★梅の花遠きに咲きて白さ満つ 正子
春が来て梅林がにぎやかになってきました。まだ遠くに白梅が咲き始めた頃かもしれませんが、遠目にも華やかな白い花色が満ちており、心なしか清らかな白梅の香もただよってくるように想われます。 (河野啓一)
○今日の俳句
水音して箕面連山春浅し/河野啓一
「水音して・・春浅し」の感覚がいい。箕面連山を行くと、ころころと水音が絶えずしている。自然に身を入れると、確かに春が来ている。(高橋正子)
○伊予柑
伊予柑は、愛媛県の「宮内」というところに原木があるらしい。正月があけ、蜜柑に酸味が抜けてくるころいわゆる晩柑類が出始める。八朔や伊予柑などがそうであるが、以前はもっと遅く2月の半ばごろから3月にかけて出荷されていたように思うが、今はもっと早くなった。柑橘らしいよい香りと果汁がたっぷりある。果汁が多すぎて手を汚すこともしばしばだが、風邪気味のときなど風邪が抜けそうでうれしい。春一番が吹き、戸外はうすら肌寒いが空は明るい。以前は国立大の入試や、卒業式のあったころ。歓喜や落胆、別れ、また祝など悲喜こもごもの、ニュアンスのある季節。料峭の空気感と合わせて食べれば美味しさのニュアンスも増すというもの。
★風吹ける一日伊予柑香らせ食ぶ/高橋正子
○菫(すみれ)
[菫(すみれ)/横浜市都筑区緑道ふじやとの道]
★山路来て何やらゆかしすみれ草 芭蕉
★一鍬や折敷にのせしすみれ草 鬼貫
★居りたる舟を上ればすみれ哉 蕪村
★奥山や人住あればすみれぐさ 暁台
★にくまれし妹が菫は咲にけり 一茶
★山路来て品よく菫の花並ぶ/高橋正子
★降り積もる落葉のなかにすみれ草/高橋正子
スミレ(菫)は、スミレ科スミレ属の植物の総称であるが、狭義には、Viola mandshurica という種の和名である。なお、類似種や近縁種も多く、一般にはそれらを区別せずにスミレと総称していることが多い。種名としてのスミレ(Viola mandshurica)は、道ばたで春に花を咲かせる野草である。深い紫(菫色)の花を咲かせる。地下茎は太くて短く、多数の葉を根出状に出す。葉は根際から出て、少し長めの葉柄があって、少しやじり形っぽい先の丸い葉をつける。花は独特の形で、ラッパのような形の花を横向きかやや斜め下向きにつける。5枚の花びらは大きさが同じでなく、下側の1枚が大きいので、花の形は左右対称になる。ラッパの管に当たるのは大きい花弁の奥が隆起したもので距(きょ)という。花茎は根際から出て、やや立ち上がり、てっぺんで下を向いて花のラッパの管の中程に上側から着く。平地に普通で、山間部の道ばたから都会まで、都会ではコンクリートのひび割れ等からも顔を出す。山菜としても利用されている。葉は天ぷらにしたり、茹でておひたしや和え物になり、花の部分は酢の物や吸い物の椀ダネにする。ただし他のスミレ科植物、例えばパンジーやニオイスミレなど有毒なものがあるため注意が必要である。
コメント
お礼
正子先生
「水音して箕面連山春浅し」の句を今日の俳句におとり上げくださり誠に有難うございました。今後ともご指導宜しくお願い申し上げます。箕面の滝道沿いの小川の流れは箕面の浅春の一景と言えるかもしれないと思います。
★梅の花遠きに咲きて白さ満つ 正子
春が来て梅林がにぎやかになってきました。まだ遠くに白梅が咲き始めた頃かもしれませんが、遠目にも華やかな白い花色が満ちており、心なしか清らかな白梅の香もただよってくるように想われます。