俳句
○晴れ
★志賀泰次ブログ句集のへのコメント★
泰次さんが俳句添削教室に投句された句の一つに
孫と吹く夢膨らんでシャボン玉
があって、入会された当時を思い出します。
それから俳句に精進されて瞬く間に5年の歳月が過ぎましたが、その間の句が句集となりまして、おめでとうございます。読ませていただき、3年目からの句は俳句は特に粒ぞろいの力作となっておられると思います。北海道の大地の、厳しいながらも、ロマンティックな風景は、つとに皆に知られていることではありますが、実生活者の俳句として、よりリアルに、お仲間の句として身近く受け入れられることは、大変幸せです。アスパラガスが育ち、山羊の仔の座る青草の季節には、喜びがあって、読めば幸せを感じます。2005年から2007年ごろの句は、内容が深くなって、「考える俳句」という印象を強くもちました。またその後の2008年ころからは、その俳句に自在さ、軽さ、透明感が加わっておられることを知りました。泰次さんの俳句には、骨格の太さ、深い思いがあって、通底には、誠実な人の苦労を思います。その誠実さに、網走にある亜浪先生の句碑を訪ねて、ご紹介くださったことも記憶に残っています。その時の句
亜浪碑にきょうの深雪の落日かな
を読み、私も一度亜浪先生のように網走を訪ねてみたいと思ったものでした。跋と重複する句もありますが、私が好きな句、特に明るく広がりのある句を以下にあげさせていただきます。人生の先輩の歩まれた道に多くを教えられ、励ましをいただいております。くれぐれも、お大事にお過ごしください。
山羊の仔の膝折りすわる草の青
アスパラの尖りの満ちて土かおる
一湾を流氷埋めて春浅し
雪降って降っては山が遠ざかる
流氷へ窓の曇りをひろく拭く
星の夜は星のいろして雪明かり
水音をはなして澄めり岩清水
冬ざれや棒なる案山子燃やさるる
一灯を過ぎれば行方雪明り
切花の桶せりせりと薄氷
初雪はひんやり水の匂いして
この先の牛舎に用ありえのこ草
★川名ますみのブログ句集へのコメント★
ブログ句集の出版、おめでとうございます。
ますみさんの俳句は、長く病気と闘っておられ、時にその辛さが垣間見れる句もありますが、表された句の多くは、それを感じさせない、若い人の、明るく西洋的な上品さがあります。また、繊細な感覚が、本質を突いていて内面性があり、話ことばの俳句も、アンデルセンの童話のような世界を広げています。旧来の俳句に囚われず、いいチャレンジをされていて、音楽で培った多くのことが、俳句にも表現されつつあることは、私たちにとって、いい刺激になっています。以下に好きな句をあげます。お大事にお過ごしください。
プールから花のタオルの中に入る
秋燈下マスカラの影ほほに揺る
中庭を来て髪梳けば草芳し
ラムネ飲むきれいに響くところまで
空見よと扉を叩く母秋立つ日
はつ雪よ真下の屋根を見てごらん
もう風は爽やかだから出ておいで
すらすらと風入る麻のワンピース
歯ブラシを朝涼の明るきへ立て
雪礫空に返したくて放る
脱稿をこの日と決めし一葉忌
水のいろ火のいろ街に秋燈
道ひろく春山絶えず正面に
小鳥来てわが目の高さそこに置く
雲の峯追うて何かを見逃せり
えのころの芯にぎっしり実の青き
ものすべて光らせ来たる木の芽風
★吉川豊子ブログ句集のへのコメント★
ブログ句集出版、おめでとうございます。
吉川豊子さんは、中途失明されたと聞いています。私も一時盲学校で教えたこともありますので、そのご不自由はいかばかりかと想像していました。ところが、パソコンを使って、また字を書く喜び、読む喜びを得られたようで、その積極的な生き方には驚かされました。それが俳句にもあらわれています。俳句に前向きな姿勢があります。初期の句は、いろいろと思い出す風景の句も多かったと感じましたが、最近の句は、実体験の句、つまり感覚を働かせた句が増えてきて、豊子さんの姿がよく見えるようになりました。私の一番好きな句は、
しいのみを掌に公園の風の中
です。しいのみのなつかしさ、過ぎる風の感触。それをじみじみと共有できます。また、次の句を詠まれたときは、私に、伊良子岬の菜の花を見せてあげたいと言ってくださったことなども思い出しました。大変うれしいことでした。
菜の花に街道染まる伊良子岬
こういった句も印象に残ります。そのほか好きなを挙げますが、いい抒情があります。末永く俳句を続けられることを願います。
進学に夢ふくらみて雛飾る
一握のげんげ机上に光満つ
つくし摘む子の歓声や日の溢れ
お水送る若狭の寺に春の雪
鶯や日のうらうらと遊歩道
子の忌日蕾ふくらむ無垢の百合
水田を渡る風あり梅雨近し
秋の宵遠くに聞こゆ祭り笛
海にそい雪に埋もるる千枚田
菜を洗う新涼の水やわらかき
比良の風吹きぬく水郷秋が行く
持ちかえる五分咲き竜胆みずみずし
俳句
○晴れ
○土曜日なので明日日曜日に、花冠句会の入賞発表と思っていたが、30日が区切なので、発表は12月1日月曜日になる。
○信之先生午前中本屋に出かける。林望先生の今日発売の新刊書を手に入れる予定だったが、まだ入荷していなかったとのこと。かわりに日記帳を買って、プレゼントしてくれた。これは日記帳だが、句帳として使うもの。もう何年もこのようにして日記帳を買うのが年末の慣わしになっている。ところが、ブログを書くようになって、この日記帳に書き込むことが少なくなった。一昨年までは縦書きだったが、縦書きが手に入らず、横書き。今年も横書き。版は、小型で緑の布が貼ってあるもの。
○ところで、私は、谷川俊太郎の詩はいいんですか。と聞いた。評価が高いわりには、読んでもあまり、胸にひびかない。日本の伝統的な詩は、現代詩にしろ、自然との深いかかわりがるのが特徴だが、そういったものもないので。だから、今こういった詩にたいしてクエスチョンなのだ。
俳句
サーモンの紅がサラダにあり寒し
葛湯かくとろとろとろとろ炎の青に
立て掛けし時雨の傘に時雨傘
雨
○時雨が誘ううそ寒さ。風邪が流行りそうな気配。新型インフルエンザに戦々恐々か、従業員全員がマスクを掛けている店もある。手洗いとうがいの励行。
厚生省のHPでインフルエンザ対策のガイドラインを見る。あらかじめのマスクの備蓄をすすめている。洗剤やトイレットペーパーのように買占めて、マスクがなくなったらどうする。ガーゼマスクが復活かも。
○今年は、無駄はいけないが、暖房費をケチらないでおこう。
俳句
大根の重さずしりと提げ帰る
大根は別の荷となり提げ帰る
雨夕方止む。
○文芸家協会から年鑑掲載の案内。訂正箇所を指示して返信。
○東京四季出版から全国巻頭句一覧の案内がくる。その諾否を返信。
○花冠創刊号の出版予定は、12月12日までとの返事を印刷所よりもらう。
○花冠発送の封筒の用意。クロネコメールにするので、料金別納の印は削除。
○南日吉郵便局に振込み口座の件で出向き、手続きの用紙をもらう。スムーズに行けば、一週間でできるそうだ。
○信之先生、志賀泰次さんのブログ句集を完成。あとがきは泰次さんが書き込むようにしてある。
○エアコンをこの冬はじめて暖房にする。20度に設定。
俳句
数本の欅の枯れの朴訥に
一山の枯れ色に先ず朝日差す
○川名ますみさんのブログ句集ができる。花冠創刊号校了後は、信之先生ブログ句集編集に割く時間大となる。
○都築阪急百貨店に花冠のゴム印の注文に信之先生でかける。女性7人が判作りや印刷を引き受けて仕事をしているとのこと。3ヶ日にできる。
○阪急で大きなスイートポテトのお土産。量り売りだそうだ。そごうでもスイートポテトは量り売りだった。さつま芋はそれぞれの大きさがあるので、一律な値段は無理ということなのだろう。
俳句
乳母車の子もその母もコート着て
冬晴れの空は高きにポストまで
盛り土をしっかり葱の直立に
皸(あかぎれ)のある手もわが手なじみけり
○晴れ、夕方一時雨。昨日より暖かく過ごす。
○投函2通。
○龍華堂に電話。「花冠」の題字の大きさ、位置を少し変えるように指示。縦書きをわけたので難しい。
○プラスチックのオカリナを買ったと言うので、貸してもらって吹く。あまり大きな音を出すといけないので、そろりそろり吹く。縦笛と同じように穴を塞ぐと音階になる。これなら曲が吹けるかも知れないと、音を探りながらきらきら星を吹いてみた。まずまず。森へ持っていって気兼ねなく吹けるといいが。そういえば、大倉山の森の広場でもオカリナを吹いていた、こちらは本格的。コンサートがあるようだった。久しくなんの楽器もさわっていない。非常に単純な生活をしている。
俳句
あたたかき色の蜜柑の香がすがし
ストーブの暖に寄りたる無為のとき
歩くことすなわちときどき落葉踏む
○曇り、午後から本格的な雨。寒い一日。
○迫田さんから電話。花冠への入会申込など。俳句作りを大変楽しんでおられる。
○花冠発行所のゴム印を用意しなければいけない。
○信之先生、ブログ句集を作り始める。
俳句
水脈長く鴨のいずれも同じ向き
眦に日があつまりし鴨の池
朴落葉広く大いに地を覆う
落葉しつつ朴に銀芽のはや育つ
せせらぎの水音高く芹育つ
せせらぎの音あるかぎり黄葉降る
翡翠を停まらせ黄葉の細き枝
翡翠の散らす冬日の水しぶき
翡翠の憩いて冬日の枝におり
青森林檎
星空に冷えて林檎の宅急便
○花冠創刊号の初校を午前中ファックスする。5枚。明日印刷所が開いていれば、電話をする予定。開いていなければ、あさって25日に電話。
○例年はこの日は水煙大会となるが、今年は、9月7日に水煙300号記念大会を開いたし、その後、水煙が終刊となったので、この行事はない。今日は、午後より、グリーンラインのセンター北から、北山田まで、緑道を信之先生に案内されて歩いた。
「富士やとのみち」となっている。センター北には、阪急百貨店があるが、その前あたりから、北へ歩き、丘陵地帯を下り、森の道に入る。川がある。主には、くぬぎや樫などの広葉樹。川沿いの黄葉の下を歩く。山からの湧き水が湿地を作って葦が生えている箇所もある。山中は鳥の声が盛んである。道を伝うと朴の木が2本ある。この2本の朴の木が落とした落葉があたり一体にある。木にのこる葉を一枚とって持ち歩いたが、いつの間にか紛失。徳生公園に出る。結構広い池があり、鴨やアヒルが鯉がいる。池の中に張り出した板道もある。三日月形の浮島のようなところがあり、陸にあがった鴨らが、羽づくろいをしている。鶏らしき鳥もいる。その浮島の裏というか森林側の木陰に廻ると、鴨がいきいきと泳いでいる。突然、翡翠が飛ぶのを見た。これは驚き。日当たりの細い枝先にとまり、長い嘴、青い羽根の色が日のなかでまばゆい。どこか見ている。魚を狙ったようでもない。対岸の枝に移って、姿を見失った。12月7日の吟行には、また現れてくれるように。
ここには、がまずみの実が熟れて、白い花が一つ咲き残っていた。ケイタイに写真を撮る。翡翠こそ写真に撮るべきだったが、目を凝らしていて写真のことは、思いもつかなかった。
要所には案内板が石に貼り付けてあるので、これを見ながら進む。こういった緑道が中山まで続いているようだ。都会のなかにも静かなところが保存されている。このあたりを、「日本のチベット」と悪態をつく人もいるようだが、いい環境だ。子どもも、大人も自転車に乗ったり、走ったり、散歩をしたり楽しんでいる。
好奇心が旺盛な幼児や犬がいて、大いに笑った。われわれの真似をして、案内板の石を読もうとする2歳ぐらいの子、せせらぎを渡った人を追いかけて、向こうへ行きたがって飛ぼうとする犬など。思い思いの自由がいい。きちっと教育すれば、こういう環境からは、いい子が育つにちがいないと思いつつ。
徳生公園からは、南山田小学校の前を通り、北山田へ向けて歩く。せせらぎに出会う。澄んだ水がいい音を立てて流れている。黄葉が降りこみ、芹がよく育っている。せせらぎを渡り、段丘をのぼり、イタリア料理のチーチョダイニングのところへ出た。そこからは、来た道を振り返り、景色を目に収める。北山田駅はすぐ。北山田から日吉本町まで電車賃230円で帰宅。疲れはしなかったが、やたらお腹が空いた。そういえば、朝ピザを一切れ食べて3時だもの、空くはず。
俳句
○花冠創刊号の初校がエックスパックで届く。明日の日曜日に校正を済ます予定。
題字の大きさを少し変えなければいけないかも知れない。あとは、少々の訂正で済みそうだ。
○夕方荘二さんが句集「艫綱」出版のお礼と、旅行のお土産をもって訪ねてくださる。韓国旅行をご夫妻でされたとのこと。私は、仕事で留守。艫綱が今年最後の句集となった。
○駒場祭に出かけようかと思って、姪に連絡。姪から演劇の催し物の案内メールが届く。当人は、全日本学生のヨット大会で博多に出かけていて留守だがとのこと。花冠の校正などで、行けそうにない。
○さきごろ植えた球根のなかのオギザリスの葉が育ち、蕾をつけている。斑入りの葉のツートンカラーもなかなかいい。花はピンク。
俳句
晴れ
○鉢植えの球根が芽生えはじめ、早いものは、綺麗な葉を広げた。
ビオラもゆっくりながら花をつけている。ハイビスカスも遅い花を咲かせている。
○花冠句会入賞発表の準備。丸山美知子さんの句の「雪の雷」というのは、季重なりではなく、そういう季語。季語季題重視の句は、取り合わせと切れが重要なので、季感を重視する句とは、作り方がおのずと違う。
○箱根のスパから買って帰った熱海温泉の「湯の花」がある。これを入れてお風呂をたてる。「湯の花」という名前も昨今は珍しくなった。
○俳句添削教室をもとに返して、3週間無料とした。投句者がある。本名で投句して欲しいもの。俳句では、匿名にする意味がない。アメリカでは、匿名でなく本名が主とのこと。
○年金記録の連絡は全て終ったとあったが、その直前に行方不明になっていた私のもうひとつの年金記録が送られてきた。