★水掛けて春水かがやく仏なる 正子
観音様でしょうか、柄杓などで水を掛け、手を合わされたのでしょう。仏様のお顔や肩に滴る水が春日に輝き、その優しく温かなお姿に感動されたご様子が、私たちの心にも伝わってきます。 (小西 宏)
○今日の俳句
蝋梅の向こう甍とひかる海/小西 宏
蝋梅越しに、甍と光る海が見える景色。海辺の景色だが、甍があることによって句が絵画的になった。(高橋正子)
○第21回(立春)フェイスブック句会入賞発表
【金賞】
★枝ゆらし光ゆらして春の鳥/小西 宏
枝に止まった鳥が、枝移りをするのか枝が揺れる。それを見ていると、光も揺らしているのだ。枝を張る陽光に満ちた木、枝移りする鳥が、なんと早春らしいことよ。(高橋正子)
▼その他の入賞作品:
http://blog.goo.ne.jp/kakan02d
★莟とはなれもしらずよ蕗のたう 蕪村
★ほろ苦き恋の味なり蕗の薹/杉田久女
★蕗の薹おもひおもひの夕汽笛/中村汀女
★猪を炙り蕗の薹まぶしかな/長谷川櫂
蕗は菊科の多年草で山野に自生する。早春、新葉が出る前に根茎から卵の形をした緑色の花茎を出す。花茎は数枚の大きな鱗のような葉で包まれ、特有の香気とほろ苦い風味が喜ばれる。花がほうけたものを蕗の姑(ふきのしゅうとめ)という。 学名:Petasites japonicus、Petasites(ペタシテス)は、ギリシャ語の「petasos(つば広の帽子)」が語源で、葉が広く大きいところから。
蕗の薹(ふきのとうは、蕗の花芽のことで、天ぷらにするとおいしい。花が咲く前の柔らかいうちがベスト(地面から出てきた直後ぐらいの状態のもの)。春の代表的な山菜。花が咲いてから、地下茎を通じてつながっている葉が大きく伸びて広がってくる。(花と葉が別々につく)。この”葉柄”(葉の茎の部分)がいわゆる「フキ」として食用になる。市販されているものはほとんどが「秋田フキ」と呼ばれる、葉柄2mほどの大型のもの。葉自体は円形。
コメント
お礼
高橋正子先生
「蝋梅の向こう甍とひかる海」を先生の「俳句日記」にお取り上げ下さり、たいへんありがとうございました。
鑑賞
★水掛けて春水かがやく仏なる 正子
観音様でしょうか、柄杓などで水を掛け、手を合わされたのでしょう。仏様のお顔や肩に滴る水が春日に輝き、その優しく温かなお姿に感動されたご様子が、私たちの心にも伝わってきます。