7月17日(土)

晴れ
●暑いことかなり。夕方、信之先生を散歩に連れ出す。少しで止めようとしたが、もう少し先まで行くというので、公団の中を歩く。夾竹桃、百日紅の赤と白。公団の木陰は涼しい風が吹いていた。
●美知子さんからのコメント
(略)
モダンで上品な装丁も素敵で、16人もの作家の100句がおさめられ、重厚感もある立派な本ですね。親世代以上の年齢の方々の中で、若く知的で美しいお写真と共に、ひときわ目をひくエッセイと100句です。
「水煙」の創刊と同時に誕生された句美子さんの歩みは、「水煙」「花冠」の歩みと重なりエッセイを拝読しながら、感慨深いものがありました。
信之先生と正子先生のもとで、幼い頃から息をするように俳句を詠み、「明るくて深い現代語による俳句を、よい生活からよい俳句を」という「花冠」のモットーを肌で感じながら成長された句美子さんの真っすぐで、明るく、芯の強いお人柄と豊かな感性の感じられるエッセイと俳句は唯一無二のものだと感動を覚えます。自然体の俳句はサワサワと風が吹き、サラサラと水が流れるようです。
 好きな句
イースター青い卵の贈り物
寄せて来てきらめく波がヤドカリに
ひんやりとトマトが甘い祖母の家
旅立ちの車窓斜めに花ふぶき
雪山を見渡してから滑りだす
観覧車春の港の風が吹く
晴れやかに朝の光の梅の白
菜の花の黄の集まりて空に浮く
白壁に葡萄の蔓も黒い実も
朝顔のつるの螺旋がやわらかい
秋の星瞬く点を結んでみる
元日の新聞思いきり広げ
冬北斗追いかけっこでゆく親子
さわやかな風吹き始め嫁にゆく
ラムネ瓶君に渡せば音水色
ふきのとう明るいみどりに刻まれる
日傘買う母に合わせた花の色
風強しセーターの柄の明るさに
蝉の羽透ける木陰を歩き出す
晴れた日の階段あがれば桜咲く
(以下略)
 

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