曇り, 夕方雨
たけのこに雨大粒に降り出しぬ 正子
筍の切っ先明るい緑なり 正子
藤房の揺れつぎつぎと伝わりぬ 正子
自転車の子らに躑躅の赤く燃え 正子
●今朝、目が覚めるや、「言語をこえる」という言葉を、早とちりをしていたと気づいた。50年前のことなので、50年間ずっとそう思っていたのだから、粗忽者もいいところ。恥ずかしさを通り越して、笑うしかない。
●図書館から借りた本の貸出期限が明日。『コレラの時代の愛』(ガブリエル=マルケス著)『ぼくのドイツ文学講義』(池内紀著)『ドイツの詩を読む』(野村修著)『はじめて学ぶドイツ文学史』(柴田翔編著)の4冊。『はじめて学ぶドイツ文学史』は、ドイツ文学はよく知らない、おまけに文学史ほど嫌なものはない私が、読んでみて、これほど面白い「文学史」はこれまでなかったと思ったのだ。
文学史で面白かったのは、ノヴァーリスの『青い花』の原題は『ハインリヒ・フォン・オフターディンゲン』だとか、グリム童話の「ヘンデルとグレーデル」の解題とか、1701年~1789年の時代思潮として、「ガリレオやニュートン以来、自然科学は人間理性に対する信頼を着実に高めていた。だが、知識が、それどころか人間が進歩すると言う考え方は、伝統的世界観と矛盾する。その世界観に従えば、人間世界がより良いものへ進歩することはありえなかったからだ。人間を救済するのは神の役目だった。この神と理性の対立をどう調停するかが、18世紀精神の最初に直面する大きな課題だった。」と書いてあった。人間はよりよく進歩するものと考えられていると思っていたから。
「はじめて学ぶ」の題が冠されているのは、有名な初歩の作品があげられているため。本質的な重要なことは解説されている。例えば、マンなら、『ヴェッチアに死す』、グリムなら「ヘンゼルとグレーテル」、ゲーテなら『ファウスト』のはじめのところ、など。
『コレラの時代の愛』は500ページの長編の割には2日で読み終えた。とても骨太の作家と思った。ストーリーは少々が違ったとしても、現実には無い話のようで、実は現実にある話と思えた。
●夕方、鯛ヶ崎へ行った。躑躅や皐月、藤、モッコウバラが満開。数日鯛ヶ崎に来なかっただけなのにこの変わりよう。竹林に筍は30本以上は出ていているかもしれない。小学生の子たちが山の階段を自転車で降りて来る。これはすごい。
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