★さわやかに行きし燕の戻り来る 正子
高く澄んだ空を、ついと燕の影がよぎります。南へ行くのかと見ていると、また戻る影。おそらく仲間が集まるのを待ち、少しずつ群れをなしてから、旅立つのでしょう。その影を見届けることの出来る、秋の空気の優しさ、清々しさを想います。 (川名ますみ)
○今日の俳句
受付に竜胆おかれ医師の古稀/川名ますみ
掛かりつけの医師が古希と伺ったのであろう。受付にさわやかに竜胆がさしてあることが、古希を迎えた医師に相応しい。医師の人となりを想像させ、また、医師の髪に混じる白を穏やかに印象付けている。(高橋正子)
●9月月例ネット句会の入賞発表をする。入賞発表の原稿を作りながら、みんなの句、自分の句をなるべく客観的であるように読む。自分の句については、納得度が大切か。
●民進党の山尾議員が週刊誌に誤解を受ける行動があったと報じられ離党した。それはいいとして、経歴にはミュージカル「アニー」の主役を演じた、とある。それには驚いたが、実は、2か月前にパッフィンブックの「アニー」、真っ赤な表紙に「Annie」と書いてあって、もとは「Little Annie」だったらしい、を買って読んでいた。「Annnie」を買うつもりはなかったが、適当な本がなくて買ったのだが、結構おもしろかった。大恐慌時代のニューヨークの孤児院での話。子供向けの本で、実にアメリカらしい話。2度読んだが、二度目は時々辞書に当たりながら読ん。孤児院での話なので、まあ、なんと悪態をつくいろんな言葉、院長が孤児をさげすむ言葉、どん底の子達の生活場面に出てくる言葉が、非常に珍しかった。日本でも人気のミュージカルらしい。
○萩
潜り入る萩のトンネル咲き初めし 正子
咲き満ちて眼にちらちらと萩の紅 正子
2011年九月八日、向島百花園に信之先生と行った。百花園の九月の花といえば、まずは萩の花だろう。もちろん、女郎花、藤袴、芒、なでしこ、桔梗、葛棚に葛が咲いているが、園内の至るところに咲く萩が見もの。萩は丸葉萩だろうか。この日に訪ねたときは、咲き始めたばかりのようで、たまに見ごろの萩があった。十日からの萩祭りには、もう少し紅色が増えるだろう。萩のトンネルは、竹を組んで作られて、十メートルばかりある。「花を潜る」はちょっとうれしいことだが、この季節のよい趣向だ。萩が咲くころは、まだ「秋暑し」の気候。萩など見終わって、百花園特製の「生姜シロップ」のかき氷をいただいたが、オツなもの。淡い琥珀色のシロップが白い氷にかかっている。
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