5月19日(土)

★新緑の翳るときあり水があり  正子
初夏の若葉のあざやかな木々の美しい緑が雲によって陰り、湖も雲によって陰るときがある。初夏の素晴らしい景ですね。 (小口泰與)

○今日の俳句
麦秋や暮れても青き赤城山/小口泰與
暮れても戸外が心地よい麦秋の季節。暮れのこる青い赤城山を見つつ、麦秋の心地よさを心身に感じる作者がいる。(高橋正子)

○矢車草

[矢車草/横浜日吉本町]

★矢車草空へ伸びざま吾子逝けり/柴崎左田男
★矢車草の矢車楽し少年に/高橋信之
★矢車草青はもっともドイツの色/高橋正子

矢車草(学名:Rodgersia podophylla)は、ユキノシタ科ヤグルマソウ属の多年草。根出葉は5枚の小葉からなる掌状複葉で、葉柄は50cmに達する。小葉は倒卵形で先端が3-5浅裂する。花茎の高さは1mほどになり、短い葉柄をもった茎葉が数個互生する。花期は6-7月で、先端に円錐状の花序をつける。花弁はなく、花弁にみえる萼裂片は長さ2-4mmで、ふつう5-7個あり、色は紫、赤、白、桃など多様である。雄蕊は長さ3-4mmで8-15個あり、直立する。花柱は長さ1.5-2.5mmになり、2個あり、花時に直立する。果実は狭卵形の果で、長さ5mmになる。和名の由来は、小葉の構成が、端午の節句の鯉のぼりにそえる「矢車」に似ることによる。
矢車草は、私には、ずっと昔からのなじみに花である。近頃は、流行なのかチョコレート色の矢車草もあるが、一番矢車草らし色は青だと思う。この青色は日本の青とちがって、ドイツかスイスの花の青だといつごろからか思うようになった。シュタイフ・ブルーと呼ばれる色がある。帝国の青という意味だが、つまりドイツの色という意味。ドイツの国会の座席は、設計段階では、グレーとしていたが、ドイツ国民によって「シュタイフ・ブルー」になったと聞く。ドイツ国民がこれこそドイツの色としている色であろう。

◇生活する花たち「芍薬」(横浜日吉本町)


コメント

  1. 小口泰與
    2012年5月13日 19:39

    御礼
    高橋正子先生
    「麦秋」の句を5/19の正子先生の俳句日記にお取り上げて頂き、素晴らし句評を賜り、厚く御礼申し上げます。有難うございました。

  2. 小口泰與
    2012年5月13日 19:54

    先生の句
    ☆新緑の翳るときあり水があり/高橋正子 初夏の若葉のあざやかな木々の美しい緑が雲によって陰り、湖も雲によって陰るときがある。初夏の素晴らしい景ですね。