★春ほのぼの棚にあげたる書の紙も 正子
春の日はゆったりとしてのびやかで、その静かに落ち着いた中、書を書く和紙も心あたたまる景ですね。(小口泰與)
○今日の俳句
さえずりや忽と眼間昼の火事/小口泰與
テーマは「さえずり」。気持ちよくさえずりを聞いていると、忽然と火事が見えた。現実であるが、さえずりの中にあってまぼろしのような火事である。(高橋正子)
★風に揺るゝげんげの花の畦づたひ/星野立子
★げんげ摘む子の手ほのかにあたたかし/高橋正子
げんげは、マメ科ゲンゲ属に分類される越年草。中国原産。れんげ草とも呼ぶ。春の季語。茎の高さ10~25cm。根本で枝分かれして、暖かい地方では水平方向に匍匐し、60~150センチまで伸びる場合もある。茎の先端は上を向く。花色は紅紫色だが、まれに白色(クリーム色)の株もある。げんげの花の蜜は、良い「みつ源」になる。蜂蜜の源となる蜜源植物として利用されている。かつて水田に緑肥として栽培され、現在でもその周辺に散見される。化学肥料が使われるようになるまでは、緑肥および牛の飼料とするため、8~9月頃、稲刈り前の水田の水を抜いて種を蒔き翌春に花を咲かせていた。これはげんげ畑と呼ばれ、昭和末頃までの「春の風物詩」であったが減少している。畑は田植えの前に耕し、げんげをそのまま鋤きこんで肥料とした。
近所に、大ぶりの鉢に植えられて、田圃のようにげんげが咲いた。花の色が少しうすいのは、なぜか。肥料が足りないか。日当たりがよくないか。そういう種類なのか。色に不足はあったが、久しぶりに見るげんげにシャッターを押した。
コメント
御礼
高橋正子先生「さえずり」の句を正子先生の俳句日記にお取り上げ頂き、素晴らし句評賜り厚く御礼申し上げます。
☆春ほのぼの棚にあげたる書の紙も/高橋正子 春の日はゆったりとしてのびやかで、その静かに落ち着いた中、書を書く和紙も心あたたまる景ですね。