★白ばらの空気を巻いていて崩る 正子
気品ある白バラの美しさ、白バラをつつむ空気がふくいくとした香りをもってあたりを充たします。白いバラのもつ本質がしずかに、詩的にうたわれていて心に残ります。 (小川和子)
○今日の俳句
茄子苗の影なすほどに確と付く/小川和子
夏野菜の苗を植える季節。茄子苗も植え付けはじめは、心もとない感じだった。しっかりと根付いた今は「影をなすほど」になった。「影なすほど」は、茄子苗の存在感。(高橋正子)
○フェイスブック句会
第12回(立夏)フェイスブック句会を開催。高橋正子選の入賞作品:
【金賞】
★夏来るその青空を仰ぎおり/多田有花
詠まれているのは、青空のみ。「夏来る」青空は、それまでの空とはっきりと違っている。青空を仰ぎ、空に夏が来たことを実感する。それのみを詠んで確実な句。(高橋正子)
【銀賞】
★若葉風自転車きらり輪が廻る/藤田洋子
若葉風に吹かれ、自転車の銀輪がきらりと輝いて廻る。初夏の解放感と若々しさの溢れた句。(高橋正子)
【銅賞】
★柿若葉見上げる先の明るさよ/平田 弘
柿若葉は、黄緑色で、やわらかく明るい。見上げていると、その先の空も何もが明るい。やわらかな明るさに心が広がる思いだ。(高橋正子)
http://blog.goo.ne.jp/kakan02d
○ご挨拶 (主宰/高橋正子)
はやも立夏となりました。立夏は、ちょうど端午の節供、子どもの日でもありましたので、ご家族で楽しまれた方も多いことでしょう。お天気はいかがでしたか。横浜は、雨がちのゴールデンウィークでした。立夏句会には25名の方にご参加いただきました。入賞の皆さま、おめでとうございます。ご投句、互選、コメントをいただきありがとうございました。毎月のことですが、フェイスブック句会の管理運営は信之先生に、集計は藤田洋子さんがしてくださいました。また、フェイスブック句会のお世話役のスタッフの皆さんには、ご自分の選をした句のコメントのほかにも、コメントを書いていただきました。ありがとうございました。月に一度のフェイスブック句会は季節の節目となって、気持ちが新しくなる感じです。皆さまもお気持ち新たに、次回をたのしみにご健吟ください。これで第12回フェイスブック句会を終わります。ご参加ありがとうございました。
★夕方の水遣り了えて花あやめ/高橋正子
あやめ(学名:Iris sanguinea)は、アヤメ科アヤメ属の多年草で、山野の草地に生える(特に湿地を好むことはない)。葉は直立し高さ40~60cm程度。5月ごろに径8cmほどの緑色の花を1-3個付ける。外花被片(前面に垂れ下がった花びら)には網目模様があるのが特徴で、本種の和名のもとになる。花茎は分岐しない。北海道から九州まで分布する。古くは「あやめ」の名はサトイモ科のショウブを指した語で、現在のアヤメは「はなあやめ」と呼ばれた。
あやめは菖蒲に似ているとは言え、水の中ではなく、陸に育つ。昭和40年愛媛大学に入学した時、入学式は松山市持田町にあった旧制松山高校の講堂で行われた。新学期の授業も旧制高校の校舎で行われるものもあった。門をくぐるとすぐにあやめがあったと記憶している。そののち、砥部焼で知られる砥部に住んだときは、裏のブロック塀沿いにあやめを植えた。ずいぶんと増え近所の名物ともなって壮観であった。手入れもなく、よく育った。枯れると根もとまで葉を刈ってさっぱりとして置く。それだけでよかった。鯉のぼりを庭に立てたが、その光景のなかに記憶している。花は菖蒲と同じように、一茎に二花咲くが、一つが咲き終わると次が咲く。
コメント
お礼・コメント
正子先生、5月7日の今日の俳句に「茄子苗」の句をとり上げて頂きましてありがとうございます。この句を詠んだときのことを、頂きました句評を通して思い出しました。有難く思います。
★白バラの空気を巻いていて崩る 正子
気品ある白バラの美しさ、白バラをつつむ空気がふくいくとした香りをもってあたりを充たします。白いバラのもつ本質がしずかに、詩的にうたわれていて心に残ります。
訂正
正子先生、先生の5月7日の「白ばら」の御句の表記を「白バラ」と間違えて打っておりました。気づかずにいましておわび致します。