★花にらはいつも樹のそば垣のそば 正子
花にらは韮に似た葉で花茎をすっくと伸ばし先に6弁の白い花を付けています。以前、「花にらは春の季節感が有るが季語では無い」と言う事を正子先生の俳句日記を見て知りました。確かに樹の傍や垣の傍等に可愛らしい真っ白な(淡いむらさきも有るとか)花を咲かせているのを良く見かけ、思わず立ち止まって見たくなる花です。季語になっていないと言うものの立派に春を告げる爽やかな花にらです。 (佃 康水)
○今日の俳句
チェロの夕果てて仰げば春の月/佃 康水
チェロの演奏会が果て、余韻を引いて外に出れば春の月が出ている。「秋の月はさやけさを賞で、春の月は朧なるを賞づ」と言われるが、「澄んであたたかい感じ」の春月もよい。チェロの余韻が広がる。(高橋正子)
★水温む奈良はあせぼの花盛り/原石鼎
★旅かなし馬酔木の雨にはぐれ鹿/杉田久女
★春日野や夕づけるみな花馬酔木/日野草城
★はしり咲く馬酔木の花の壺のしろ/五十崎古郷
砥部
★馬酔木咲くわが家の屋根の低かりし/高橋正子
銀閣寺
★馬酔木咲く道を選べば山路めく/高橋正子
馬酔木(アセビ、学名:Pieris japonica subsp. japonica、異名:Andromeda japonica Thunb.)は、ツツジ科アセビ属の低木で日本に自生し、観賞用に植栽もされる。別名あしび、あせぼ。本州、四国、九州の山地に自生する常緑樹。やや乾燥した環境を好み、樹高は1.5mから4mほどである。葉は楕円形で深緑、表面につやがあり、枝先に束生する。早春になると枝先に複総状の花序を垂らし、多くの白くつぼ状の花をつける。果実は扇球状になる。しかしこの種は有毒植物であり、葉を煎じて殺虫剤に利用される。有毒成分はグラヤノトキシンI(旧名アセボトキシン)。
馬酔木の名は、馬が葉を食べれば毒に当たり、酔うが如くにふらつくようになる木という所からついた名前であるとされる。 多くの草食哺乳類は食べるのを避け、食べ残される。そのため、草食動物の多い地域では、この木が目立って多くなることがある。たとえば、奈良公園では、シカが他の木を食べ、この木を食べないため、アセビが相対的に多くなっている。逆に、アセビが不自然なほど多い地域は、草食獣による食害が多いことを疑うこともできる。
コメント
御礼 俳句鑑賞
高橋信之先生 正子先生
(御礼)今日の俳句へ「春の月」の句をお取り上げ頂き、ご指導を頂いております事誠にありがとうございます。昨夜も短時間では有りましたが美しい春の月が上がっていました。
(俳句鑑賞)
花にらはいつも樹のそば垣のそば 正子
花にらは韮に似た葉で花茎をすっくと伸ばし先に6弁の白い花を付けています。以前、「花にらは春の季節感が有るが季語では無い」と言う事を正子先生の俳句日記を見て知りました。確かに樹の傍や垣の傍等に可愛らしい真っ白な(淡いむらさきも有るとか)花を咲かせているのを良く見かけ、思わず立ち止まって見たくなる花です。季語になっていないと言うものの立派に春を告げる爽やかな花にらです。