3月4日(日)

★花菜の束一つが開き売られたり   正子
花菜が束にして売られていて,かわいい花先が見えている。待ちに待った春のお店での出会いです。(祝恵子)

○今日の俳句
春の日をせりだす床に坐して受け/祝 恵子  
「春の日をせり出す」は、ようやく暖かくなった春の日差しをうまく表現している。「せり出す」は、言えそうでなかなか言えない。(高橋正子)

●四月の中旬の気温。明け方早く目が覚め、部屋の温度が低い感じがした。もしやと、カーテンを開けると、窓を開けたままだった。真冬なら窓を開けたはとても眠れない。

新じゃがが美味しそうに見えたので買った。新じゃがだけ炊いても美味しいのだが、句美子にあげるにはちょっと淋しい。思いついて鶏のミンチと炊いた。煮汁を残さないように最後は蓋をとって炊く。「新じゃが、おいしいねえ。」と感想。調味料は、出来上がったときの味を想像して、目分量というか、手首の回し加減、指のつまみ加減がほどんどの日常の料理。

○木瓜の花

[木瓜の花蕾/横浜日吉本町(2013年2月13日)]_[木瓜の花/横浜日吉本町(2011年3月27日)]

★初旅や木瓜もうれしき物の数 子規
★黄いろなる真赤なるこの木瓜の雨 虚子
★岨道を牛の高荷や木瓜の花 鬼城
★一と叢の木瓜さきいでし葎かな 蛇笏
★花ふゝむ木瓜にひかりて雨ほそし 悌二郎
★日のぬくみ吸うて真つ赤に木瓜の花 淡路女
★木瓜の朱いづこにかあり書を読む 青邨
★浮雲の影あまた過ぎ木瓜ひらく 秋櫻子
★つれづれに夕餉待たるる木瓜の花 草城
★木瓜紅く田舎の午後のつづくなる 多佳子
★木瓜咲くや漱石拙を守るべく/夏目漱石
★草木瓜に日はあたたかし道の縁/高橋正子

 中国原産の落葉低木。日本には江戸中期に渡来したといわれる。平安時代の説も。四月ごろ葉に先だって花を開く。深紅色のものを緋木瓜、白色のものを白木瓜、紅白雑色のものを更紗木瓜という。実は薬用。実が瓜に似ており、木になる瓜で「木瓜(もけ)」とよばれたものが「ぼけ」に転訛(てんか)したとも、「木瓜(ぼっくわ)」から「ぼけ」に転訛したも言われる。
 木瓜は、棘がある。四国砥部の我が家の門扉近くには緋木瓜が植わっていた。その隣に蝋梅、その隣に白山吹、白椿と並んでアプローチを飾っていた。日当たりがよかったので、正月ころからぼつぼつ咲き始めた。子供のころは、紅白がまだらになった更紗木瓜と緋色より薄い紅色の木瓜をよく見た。更紗木瓜については、なんでこのような色具合にといつも思っていたが、そういう咲き方するもののようだ。今はどうか知らないが、春先の花展で、さんしゅゆ、万作の花と並んでよく使われた。秋にひょっこり花梨を少し小さくした、枝に似あわず大きな実がついていることがあった。花梨もバラ科なので樹高は違うが木瓜と似たところがある。

◇生活する花たち「紅梅・赤花満作・山茱萸(さんしゅゆ)」(横浜・四季の森公園)


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