★葛にさえ初花ありて匂うなり 正子
秋の七草の一つでもあるという葛は、他の七草と同様に雑草というほうが近く、崖などにおおせいに茂る逞しい草です。花もさほど華麗というわけではありません。しかし、花の香りはとても匂やかで、思わず、こんな花にもと感動してしまいます。「葛にさえ」という表現と「初花」という言葉の響き合いが印象的です。 (小西 宏)
○今日の俳句
虫篭の軽きを子らのそれぞれに/小西 宏
虫篭をもった子がそれぞれ。篭に虫が入っているのか、いないのか。それはこの句では問題ではない。虫篭の軽さが子供の幼さ、風の軽さを表している。(高橋正子)
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