9月4日(月)

★朝は深し露草の青が育ち  正子
露草は半日陰のようなところに群れて咲いています。まだ日中は暑さの厳しい頃、あの露草の青さには清涼剤のような清々しさがあります。「朝は深し」がその青さにぴったりです。 (多田有花)

○今日の俳句
日々すべきことをなしつつ新涼に/多田有花
作者が、モンブランへ発つ直前の句であるから、その準備のための、「日々すべきこと」であろう。用意周到な計画と準備があって、初めて登頂は成功する。日々成し終えていく内に、季節も新涼へと移り変わっていった感慨がおおきい。(高橋正子)

○コムラサキ

[コムラサキ/横浜日吉本町]

砥部の庭にコムラサキがあった。隣家との境のブロック塀を隠すようにフランスヒイラギの隣に植えていた。2メートルぐらいに大きく育って、実もよくつけた。ちょうど、リビングから眺められる。リビングからはこの庭に自由に出入りでき、子供たちは学校や外遊びからは玄関ではなく、直接リビングへ帰って来ることが多かった。リビングから見える庭は実のなる木があるので小鳥がいつも来ていた。チャボやウサギも飼っていたし、子供たちには楽しい庭だったと思う。我が家にあったのは園芸種のコムラサキだが、それが紫式部が違う木であるとは、最近まで知らなかった。小さい実を爪で割ってみると、棗のような実である。道理で小鳥が好む分けだ。

★小紫揺れてばかりよ鳥が来て/高橋正子
★子がすり抜けコムラサキの実が落ちる/〃

 コムラサキ(小紫)は、クマツヅラ科ムラサキシキブ属の落葉低木。学名:Callicarpa dichotoma、別名:コシキブ(小式部)、分布:日本、朝鮮半島、中国。 樹高は200~300cmで、開花期は6~8月、成実期:9~12月。初夏に薄紫色の花を咲かせ、秋に垂れた枝に紫色の小球形の果実を多数付ける。幹に近いところから枝先に向かって色付く果実は、鳥の好物。緑色の葉は上半分に鋸歯が見られ、葉は対生に付く。 コムラサキと似た花に、同科同属の ムラサキシキブ(紫式部)があるが、通常、家庭の庭で見られムラサキシキブと呼ばれるものは、実際には、コムラサキであることが多い。コムラサキの白色品種に、シロシキブ(白式部)がある。
 コムラサキとムラサキシキブの違いは、果実の付き方では、ムラサキシキブは比較的疎らに付くが、コムラサキは果実が固まって付く。葉柄と花柄の付く位置では、ムラサキシキブは近接しているが、コムラサキは少し離れて出る。葉の鋸歯は、ムラサキシキブでは全葉にあるが、コムラサキには上半分にしかない。樹高は、ムラサキシキブの方が高く(3~4m)、コムラサキの方が低い(2~3m)。枝垂れでは、ムラサキシキブは枝垂れるが、コムラサキは枝垂れない。 分布では、ムラサキシキブは山野の林に自生し、コムラサキは家庭の庭先に植栽されている。

◇生活する花たち「藻の花・萩・藪蘭」(鎌倉・宝戒寺)


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