3月1日(火)

★雛菓子の届きてからのうららかさ   正子
雛菓子が届けられ、可愛らしい雛菓子を見るとお雛様の季節を実感出来る幸せな一時です。雛菓子を前にしてあれこれと雛の日を迎える用意もこころ弾む事でしょう。春到来の喜びと共にお雛様の日を大事にされて居るご様子を垣間見る思いが致します。 (佃 康水)

○今日の俳句
和紙皿に軽き音する雛あられ/佃 康水
雛あられを和紙で作られた皿に盛る。あられが和紙の皿と触れあうと、軽い音がする。五色の雛あられが、軽く愛らしい音を立てるのも、雛の節句にふさわしい。(高橋正子)

○桃の花
★伊豆の海紺さすときに桃の花/沢木欣一
★対峙して段丘桃の花の昼/宮津昭彦

中国原産の鑑賞用、および果実湯に広く栽培される落葉喬木。梅の花が終わってまだ桜には早いころの花で、色は淡紅色だが、白、濃紅色、咲分け、重弁、菊咲などの異品がある。
中国原産と言われて、ジュディオングのような愛くるしい「ピーチ・アイ」を連想する。雛の節句には桃の花を飾るが、旧暦ならばちょうど桃の花が咲く。ふくらとした桃色の花は女の子の祭にふさわしい。こちら(東京や横浜あたり)では、新暦で雛祭をするので、昨日の雪が降る前の日、道行く老婦人が持った花包みから桃の花枝が突き出ているのを見た。丸い蕾がほどけ始めていた。桃の蕾は、猫柳のように少し毛羽立ち鼠色がかっている。この鼠色が子どもの私には不思議に思えた。生家の庭先に水蜜桃だろうと思うがあった。桃の花が咲くのが楽しみだった。庭先が明るく華やぎ、日も暖かくなって、桃の花の根もとには、黄水仙やいぬふぐりが咲いたりする。そんな一切合財が桃の花の記憶となっている。やがて堅い実を結び、袋かけをされて、夏の日に熟れるのを待つのだが。

★桃の花雪の予報がまたありて/高橋正子

◇生活する花たち「梅①・梅②・クロッカス」(横浜日吉本町)


コメント

  1. 佃 康水
    2012年3月3日 17:39

    お礼・俳句鑑賞
    (お礼)
    信之先生 正子先生
    「今日の俳句」に「和紙皿に軽き音する雛あられ」の句をお選び頂き大変嬉しく感謝申上げます。この句を思い出したく今年も和紙皿に入れてみました。
    「俳句鑑賞」
     雛菓子の届きてからのうららかさ   正子
    雛菓子が届けられ、可愛らしい雛菓子を見るとお雛様の季節を実感出来る幸せな一時です。雛菓子を前にしてあれこれと雛の日を迎える用意もこころ弾む事でしょう。春到来の喜びと共にお雛様の日を大事にされて居るご様子を垣間見る思いが致します。