★うっすらと平らに緋鯉の浮いて来し 正子
人影が見えて、池の緋鯉が静かに浮き上がってきた。静寂の中に一種の華やぎが感じられます。「うっすらと平らに」がその雰囲気を良くあらわしていると思います。(河野啓一)
○今日の俳句
青々と空晴れ渡る初蝉に/河野啓一
梅雨が明け、あおあおと空が晴れ渡り、ましてや、夏を歌う初蝉の声を聞くと、気持ちが伸びやかになる。(高橋正子)
○六本木、正確には西麻布4丁目にある、「山田屋まんじゅう直営店」に信之先生と出かける。先日来の猛暑、水筒に氷水を用意して出かける。暑くならないうちにと、午前9時過ぎ家をでる。お店は、六本木交差点を六本木ヒルズと反対方向に4、500メートルほど行った路地の中。暖簾の梅のマークでわかったものの、見逃しそうな店。贈り物にするので、紅白熨斗に、山田屋まんじゅうと左上に書いた熨斗にしてもらう。包み紙は、鳳凰柄。冷凍の饅頭をどうぞと、いただくが、お茶がないので、持参の水筒の氷水で畳の腰かけでいただく。店員さんは、50代と思われる東京の方です。松山ならば、涼しげな花が一輪活けられ、お茶が出されるところ。ところかわれば、品ではなく、心変わるの感。「このまんじゅうは、陛下も召し上がられるのですね。」というと、「はい。島津家のご法要でも遣っていただきました。」とのこと。芳名録があるので、署名。六本木駅までの途中の「明治屋」を見物して、駄菓子の詰め合わせが面白そうなので、お土産に買う。帰宅はお昼を少し過ぎた。水筒が随分役立った日だった。
▼松山の山田屋まんじゅう
http://yamadayamanju.jp/com/enkaku.html
○花冠9月号の初校を済ませる。7箇所訂正。昨日俳句界の版下を郵送した。それは、明日あたり届く予定。発送の準備にかかる。
○信之先生は、治代さんの句集の編集を本日も。
◇生活する花たち「睡蓮」(横浜市都筑区山田富士公園)

★緑蔭に水を噴かせて飲みにけり 正子
梅雨明けの、今日にふさわしい、涼しい句ですね。最初、飲むとき、上に水をあげて、のみます。公園では、子供たちが、先をあらそって、噴水の水を飲む光景を、目にします。(成川寿美代)
○今日の俳句
沖走る白きヨットは風のもの/成川寿美代
沖を滑るように走る白いヨットは、「風のもの」。「風のもの」で詩になった。風は読み手と一体となった風。(高橋正子)
○電子書籍を作る。
高橋正子第2句集『花冠』
http://kakan.info/books/kakan/
花冠合同句集『橘』
http://kakan.info/books/tatibana/
今年は、電子書籍元年と言われ、二月一日には、日本の書籍出版三十一社からなる「日本電子書籍出版社協会」が結成されました。五月二十八日には、アップル社の、電子書籍閲覧が可能なiPad(アイパッド)が日本でも発売されました。花冠発行所では、すでに刊行されている同人諸氏の句集がデジタル化され、パソコンでの無料閲覧が可能な電子書籍がつぎつぎと生まれています。紙の本とは、コンテンツ(内容)が同じでも、また別の新鮮な印象を与えてくれます。本句集『橘』は、これらの電子書籍の中の一冊です。花冠発行所は、前身の「水煙」の時代から、信之先生がネット事業にいち早く取り組んで、その歳月も十五年になろうとしています。その間に蓄積された、俳句や論文などコンテンツ(内容)は、膨大なものとなっております。ファイルが保存されていますので、書籍化が進めば、世界の人達にも読んでいただける可能性が大きくなります。費用などの制約で書籍化できなかったものが、書籍となって現れ、明るい将来が来る気がします。(高橋正子の句集『橘』後書きより)
○朝顔がはじめて一つ開く。錆がかった薄紫。日陰のせいかはかなげだが、それでも猛暑にめげず、涼しそうだ。
7月20日のアクセス数 閲覧数:527PV 訪問者数:173IP
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◇生活する花たち「青葡萄」(横浜日吉本町)

★パイプ椅子天の川へと向け置かれ 正子
美しい天の川を見るためにご自宅で設定されたパイプ椅子でしょうか。パイプ椅子の存在感が、今宵眺められるであろう澄んだ夜空を、銀河を仰ぐ涼気あるひとときを、より強く感じさせてくれます。(藤田洋子)
○今日の俳句
七月の銀杏並木の夜は青し/藤田洋子
七月にもなると、銀杏並木の銀杏は青々と茂ってくる。辺りの夜が青く見える。青を感じる感覚がいい。(高橋正子)
○緑陰ネット句会のご挨拶と入賞発表
緑陰ネット句会にご参加いただき、ありがとうございます。先日の豪雨で、被害に遭われた方、お見舞い申し上げます。その豪雨をもたらした梅雨もちょうど明けました。暑さも増してきましたが、緑陰の名前にふさわしい涼やかな句を寄せていただきました。京都では折りしも祇園祭で、いながらにして楽しませていただきました。選とコメントをありがとうございました。どの句にもコメントをいただき、うれしく思いました。入賞の皆様おめでとうございます。互選の集計は、藤田洋子さんにお願いしました。洋子さんお世話になりました。また、管理運営は、信之先生が当たられました。お疲れでした。これから本格的な暑さとなりますが、お体に気をつけてお過ごしください。来月の句会を楽しみにお待ちください。8月6日(金)の原爆忌ネット句会です。これで、緑陰ネット句会を終わります。(主宰 高橋正子)
▼入賞発表
http://blog.goo.ne.jp/kakan15/
7月19日のアクセス
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◇生活する花たち「額紫陽花」(横浜日吉本町)

★すずしさに星座の話読みつなぐ 正子
夜空を見上げれば美しい星空、星座にまつわる伝説や神話を読んでおられるのでしょう。すずしい夜の貴いお時間と思います(黒谷光子)
○今日の俳句
わずかなる風を捉えて青すすき/黒谷光子
青すすきが、わずかな風にそよいで、目にも涼しい様子である。「わずかな風」が、青すすきの細い葉を読み手に涼しく感じさせている。(高橋正子)
7月18日のアクセス数 閲覧数:325PV 訪問者数:152IP
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◇生活する花たち「マリーゴールド」(横浜日吉本町)

★しがみつくかなぶん捨てて衣を畳む 正子
思わず笑ってしまいました。洗濯物を取り入れてたたんだことがある人なら誰でも一度はこういう思いをしているものです。かなぶんに悪気はないのですが、ひと手間かかるだけに、やれやれ、という気分になります。(多田有花)
○今日の俳句
七月の朝晴れ山に向く心/多田有花
七月は、半ばには梅雨が明けて日差しも強くなり、海水浴や登山などが一斉に始まる。七月の朝が晴れると、心は山へ向く。青嶺の山々が目に浮かび山へ行きたくなる。(高橋正子)
○緑陰ネット句会開催。
7月17日(土)閲覧数:609PV 訪問者数:184IP
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◇生活する花たち「百合」(横浜日吉本町)

★夕焼けを海に分かちて平らな沖 正子
伊勢湾岸に住む私には海に太陽が沈む風景が印象鮮烈で自然凝視の鋭さに感動しました。(篠木 睦)
○今日の俳句
跳び箱へ走る少女に風青し/篠木 睦
跳び箱へ向かってまっしぐらに走る少女。少女に吹く風は青い。跳び箱へ向かう少女の伸びやかで意志のある姿がさわやかだ。(高橋正子)
○緑陰ネット句会投句受付中。
○リーガロイヤルホテルで家族揃ってブランチブッフェを食べる。大隈庭園が開園していたので、初めて入る。本日梅雨明けで、直射日光が厳しいが、椿山荘の庭園よりずっとよい。その後、国立新美術館のオルセー美術館展2010「ポスト印象派」(115点)を見る。雑踏の人だかりの中の絵画鑑賞となる。さすが、さすが。なじみの画の本物を見れたのは確かによかった。帰宅後朝刊と夕刊の日経を開いたら、どちらにもオルセー美術館展の画について記載されていた。
◇生活する花たち「白粉花」(横浜日吉本町)

★ひまわりの黄色澄みしを供花にもす 正子
咲いたばかりのひまわりの純粋な色を想像します。供花としても部屋の彩りとしても愉しい花だと思います。「黄色澄みしを」の措辞が印象的です。(河野啓一)
○今日の俳句
青葡萄白磁の皿の静かさに/河野啓一
静物画のような静謐な雰囲気がある。マスカットのような青い葡萄と白い皿を思う。(高橋正子)
◇生活する花たち「白雲木の実」(横浜日吉・金蔵寺)

★梅雨月の光り増し来て萱の上 正子
梅雨の間、月を見ることも稀になる。その月が雲の切れ目に見えたとき、新鮮な喜びを感じる。明日は晴れるのか、次第に雲がうすくなり、月が輝きを増してきて萱の叢が浮かびあがる。梅雨ならではの情景を、豊かな目で捉えられている。 (山中啓輔)
○今日の俳句
蚊を打って陶工土に向かいけり/山中啓輔
陶工というのは、もくもくと土に向かう。陶工の生活の本質的なところを見た。(高橋正子)
○花冠ブログ句会7月前半入賞発表
○花冠9月号の校正中。
○白水社の図書新聞「出版ダイジェストNo.152 2010.6 →7」が届く。第1面にあっと驚く。「ブレードランナーたちと共に見る夢ー義足デザインでロンドンパラリンピックを目指す」(山中俊治/慶大教授/インダストリアルデザイナー )
前にこのブログで、映像で見た義足のランナーの走りのあまりの美しさに驚いて、そのことを書いた。その私の驚きとそっくり同じような驚きをもって見た方がいた。その方が山中俊治教授。(私のほうは、山中教授よりずっとずっとあとになって見たのだろうが。)
私はひそかに工業デザイナーに大いなる敬意を払っている。物理学的な計算をして、美しいフォームやスピードなどを作り上げる。機能性とのせめぎあいで生まれる美に全くもって感心している。そして、義足のほうが、人間の足よりかっこいい場合があるのだ。この義足は、走るときに装着されるもののようだが。
スポーツ用義足がどんなものか、記事を一部引用しておく。
<スポーツ用義足を初めて見たのは映像の中だった。両足の膝下が人工物に置き換えられ、信じがたいスピードで走り抜ける異形のランナーに私の眼は釘付けになった。
そのランナー自身の肉体は脛の辺りで終端となっていた。代わりにふくらはぎの後ろに接続された炭素繊維のブレートが、ネコ科の動物のつま先を思わせるカーブを描いて、地面に着地している。スキー板にも似たブレートの弾力を巧みに使って送り出される高速の足先は、その薄さゆえにほどんど映像から消えてしまう。その滑らかな走行は、飛んでいるようにさえ見えた。
最新のテクノロジーが生み出した高性能の装置が人体に装着され、一体となって疾走するという、まるでSFの世界のできごとのようなシーンだった。
彼の名はオスカー・ピストリウス。刃物のような足に敬意を込めて「ブレートランナー」と呼ばれる。>中略<彼の肉体と一体化することで完璧な美しさを醸し出していた。これこそ、人が作りし物の究極の機能美なのではないか。>
◇生活する花たち「槿」(横浜日吉本町)

★花芭蕉掌にはつつめぬほどの花 正子
芭蕉は葉も花も日本離れした魁偉さをもっていますね。それを先生は「掌にはつつめぬほどの花」と骨太に詠われています。それによって芭蕉の全容ががっしりと私たちの眼前に示しだされて来るような気がいたします。(小西 宏)
○今日の俳句
舟虫の巌走れば光る海/小西 宏
舟虫は、まるで一族であるかのように群れて行動する。巌をちりぢりに走る様は、夏の磯らしい。光る海には日差しの強さがある。(高橋正子)
◇生活する花たち「向日葵」(横浜日吉本町)

★射干を活ける鋏が濡れてあり 正子
松山でお住まいの折、生花のお心得のある正子先生は、四季を通して野の草花などを摘んではさりげなく活けられ、いつも心楽しませてくださいました。射干の朱色と側に置く鋏も際やかに、しっとりと濡れた鋏の質感も感じつつ、花を生ける前の心静かな時間が流れているようです。涼やかに活けられた射干も目に浮かびます。(藤田洋子)
○今日の俳句
山の雨上り茅の輪の列に入る/藤田洋子
山の雨が、一句の雰囲気を作り出し、夏越し祭の茅の輪の緑が生き生きしている。茅の輪をくぐる順番の列に入って、無事に夏を越せることを祈る。(高橋正子)
○西日本各地で大雨の被害。松山の子規漱石ゆかりの愚陀仏庵が裏山の土砂崩れで全壊とのこと。松山市内東石井あたりも浸水や道路が冠水したもよう。災害のほとんどない街だけに、今回はこれまで経験のないことらしい。
7月12日のアクセス数
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◇生活する花たち「蓮の花」(横浜日吉・金蔵寺)
