5月16日(木)

 横浜動物園
★真鶴に夏来し水辺用意され   正子
天然記念物ともなっている美しい真鶴に、夏が来て水辺の遊び場が用意されたのですね。 大人や子供、見物人たちも涼やかな夏の光景に目を楽しませていることでしょう。爽やかな詠みに惹かれます。 (河野啓一)

○今日の俳句
卯の花の白きを門に置きし家/河野啓一
卯の花の白さを門に配しているのがいい感覚だ。「置きし」は、画を描いているような、絵具を置くような、詠み方で、光景を絵画的にしている。(高橋正子)

○山吹草

[山吹草/東京白金台・自然教育園]

★昏れかぬる箱根うら道山吹草/金子波龍
★林間へ野生の犬や山吹草/大介

 山吹草(やまぶきそう、学名:Chelidonium japonicum)は、罌粟(芥子:けし)科の多年草。半日陰になる林縁や疎林内に生育する。「ヤマブキ」の名はあるが、バラ科のヤマブキとは全く別種である。草丈30~40cmほどので、茎を立てて上部の葉腋に1~2個の花をつける。花は春に咲き、径4~5cmほどの比較的大きな鮮黄色の4弁花をつける。花弁は卵型。葉は、長さ10~15cmほどの羽状複葉で、小葉は5~7個。小葉は大きさに変異が大きく、長さ2~5cm、幅2cm前後の広卵型で、葉先は三角形状である。葉の縁には浅い欠刻と鋸歯(ギザギザ)があう。
本州以西から中国大陸に分布している。多摩丘陵では、一部に保護植栽されている場所を除き、1980年頃以降では自生は確認できておらず、地域絶滅が危惧される。
 花の様子や鮮黄色の花色が、バラ科のヤマブキに似ているという命名です。ただし、ヤマブキは5弁花であるのに対してヤマブキソウは4弁花です。
 ケシ科の植物はほとんどそうだが、全草にアルカロイド系の有毒成分を含み、誤って食べると嘔吐や麻痺などを惹き起す。仲間(同属)のクサノオウは薬用に利用されるが、ヤマブキソウは利用されない。この仲間(クサノオウ属)を代表するクサノオウ(瘡の王)では、花は似ているが、葉はヤマブキソウのような羽状複葉ではなく、羽状の切れ込みがある単葉で裂片の先は円形状である。 別名「草山吹(くさやまぶき)」。

◇生活する花たち「山躑躅・武蔵野きすげ・あやめ」(東京白金台・自然教育園)


コメント

  1. 河野啓一
    2013年5月22日 21:59

    お礼と一句鑑賞
    正子先生
    「卯の花」の句を過分のご講評と共に今日の俳句におとり上げ頂き、大変嬉しく存じま。誠に有難うございました。

    横浜動物園
    ★真鶴に夏来し水辺用意され   正子

    天然記念物ともなっている美しい真鶴に、夏が来て水辺の遊び場が用意されたのですね。 大人や子供、見物人たちも涼やかな夏の光景に目を楽しませていることでしょう。爽やかな詠みに惹かれます。