鎌倉・宝戒寺
★葉ばかりの萩の青さへ分け入りぬ 正子
鎌倉の宝戒寺は「萩寺」とも呼ばれ、特に白萩が有名。花の時季には少し早いが、その葉の何と生き生きしていることか。青々と生い茂り、行く道をふさぐ勢いである。詠者と共に萩の青さの中に分け入り、初秋の涼気を味わえる一句。(後藤あゆみ)
○今日の俳句
無花果の数多なれるもまだ青かり/後藤あゆみ
暑さがようやく一段落するころ、無花果の葉がくれに青い実が驚くほどたくさん生る。青くて固い実に初秋の空気が感じられる。下五の「青かり」は、文語破調の問題を残すが、よしとした。(高橋正子)
○俳誌「少年」主宰稲田眸子
稲田眸子氏(昭和29年愛媛生)から花冠を送ってくれるよう依頼の手紙がくる。倉田紘文主宰「蕗」誌の連載「俳句巡礼」にご紹介いただけるとのこと。
http://www3.ocn.ne.jp/~shoonen/
◇生活する花たち「コスモス」(横浜四季の森公園)

★水に触れ水に映りて蜻蛉飛ぶ 正子
水辺を軽やかに飛ぶ蜻蛉の姿が目に浮かぶようです。涼しげで軽やかな句に気持ちも軽くなります。(多田有花)
○今日の俳句
秋茄子の不ぞろいなるも強靭に/多田有花
真夏の暑さが去り、朝夕が涼しくなってくると、茄子が生き生きとして美味しい実をつけるが、皮が傷んだようなのも、曲ったのも様々。「不ぞろいなるも強靭」なのである。(高橋正子)
○第19回インターネット俳句コンテスト/9月1日~9月30日/投句料無料
【ご挨拶】 今回、第19回のインターネット俳句コンテストを開催できますことを幸いと思います。第1回の開催から今回まで実行委員長を務めてまいりましたが、13年を経て、インターネットも当時と比べものにならないほど、社会に広く浸透したと感じております。特にビジネスではなくてはならないものとなっております。文化の面では、17音からなる俳句は、ネットの特性を生かして、ネット上で多くの方に楽しんでいただけるようになっています。伝統文化である俳句の継承とその質の向上とを目指し、グローバル化の世界にも通用する詩であることを願って、インターネット俳句コンテストから新しい俳句が生まれることに期待を寄せています。多くのみなさま、自由でたのしい俳句をお待ちしています。(インターネット俳句コンテスト協会理事長 高橋正子)
http://internet-haiku.info/contest/
8月19日のアクセス数
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◇生活する花たち「ヨウシュヤマゴボウ」(横浜四季の森公園)

★乳ふふます母なる者に虫が鳴く 正子
新しく授かった命に母乳を与える作者。中七に母親としての誇りと新し命をはぐくむ決意が表わされています。嬰児の小さな鼓動と庭から聞こえるかすかな虫の音。二つの小さな命を詠って読む人に安らぎを与えてくれる句だと思います。(古田敬二)
○今日の俳句
信濃路へ入るコスモスを揺らしつつ/古田敬二
信濃は今の長野県のことであるから、けいじさんの住んでいる名古屋から信濃へ車で向かっているとき、コスモスも咲いて、ここからは「信濃路」だと思うと、目的地への期待が膨らむ。レベルの高い句。
○森澄雄さんが18日に91歳で亡くなられたと夕刊にあった。森澄雄さんは、昨年秋だったか、文学の森主催のパーティーに車椅子で出席されていた。セーター姿に吸入器をつけておられ、お話ができないようでした。壇上に登られただけでしたが、俳壇の重鎮の風格でした。
○治代さんの句集『香田』が昨日印刷所から納入されたので、今日、治代さんあてに宅急便で送る。明日、夜到着予定。
○日吉台西中学校を通り過ぎ、高田東小学校までカメラを持って歩く。日吉本町とはまた違った雰囲気。ルリマツリ・ツルハナナスビ・ハナトラノヲ・サルビアグラニチカ(青)・アベリア・シンテッポウユリorフクシャ・荒地待宵草・メヒシバ・小豆の花・萩などを撮る。
○待宵草は、遠くに白い家と雲をいれて撮った。期せずして、具合よく背景がぼやけて、好みの写真になった。メヒシバは、さつまいも畑の端に生えていっせいに風に吹かれていたので、場所としてはよろしいかろう。きょうは最高気温30度まで下がったので、木陰はすずしいところもある。タカサゴユリか、シンテッポウユリか区別できかねるが、ライオンズマンションの敷地に咲いていて、写真に撮ると、管理人さんが大いに喜んでくれた。
◇生活する花たち「溝萩」(横浜四季の森公園)

★いつよりか燕無き空青澄める 正子
春にやってきてからいつも身近に翻り、巣を作り、子燕を育てて、囀っていた燕たち。ふと気が付くと、燕はもうおらず、空を仰ぐと真青に澄んだ秋空となっている。季節の移り変わる度に人と共にある自然界の命の愛おしさに気付かされるお句です。 (柳原美知子)
○今日の俳句
雲流る空を降りくる赤とんぼ/柳原美知子
「雲流る」、「空を降りくる」に横と縦の繊細な動きが詠まれています。牧歌的な秋雲と、そこから降りてくる赤とんぼは、なにかを伝えに降りてくるようです。
○e俳句ブック/電子書籍(花冠発行所)
今年は、電子書籍元年と言われ、二月一日には、日本の書籍出版三十一社からなる「日本電子書籍出版社協会」が結成されました。五月二十八日には、アップル社の、電子書籍閲覧が可能なiPad(アイパッド)が日本でも発売されました。花冠発行所では、すでに刊行されている同人諸氏の句集がデジタル化され、パソコンでの無料閲覧が可能な電子書籍がつぎつぎと生まれています。紙の本とは、コンテンツ(内容)が同じでも、また別の新鮮な印象を与えてくれます。本句集『橘』は、これらの電子書籍の中の一冊です。花冠発行所は、前身の「水煙」の時代から、信之先生がネット事業にいち早く取り組んで、その歳月も十五年になろうとしています。その間に蓄積された、俳句や論文などコンテンツ(内容)は、膨大なものとなっております。ファイルが保存されていますので、書籍化が進めば、世界の人達にも読んでいただける可能性が大きくなります。費用などの制約で書籍化できなかったものが、書籍となって現れ、明るい将来が来る気がします。平成二十二年六月 高橋正子(電子書籍花冠合同句集『橘』の後書きより)
http://suien.ne.jp/ebook/
8月17日のアクセス数
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◇生活する花たち「向日葵」(横浜四季の森公園)
★きらきらと秋のポプラとなりいたり 正子
紅葉には間のあるも、秋の日がさせばポプラにも秋らしさを感じられたのでしょう。近くになく木の名前として知っているだけで馴染みのないポプラでしたが、図鑑で調べてみました。よい機会をいただき、ありがとうございました。(黒谷光子)
○今日の俳句
蓮は実を青々掲げそよぎおり/黒谷光子
蓮が実を青々とつけるころは、新涼。蓮の実の青さが新鮮に目を捉える。涼しい風も吹き始め、「そよぎおり」と動きもたのしませてくれる。(高橋正子)
○8月12日だったと思うが、歌人の河野裕子(かわのゆうこ)さんが乳がんで亡くなられた。現代短歌の第一人者だそうで、「しなやかに日常を詠んだ」というのがその評価。京都女子大時代に賞をもらって華やかにデビュー。歌会始めの選者も。年は、私と同学年のようだ。
「しなやかに詠む」という意味はどういう意味だろうかと思うが、主義とか主張ではないものなのであろう。
◇生活する花たち「シモツケ」(横浜四季の森公園)

★白皿に葡萄は露をこぼさざる 正子
卓上には豊潤なぶどうが白いお皿に盛られ、しかも程よく冷やされた濃厚な果肉の一粒一粒に弾けんばかりに露が光っている。白皿に盛られていることで更に新鮮さ、涼しさ、美味しさ、高級感 豊かな気持さえも感じとる事が出来ます。 (佃 康水)
○今日の俳句
賑わいの漁港の上の鰯雲/佃 康水
出船、入船、魚の水揚げなどで、賑わう漁港。その上の空高くに広がる鰯雲。生き生きとした漁港の美しい景色。(高橋正子)
○プロ野球の阪神が首位!!
昨夜、巨人が横浜に負け、阪神がヤクルトに勝って、首位に返り咲き。信之先生は、大阪生まれなので、大変ご機嫌でした。
○更新
伝言板を作りましたので、ご利用ください。
高橋正子主宰のネット句会などを貼っています。花冠ブログ句会では、1日3句投句で、数か月も連続欠詠なしの方がおられます。大変ありがたいことで、嬉しく思います。
○アクセスランキング入り
お蔭さまで、8月前半は下記の通り、5日アクセスランキング入りしました。ご支援ありがとうございます。
2010.08.15(日):9106 位(1451728ブログ中)、524(閲覧数)、144(訪問者数)
2010.08.14(土):8483 位(1451348ブログ中)、561(閲覧数)、150(訪問者数)
2010.08.11(水):9723 位(1450124ブログ中)、432(閲覧数)、151(訪問者数)
2010.08.05(木):9921 位(1447509ブログ中)、575(閲覧数)、155(訪問者数)
2010.08.04(水):8956 位(1447037ブログ中)、521(閲覧数)、161(訪問者数)
◇生活する花たち「ほおずき」(横浜四季の森公園)

★家の灯に盆灯籠の灯を加う 正子
お盆が来れば、精霊さまの魂は灯りを頼りに家にやって来られる。そして帰省して来た家族、縁者と、目には見えなくとも楽しいひと時を過ごされる。家の灯りに加え、盆灯篭の灯りは、楽しく過ごされる為のご馳走なのである。お盆に親類縁者の集う賑わいがよく見えて、明るく楽しい一句である。(桑本栄太郎)
○今日の俳句
水平線の蒼き一筋盆の海/桑本栄太郎
盆の海を眺めている。盆の海がひろびろと広がって、遠く水平線が実にきれいな蒼の一筋としてある。作者の思いが一句に籠められ、季節が的確に捉えられた(高橋正子)
○午後3時ごろから、横浜緑区の四季の森公園に出かかる。日吉本町駅から電車で25分。中山駅から徒歩15分ほどで、公園に着く。今日はお盆なので、公園を入ると溝萩の花盛り。池には蒲の穂。小道を辿ると、あきのきりんそう、洋種ヤマゴボウ、へくそかずら、コスモス、きぶしの実、数珠玉、萩、ぎぼうし、はなみずきの実、タマアジサイ、野菊などがある。公園内を1時間ほど写真に撮りながら休みなしで歩くが、この暑さに、小さい花はようやく咲いている感じだった。帰って、信之先生と写真をブログにUP.
8月14日のアクセス数
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◇生活する花たち「コスモス」(横浜四季の森公園)

★白桃の無疵を少女に剥き与う 正子
少し力が入ると黒くなる白桃ですが、それを少女に無傷で剥き与える優しさが溢れた情景を感じます。(高橋秀之)
○今日の俳句
数本の摘みしコスモス母に出し/高橋秀之
コスモスを摘んできたのは、幼い子どもであろうが、小さな手には、数本で溢れるほどである。きれいな花を母に摘んであげる子どもらしい優しさと、それを受け取る母の温かさが滲んでいる句。
◇生活する花たち「ハイビスカス」(横浜日吉本町)

★西瓜切ってみなの心に故郷(くに)ありぬ 正子
西瓜には、誰もが大切な夏の記憶を持っています。家族で一玉の西瓜を切り分ける時、みなの心に浮かぶ「故郷」は、どの場面でしょうか。今の家族で過ごした曾ての夏休みを語ったり、或いは、一家を構える前の実家の夏座敷をふと想ったり。時に同じで、時に夫々の故郷を思いながら、切り分けた西瓜を頂く。幸せで趣深いひとときです。(川名ますみ)
○今日の俳句
車椅子とんぼの群へ触れに入る/川名ますみ
「触れに入る」がすばらしくよい。とんぼの群れに、自ら入り、とんぼと同じように交わることに純粋な喜びがある。(高橋正子)
◇生活する花たち「青葡萄」(横浜日吉本町)

★ひとつぶのつめたさうましぶどう食ぶ 正子
夏の暑い日、冷やして置いたぶどう一粒を口にした時、冷たい!の感触にほっと汗を引く思いが致します。その冷たさと甘酸っぱさの触感をひとつぶ又ひとつぶと手を伸ばしゆっくりと楽しんでいらっしゃる様子がひらがな文字からも窺えます。(佃 康水)
○今日の俳句
露草を今朝の客にと摘みて来る/佃 康水
まだ露草が咲いているうちの来客。すずしい露草の花を摘んで来てもてなす心。主客ともにすずやかな気持ちのひと時が過ごせそうだ。(高橋正子)
○花冠10月号の校正中であるが、これに関してネットで「表記」の問題を読む。メディア戦略研究所のHPなどを見る。「表記ゆれ」という問題もある。「文体」の元気ということもある。
○「二句一章」、「一句一章」の句について調べる。「二句一章」が称揚され過ぎの感がある。物事の追求の深さは一句一章にあると思える。
一句一章の俳句
くろがねの秋の風鈴鳴りにけり/蛇笏
○俳句のまことについて調べる。芭蕉、鬼貫、亜浪。
8月11日のアクセス数
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◇生活する花たち「朝顔」(横浜日吉本町)
