★春の蕗提げしわれにも風が付く 正子
春先の蕗の薹が伸びて、大きな葉をつける頃、食用にする蕗の出来上がりです。山地に育った蕗を採り掲げると、山菜の香りが身に纏ってくるように感じられます。自然の風に蕗の新鮮な香りが漂ってくるようで、素敵です。 (藤田裕子)
○今日の俳句
近づいて離れて日永美術展/藤田裕子
日も永くなって、仕事や家事をするにも余裕ができるようになった。美術館では近づいてよく見たり、離れて鑑賞したり、ゆっくりと楽しめる。これも日が永くなればこそ。(高橋正子)
○第9回きがるに句会入賞発表
【最優秀】
★浅間山真向いにして花を待つ/小口泰與
堂々とした浅間山に真向かい、いまだ蕾の桜が咲き満ちる姿を想う。浅間山を咲く桜をまっすぐにわが心に受け止める姿勢がよい。(高橋正子)
★卒業の歩を運びゆく足袋白き/川名ますみ
「歩を運びゆく」から、袴姿の女子学生が想像できる。白い足袋が、潔くもあり、また、しなやかである。(高橋正子)
その他の入賞作品:
http://blog.goo.ne.jp/kakan02c/
○柳の芽
★芽柳のおのれをつつみはじめける/野見山朱鳥
★芽柳や明治の鉄の橋架けて/石塚友二
★芽柳の緑さやかや雲もなし/高橋正子
柳先花緑 六如
柳眼春寒獨自醒 柳眼 春寒 独自ら醒む
新来氣力放青青 新来の気力 青青を放つ
應須喚作風流箒 応に須らく喚て風流箒と作すべし
逆為開花掃一庭 逆して開花の為に一庭を掃ふ
柳が春寒の中、芽を出し始めた。
新たな芽は生命力に満ちて、青々としている。
これを風流な箒ということにしよう。
逆さにして、開花に備えて庭を掃いておくのだ。
コメント
お礼
正子先生、「今日の俳句」に、「日永」の句をお取り上げくださいまして有難うございます。
★春の蕗提げしわれにも風が付く
春先の蕗の薹が伸びて、大きな葉をつける頃、食用にする蕗の出来上がりです。山地に育った蕗を採り掲げると、山菜の香りが身に纏ってくるように感じられます。自然の風に蕗の新鮮な香りが漂ってくるようで、素敵です。