★朝顔の紺一輪を水に挿し 正子
朝の澄んだ涼しい空気の中に咲く朝顔が美しく、今朝だけの花をゆっくり眺めていたい。が、するべき事は山ほど。紺色の一輪を冷たい水に挿して、近くに置き楽しまれる様子を思い浮かべました。(津本けい)
○今日の俳句
水甕にとんぼの羽音止まりぬ/津本けい
水甕に来たとんぼが、水甕の上に止まって、止まるために力強い羽音をさせる。水と、とんぼと、その羽音。涼しい世界だ。「止まりぬ」で、この句が命を得た。(高橋正子)
○胡麻の花
胡麻の花川流域の拡がりに 信之
胡麻の花咲かせ一畝また一畝 〃
胡麻の花咲かせて厚く地を覆う 〃
胡麻の花稲の花咲くその続き 正子
生家の前はすぐ畑となって、そのひと隅に夏休みになると、胡麻の花が咲いた。栽培していたのだ。生家は大畑(だいばたけ)の屋号がついていたが、申し訳程度に5畝ほど胡麻を植えていた。それで1年間に消費する胡麻がまかなえたのだろう。夏休みには胡麻の花が咲いて、秋には、筒状の俵型の実ができた。枯れ色になると畑から抜いて葉をむしって棒のようにして筵に拡げて干す。藺ござに新聞紙を敷いて乾かした胡麻を載せ、木槌で叩いて種、いわゆる胡麻を出す。白胡麻ではなく、黒胡麻だった。木槌で叩いて種を採るのは、祖母と私の役目で、その後は、母親がきれいに洗って干していたのだろうが、記憶がない。
胡麻は、アフリカあるいはインド原産とされる。古くから食用とされ、日本には胡(中国西域・シルクロード)を経由して入ったとされる。昨日、北八朔町の畑で見たものは、丈は、1メートルを越えてたくましかった。花はうすむらさきの筒型で金魚草のような形。花は下から上に向って咲く。上は花がさき、下の方は実が出来ているのもよく見かけた。面白いことに、種は、5つにわかれた殻に入っている。今、わが家では、白胡麻と黒胡麻を用途によって、あるいは気分によって適当に使い分けているが、新米の胡麻お結びが一等美味しい。新米と新胡麻は出会いもの。
○横浜市緑区北八朔
おみなえし山の葛垂る庭先に 正子
桔梗は低し岩間に咲いており 〃
梨の実に白雲の空広がれる 〃
第三京浜国道直下を晩夏の川 〃
遠雷は遠雷のまま昼下がり 〃
水遣りし花に遠雷なお遠く 〃
コメント
お礼とコメント
(お礼)
正子先生、「水甕にとんぼの羽音止まりぬ」の句を、今日の俳句にお載せいただき、有り難うございました。
(コメント)
朝顔の紺一輪を水に挿し
朝の澄んだ涼しい空気の中に咲く朝顔が美しく、今朝だけの花をゆっくり眺めていたい。が、するべき事は山ほど。紺色の一輪を冷たい水に挿して、近くに置き楽しまれる様子を思い浮かべました。