2月27日(木)

晴れ
 大覚寺襖絵
春暖の若柳白く剥落し      正子
 刀剣「薄緑」
春灯の春光となる薄緑      正子
空海御影おぼろ煤けて掛けられし 正子

●東博の平成館2階で開催の「大覚寺展」へ上京した妹と出かける。大覚寺の年中行事がビデオで流れいた。僧衣もきらびやか。華会式、万灯会や大沢の池の観月祭は一度見てみたいと思いながら、繰り返されるビデオを何回も見た。
襖絵は400年以上経つためだろう。柳などは絵具が剥落し白くなっている。鳥の色にも剥落が見られ、何の鳥か判断がつかない。燕なんかも大きく描かれている。あれが山鳥なのかと言う鳥もいた。野春菊が描かれて、めずらしく見た。牡丹は白牡丹が主で淡い紅がほんの少し咲いている。聴香の道具が様々小さくて、細工が細かく、蒔絵も魅力的。刀剣の輝きも、言い難い光が美しい。その姿が細く繊細。刀剣愛好家に女性が多いと聞いたことがあるが、わかる気がする。そして、漆に描かれた「桐と竹」の意匠が拡大展示されていたが、洗練度を感じる。大きな葉の桐に、竹の葉がすっと鋭く描かれ、それも一つ、葉と葉、桐の花の空間に緊張感がある。モリスのデザインでは、そんなに緊張感を感じないが、日本のものには、シンプルさの果てに緊張感を感じる。そこが日本の意匠なのかと思った。集中力と緊張を強いられる。

展覧会を見たあと、東洋館にくっ付いてあるレストラン「ゆりの木」で昼食。大覚寺展に合わせた特別メニューの嵯峨御前とデザートに抹茶小豆アイスをたのんだ。料理は湯葉の刺身がしゃっきりして一番おいしい。ほかに胡麻豆腐、アナゴの天ぷらなど。しそご飯があるのに、そうめんに鴨のようなロースト肉がのっていたが、そうめんは食べきれない量で残す。このレストランの名前「ゆりの木」は博物館の前の大木のゆりの木からつけられたのだろう。

平成館の前に鴎外が総長として執務した部屋の跡が、噴水として残されて、?外の写真があった。若い時の写真なのか。ここで?外に遭おうとは。平成館を出て寛永寺の開山堂がすぐ近いのでお参り。境内の銀杏の裸木に尾長が鳴いていた。高いところに止って丸見えだった。

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