★囀りに子の片言の鳥を呼び 正子
春の喜びの様々な姿の中にも、小鳥たちの囀りの声はとりわけ明るい色を添えてくれます。その声の来る方を必死に探し、天真爛漫に片言で呼びかける幼子の表情は微笑ましい限りです。お子さんの成長のお姿と春到来の輝きが合わせ表現されており、読者の心も豊かに温もります。(小西 宏)
○今日の俳句
蒲公英の花せめぎあい光りあい/小西 宏
蒲公英が明るい日差しの中に、びっしりの咲いている様子。一つ一つの花は可憐でありながら、せめぎあうほどの花の力。せめぐだけでなく、また、互いに光りあっている。確かな目である。(高橋正子)
○新緑
[新緑/東京日本橋・日本橋川、日本橋、首都高速、三越本店(水上バス船上より)]
★新緑の丘越え白き道一筋/桂信子
★新緑や湖沼三百抱く原/水原春郎
★新緑や階を明るく地下茶房/鷹羽狩行
★新緑を来て教会に突きあたる/小澤克己
★新緑やうつくしかりしひとの老/日野草城
★新緑や濯ぐばかりに肘若し/森 澄雄
★新緑やまなこつむれば紫に/片山由美子
★新緑やたましひぬれて魚あさる/渡辺水巴
★子の皿に塩ふる音もみどりの夜/飯田龍太
新緑(しんりょく)とは、春から初夏にかけて、冬枯れの木々が芽吹き鮮やかな緑色になる現象。木の種類や場所、地域によって異なるが、日本では主に毎年3月から6月にかけて起こる。また、常緑樹でも新緑はあり、落葉樹のそれより約1ヶ月遅く迎える。例えば、お茶の葉は5月あたりに出る新芽が原料である。また紅葉と違い、その年の気候に関係なく素晴らしさが味わえる。
コメント
お礼
高橋正子先生
「蒲公英の花せめぎあい光りあい」を先生の「俳句日記」にお取上げ下さり、たいへんありがとうございました。
鑑賞
囀りに子の片言の鳥を呼び 正子
春の喜びの様々な姿の中にも、小鳥たちの囀りの声はとりわけ明るい色を添えてくれます。その声の来る方を必死に探し、天真爛漫に片言で呼びかける幼子の表情は微笑ましい限りです。お子さんの成長のお姿と春到来の輝きが合わせ表現されており、読者の心も豊かに温もります。