、まるで篝火のようでしょうね。そこに躍動感を見てとられた、詠者の心境が重ね合わせられているようです。(多田有花)

○今日の俳句
枯蔓を引きて強さに驚きぬ/多田有花
枯蔓にある強さへの驚き。驚きを端的に、すばりと言って爽快。それが、また枯蔓らしさとなっている。(高橋正子)

12月16日(木)

 石鎚山
★雪嶺の座りし空のまだ余る  正子

○今日の俳句
花束の中より散らばる実千両/平田弘
正月用の花束であろう。実千両も束のなかに。その花束より千両の実がこぼれて散った。その驚きと、その可憐な実の鮮やかさが印象的で、心が軽い。(高橋正子)

○花冠の23年度同人費、会費はほとんどの方が納入くださったが、ネットを利用されない方など10名ほどの方に会費納入用の振替用紙を送った。同人費、会費は前納いただいて、それによって、来年度の出版計画が立つ。毎年年末の忙しい時期ではあるが、これを繰り返してこと29回。30年近くなった。

○2010年「俳句年鑑」が届いて、中を開いて予測しなかった事態に驚く。私達が師事した「いたどり」主宰の川本臥風先生が、亡くなられる前、「いたどり」は、廃刊にして、ガリ版刷りでもなんでもよいから、それぞれが自分の俳誌をもつようにと言われた。それを守ったのは、「水煙」を発行した信之先生だけであった。「いたどり」は、「虎杖」と名前を漢字に変えて、そのまま継続されたが、その「虎杖」が廃刊となっている。その1年前は、「虎杖」を出たグループが俳句通信を手はじめにして出版された「砂山」も廃刊となっている。二つとも分厚い雑誌で威勢がいいように見えた。臥風先生存命中に出された「星」も主宰者の病気により突如廃刊され、あとかたもない。30年かけて、ようやくはっきりとしてきたことだ。時間がものごとをはっきりとさせることには間違いない。

○60歳で俳句をはじめるなら、90歳で、30歳なら60歳。17歳なら47歳までは、真価がわからないということであろう。

○年末の大掃除を、少しずつやっている。今日は、レンジとその周り。この程度の少しずつ。1日30分から1時間程度。25日までには終えたい。

12月15日(水)

★冬オリオン杉の木立に懸かりたり  正子
澄み切った冬の夜空に光るオリオン座が、真っ暗な杉の木立に重なった景が目に浮かびます。(祝恵子)

○今日の俳句
水仙の目線にあれば香りくる/祝恵子
目線の位置から、すっと真っ直ぐ水仙のいい香りが届く。香りがたゆたわず、すっと真っ直ぐ届くところが、水仙の花らしい。(高橋正子)

12月14日(火)

★南天に日はうららかに暮れにけり  正子
青空に実南天の赤が映え、日に煌めくうららかな一日が穏やかに暮れようとしています。自然とともに在られる静かに満ち足りた心境がうかがわれ、心惹かれます。(柳原美知子)

○今日の俳句
船一面冬日に今朝の網干され/柳原美知子
今朝の漁に使った網を船一面にかけて干してある。潮が滴る網に朝日が差して、漁の後の漁港の風景が新鮮に詠まれている。(高橋正子)

12月13日(月)

★暖房に蘭の花芽の確と生れ  正子
今は暖房が日常となってきましたが、それをそのままに受け止める蘭の逞しさが,「花芽の確と生れ」から感じられます。(矢野文彦)

○今日の俳句
冬日和声からこどもやってくる/矢野文彦
冬晴れの日は、物音や声がよく通る。こどもの元気な声が先に聞こえて、それから子どもがやってきた。屈託ない子どもたちに、冬日和がいっそう明るくなった。(高橋正子)

12月12日(日)

★木蓮の冬芽みどりにみな空へ  正子
木蓮の冬芽は温かそうなふさふさの毛に包まれ少し透けて薄緑の筆の形にも見えますね。その冬芽は垂直に皆上を向いて居り、「みな空へ」の措辞から厳しい寒さにも耐えられる力強さを感じると同時に春先には見事な花を咲かせるだろうと期待が膨らみます。(佃 康水)

○今日の俳句
出漁や妻に焚き火の温み置き/佃 康水
出漁まで夫婦で焚火をして体を温めていたのだが、体も温もって、妻を残して船音もかるく漁に出て行った。漁師夫婦の情愛が焚火をとおして温かく詠まれている。(高橋正子)

○花冠2月号の編集を終えて、入稿。今日は日曜日で印刷所が休みなので印刷所がファイルを受け取るのは明日となる。10日の雑詠投句締め切りで、2日後には、編集完了、入稿というスピードは、信之先生のシステムのおかげ。
http://blog.goo.ne.jp/kakan12/
○アクセス、ランク入り
2010.12.11(土) 558 PV 167 IP 9107 位 / 1507300ブログ

○花冠2月号後記
★二月号をお届けします。今月号は、昨年の花冠各賞の授賞式・祝賀会の報告、花冠同人が実行委員となって行った第十九回インターネット俳句コンテストの入賞句を掲載しました。授賞式等の報告は、花冠新人賞受賞の後藤あゆみさんが初対面の感想を交えて、いきいきとした文章で書いてくだしました。お楽しみください。コンテストの入賞句につけられた選者のコメントもさまざまですが、ご参考になさってください。改めて、入賞の皆様おめでとうございます。
★高橋信之俳句十二か月鑑賞は、交代で鑑賞をいただいていますが、いかがでしょうか。俳句は伝統文化ですので、パソコンの時代となっても、伝統文化の継承のあり方は変わるものではありません。師の目指されるところを学ぶことが大切と思います。
★昨年は、「はやぶさ」の地球への帰還で、話題が宇宙へと広がったようです。プラネタリウムが羽田にもでき、なるほどと思いましたが、各地にもプラネタリウムができて、子どもたちを楽しませているようです。我が家の子どもたちも星の文人と言われ、冥王星の命名者でもある野尻抱影のたしか、『星と伝説』だったと思いますが、よほど魅力的だったのでしょう、繰り返し読んでおりました。星を見上げ、空を見上げると、俗世を離れたような気持ちになります。寒空に輝く星々の光を内面にも取り込みたいと思います。
★花冠の表紙の色は、昨年の十月号から、印刷所の花冠担当の浅井さんにお願いしています。どの色にするか、たとえば、「明るめの緑系で」と指示して、色の細かい調整は浅井さんにしてもらっています。浅井さんは二十代の女性でパソコンがお得意で、若いセンスを活かしてご協力願っています。パソコンで送られた皆さんの句や原稿を、信之先生が、パソコンで編集とファル処理をされて、ホームページにアップします。それを印刷所がダウンロードし、校正原稿が出来、皆さんに校正をしていただき、編集調整をして校了となれば、印刷できるようになっています。諸書ある雑誌のなかでもこの方法が取れるものは、ほとんどないのでは、ないかと思っています。今後とも、ご協力をお願いいたします。(正子)

○ネット短信No.87発信。花冠2月号の筆者校正を依頼。

○花冠各賞授賞式と11月オフ句会集合写真(新横浜駅ビル10階)

前列:河野具子・河野啓一・高橋正子、
後列:渋谷洋介・高橋句美子・後藤あゆみ・安藤智久・小西宏
(高橋信之撮影)

○その他のスナップ写真(新横浜駅ビル10階レストラン「ラ・クラス」内)
http://blog.goo.ne.jp/kakan115/