10月号投句/22年


稲の花
高橋正子

 家郷
広島のとある岬のひろしま忌
遍路路は稲の花咲く道ならむ
つっと来て赤とんぼうの去らずいし
朝顔の紺の開きて佳き日なり
冬瓜を食す港の見える窓
水遣られもっともいきいき茄子の花
ベランダに晩夏の朝日黄ばみける
市民アパート誰か咲かせて紅蜀葵
盆が来ていよいよ黒く荒布炊く
走り藷蒸けてまばゆき夕日あり


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