3月8日(木)

★辛夷の花枝ごと揺れて揺るる空/高橋正子
辛夷の花の咲く頃は、早春の強い風の吹く日が多くあります。季節の風に枝ごと煽られながらも、逞しくしなやかな辛夷の花を思います。高々と咲く辛夷の花の白さに、早春の澄みきった空が広がります。 (藤田洋子)

○今日の俳句
桃の花馴染みの声の店先に/藤田洋子
桃の花が店に活けてある。店先に馴染みの声が聞こえて、「あら」と思う。桃の花には、気取らない、明るい雰囲気があるので、「馴染みの声の店先に」言ってみるのだ。日常の一こま。(高橋正子)

●雨。9度。冬に戻る。
小口泰與さんが「鯵ヶ沢甚句習う夜半の春」という句を投句。「鯵ヶ沢甚句」はどんな唄か聞きたくて、YOU TUBEで聞いた。「西の~」から始まるのだが、山陰の歌が北前船で秋田に伝わったとのこと。のど自慢で聞いたような気がする。
「鯵ヶ沢甚句」を調べるとYOU TUBEの画像が他にいろいろ出る。Morgenblaetter の動画があるのでクリック。ニューイヤーコンサートで聞いたヨハン・シュトラウスのダンス付きの動画だった。次、モーツアルトのピアノ協奏曲21番2楽章、それからモーツアルトのホルン協奏曲、それからマーラーの5番「アダージェット」 、それからスラブ舞曲と聞いた。鯵ヶ沢甚句からスラブ舞曲はネットがなければ辿れない道。

午後9時前に、右手打撲。バイアスピリンを飲んでいるせいで、内出血がひどく、外科でもらっていたシップをし包帯を巻いて手を保護。以前ドアちょっと右手を挟んだだけで、手の甲が内出血で大いに腫れた外科に通った。その経験から今回は驚かず、すぐサロンパスを貼った。それから病院のシップを貼った。効いたのか前ほどではない。

春雨と知れる音なり窓を打つ   正子
一連の写真まんさくもっとも良き 正子

○グランサム椿

[グランサム椿/東大・小石川植物園]

  小石川植物園二句
★香港の気風にみちて白椿/高橋正子
★了りつつ蕊の黄ゆたかな白椿/高橋正子

グランサム椿(グランサムツバキ、学名:Camellia granthamiana)はツバキ科ツバキ属の常緑小高木である。原産地は香港の九竜半島である。中国名を「大苞白山茶」という。日本へは昭和時代の中期に渡来した。樹高は3~8メートルくらいである。枝を疎らにつける。葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。葉の質は厚くて光沢があり、葉脈の部分がへこむ。開花時期は11~2月である。花の色は白く、花径が10~15センチくらいあり大輪である。茶(チャ)の花と似た感じで、黄色い雄しべは500本以上ある。花柱(雌しべ)の先は5つに裂ける。花びら(花弁)は7~10枚くらいで、咲き進むと花びらの先は反り返る。1955年に香港で見され、名は当時の香港総督アレキサンダー・グランサム (Alexander Grantham) 総督に由来。

○2013年の日記より:
 先月、2月14日の小石川植物園。いろんな万作が咲きみちていた。榛の花も咲いていた。万作の花を見ながら歩くと、榛の木へ至る道すがら、黄色い蕊の大きな白い花が目に入った。深緑の葉が、葉脈の筋が白い花をより魅力的にしている。なんの花だろう。ヨーロッパの花に違いない。近づくと「グランサム椿」と名札がある。決して椿の花の印象ではない。椿のように花が半開きではないのだから。おおらかに堂々と。威風堂々と。2月なのに、もう終わりかけている。そのはずで、花期は11月から2月とのことだから。この日、忽然と目の前に現れたグランサム椿の花に魅了され、一瞬は、「一体私はどこにいるんだろう。」とさえ思った。発見されたのは1955年でまだ新しい。

◇生活する花たち「福寿草・節分草・榛の花」(東京白金台・自然教育園)


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