5月21日(金)

アカシヤの花に青空寄りかかる  正子
夏に咲くアカシアの花。青い空と白いアカシアの花の組み合わせは5月にしかない。樹形一杯に咲く白い花のバックが青空というのでなく、青空がアカシアに「寄りかかる」としたところがユニークです。 (古田敬二)

○今日の俳句
咲きかけの黄薔薇とアンネ・フランクと/古田敬二
アンネ・フランクに薔薇を添えるとしたら、黄色の薔薇がいいですね。これから咲こうとして、パウダーのかかったような無疵の花びらが、自己の気品をほどいていく。黄色い薔薇は、アンネの実在の姿に重なる。(高橋正子)

◇生活する花たち
「ミズキの花と横浜港・ばらとイギリス館・ピラカンサスと神奈川近代文学館」

(横浜・港の見える丘)

5月20日(木)

豆飯の飯の白さに風抜ける  正子
ご飯は白いものですが豆が入ることで白さが際立ち豆の青さと相まって、心地よい風を感じられたのでしょう。「風抜ける」に豆御飯の頃のさわやかな気候も感じられました。(黒谷光子)

○洋介さんの句集『葉桜』出版の打ち合わせのため、信之先生のお供で田園都市線のあざみ野駅までゆき、洋介さんと10時に落ちあう。改札を出てすぐの、上島珈琲店で作業。2時間ほどかかる。帰宅後、休憩の後、信之先生と、句の順番を入れ替えたり、前書きを書き込んだりして、洋介さんに原稿ファイルをメールする。あとがきができれば、原稿が揃う。6月15日入稿、8月末発行予定。

○雨。向かいの紫陽花の蕾が白っぽくなる。雨は梅雨の走りのよう。

○今日の俳句
朝日射す御堂へ今日は豆御飯/黒谷光子
毎朝の仏飯に、今日は季節の香りいっぱいの豆御飯をお供えした。御堂には、すがすがしい朝日が差して、まことに気持のよいことである。(高橋正子)

◇生活する花たち「ばら園①・ばら園②・ばら園③」

(横浜・港の見える丘)

5月19日(水)

新緑の翳るときあり水があり  正子
新緑から青葉になる頃は枝や葉が重なり合って盛り上がり翳りとなって辺りが薄暗くしっとりして参ります。またある時は風がそよぎ木々から滴る水か或いは湧き水か。そこに水が有る事で活き活きとした新緑の清々しさを感じとる事が出来ます。(佃 康水)

○今日の俳句
船窓に見え来る全山島若葉/佃 康水
船窓から島の全山が見え始め、さらに近付くと島を覆い尽くす若葉の鮮やかさに、息をのむような感動を覚える。(高橋正子)

◇生活する花たち「ベニカナメモチ・デージー・ペチュニアと鉄線」(横浜日吉本町)

5月18日(火)

茄子胡瓜つゆけく漬かり飯は白  正子

○河野啓一さんから注文のあった花冠6月号をメール便で送付。

○小金井喜美子の「鴎外の思い出」を青空文庫で読む。明治3年生まれ。鴎外がドイツ留学前に、「湖月抄」と本間の琴をくれたそうだ。「湖月抄」は、源氏物語の注釈書だが、戦火も免れたらしく、永く大切にされ様子。それと、鴎外は、茄子と胡瓜の浅漬けが好きだったとか。身辺の随筆が大変上手だ。「・・かった」という語尾で終わる文がよくあるが、当時の知識人の女性の言葉であろう。

○今日の俳句
若葉風青竹売りの声街に/飯島治朗
若葉風の中に青竹を売る声が通り抜けて、初夏のすがすがしい季節が街に来た。(高橋正子)

◇生活する花たち「うつぎ・山ぼうし・鉄線」(横浜日吉本町)

5月17日(月)

 横浜動物園
石楠花に深山の風の吹き起こる   正子
石楠花、特に在来種には洋種にない趣があります。どこで見ても深山幽谷の風情を想像させてくれる石楠花独特の情緒が余すところなく描かれています。 (河野啓一)

○今日の俳句
卯の花の白きを門に置きし家/河野啓一
卯の花の白さを門に配しているのがいい感覚だ。「置きし」は、画を描いているような、絵具を置くような、詠み方で、光景を絵画的にしている。(高橋正子)

◇生活する花たち「朴の花・あかばな栃の花・芹の花」

(横浜市都筑区緑道ふじやとのみち)

5月16日(日)

 横浜動物園
真鶴に夏来し水辺用意され   正子
夏になり真鶴に用意された水辺。その水は勿論、水草なども入れ替わり、初夏らしく涼しい水辺になったのでしょうね。(祝恵子)

○今日の俳句
若葉光手つなぎ歩くいとこ達/祝恵子
若葉の輝く季節、小学生ぐらいのいとこ達であろうか、集まって、行楽にでかけるのであろう。「手つなぎ歩く」には、兄弟姉妹だけよりも、広がりのある身内のたのしさが、若葉の季節を得て、かろやかに詠まれた。(高橋正子)

○生活する花たちの写真を撮りに、午後2時過ぎ、信之先生と、地下鉄グリーンラインで北山田まで行き、山田富士公園から、やとの道を通り、センター北まで写真を撮りながら歩く。山田富士公園には、睡蓮が見事に咲いていて、思わぬ収穫。黄菖蒲もある。目当ての石楠花はもう散ったのか、見えない。公園から「やとのみち」伝いに次の公園まで歩く。途中、小川に芹の花、えごの花を見る。尻尾の非常に長い小鳥を一羽見かける。(帰宅してネット調べると、間違いなく尾長です。太平洋側では、神奈川県以北、長野県でも見られるとある。)公園にはアカシア、朴の花、茨の花が咲いている。朴の花は意外にもいい香りを放っていた。公園を出て、センター北に向かう途中、街路樹にあかばな栃の花が咲いていた。今が見ごろのようだ。遅い朝食を食べただけで出かけたので、帰りの電車に乗る前に、都筑阪急に寄って、中華そばを食べ、帰宅は4時すぎとなった。あまり花はないと思っていたが、歩けばあるもの。

○洋介さんの句集『葉桜』の原稿が調い、ファイルを洋介さん宛送付。20日に信之先生が会って、打ち合わせの予定。

○句集『葉桜』代表十句/正子抽出
畦道を破魔矢の鈴の音を残し
青空の青を返して犬ふぐり
桜咲く日を待たずして母逝きぬ
三人の孫とつきあう紙風船
北京好天故宮に吾に柳絮降る
葉桜の青にしばらく染まりいし
赫々と空引き寄せる淩霄花
茗荷の子両手に余りお隣へ
町並みの切れてまあるい秋の海
青空のかくも深きや鳥渡る

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◇生活する花たち「睡蓮・黄菖蒲・えごの花」(横浜市都筑区山田富士公園)

5月15日(土)

竹藪にあまりに明るししゃがの花  正子
竹が伸び茂った藪の中の足元に見つけたしゃがの花の群生。鮮やかな白に紫の色合いも美しく日に透けて、初夏の訪れがうれしく感じられます。(柳原美知子)

○秀之さんが、ご実家で採れたえんどう豆と新玉ねぎをおすそわけだといって、送ってくださる。午前中に届いたので、早速昼ごはんに豆ごはんを炊いて、初夏の味を堪能。まるまると太って、でも柔らかくて、とてもおいしい豌豆豆です。毎年送っていただいて、ありがたいことです。

○今日の俳句
田植時野を貫ける水の音/柳原美知子
田植時は、野が水浸しになるほど、田に水が張られる。田へ急ぐ水は、「野を貫く」勢いをもって音を立てる。日本のよい風景である。

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5月14日(金)

竹皮を脱ぐ孟宗の節短し  正子
孟宗の竹林を丁寧に見たことがないのですが、花筒などの工芸品を思いますと節が短く節に斑点などもあり、それが見どころとなっているかと思います。御句のように皮を脱ぐ時から「節短し」に納得いたしました。 (黒谷光子)

○今日の俳句
抜きんでて空わがものに今年竹/黒谷光子
竹の生長は驚くほど。一夜にして空に抜きん出て、若緑の葉を空にそよがす。空をわがもとして。

5月13日(木)

豆の花宙に雀が鳴いており  正子
豆の花といえば春咲きの豌豆と蚕豆の花を言うようです。そんな花の咲く畑の宙(そらと読みました)で鳴く雀。豆の花も雀もどこにでもある風景。そこを組み合わせ詩にしたところに惹かれます。 (古田敬二)

○花冠7月号入稿。PDFファイルで。オンライン版で皆さんに著者校をお願いする。

○四月月間賞、立夏ネット句会の賞は全員が受け取られた旨の書き込み。

○信之先生洋介さんの句集『葉桜』の編集中。跋は正子。跋に挙げる句とコメントはほぼ揃う。

○今日の俳句
蒲公英の絮白々と朝の野に/古田敬二
「朝の野」の少し冷たく覚めきらない野に「蒲公英の絮」の球形がいくつもある様がよい。(高橋正子)
[自句自解] 朝早く畑仕事をする横で、蒲公英の絮が何本も朝露に濡れて立っていました。朝日が射しいっそう美しく見えました。

5月12日(水)

 明治神宮
新緑の枝差し交わす神の杜  正子
神の杜には瑞々しい新緑が交差し、初夏の風を受けてさわさわとゆらめき、木々の精霊の言葉がきこえるようです。(井上治代)

○今日の俳句
鳴き交わし夏鳥高き青空へ/井上治代
夏鳥の弾けるような鳴き声が楽しげだ。高く眩しい青空へ飛びゆく姿も生命の楽しさそのものだ。(高橋正子)

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