2月26日(日)

★さきがけて咲く菜の花が風のまま   正子

○今日の俳句
猫柳水の光りを纏いけり/黒谷光子
川べりの猫柳であろう。川の水のきらめきを受けて、猫柳の銀色の蕾が水の玉と見まがうように輝く。こころの弾む早春の景。(高橋正子)

○第7回きがるに句会入賞発表
ご挨拶
正月から始めた「きがるに句会」も第7回を迎えました。おとといは、本当に春が来たような日差しが溢れて暖かでほっとしたものでした。今日は雨模様で少し寒さが戻っていますが、皆様の句に、弾んだ気持ちやしなやかな感性の句がたくさんあって、この冬の寒さともそろそろお別れかな、と思いました。ご投句と選、コメントをありがとうございました。特別招待選者の皆様、選とコメントをありがとうございました。次回は第8回です。ご投句をお待ちしています。これで第7回句会を終わります。(主宰 高橋正子)

【最優秀/2句】
★たんぽぽの野に散らばれる低さかな/津本けい
「低さかな」は、言えそうでなかなか言えない。野に咲くたんぽぽは、まだ風も冷たいせいか、丈が低く野にへばりつくように咲いている。野に咲くたんぽぽの景色を平易な言葉でうまく表現した。(高橋正子)
★バケツありて男の汲める水温む/川名ますみ(信之添削)
男が汲んだバケツは、頼もしい男の腕でなみなみと汲んだ水がはいっているバケツ。この水を見ていると、やわらかで、光がまじり、「水温む」を実感させてくれる。あかるい心境が詠まれて、読み手にも明るさが与えられる。(高橋正子)

【高橋正子特選/5句】
★乙訓は風吹く丘ぞ菜花咲く/桑本栄太郎
乙訓は、長岡京があったところとして知られるが、丘に菜花が咲きやわらかな起伏を彩っている。風もやわらかに菜花をなでてゆく。「乙訓」がよく効いている。(高橋正子)
★カットする鏡に淡きチューリップ/祝恵子
髪をカットする様子が鏡に映っているが、その鏡に淡い色の、おそらく淡いピンクのチューリップが映っているのだろう。「淡い」と言ってチューリップの色や形を読者にゆだねたところに春らしさが出た。鏡の中に明るくやさしい春がある。(高橋正子)
★沖よりも甍の光り春めけり/多田有花(正子添削)
★陽をまとい子らブランコを宙に漕ぐ/小川和子
★遠汽笛空へ弾ませ風二月/藤田裕子

▼その他の入賞作品:
http://blog.goo.ne.jp/kakan02c

◇生活する花たち「山茱萸(さんしゅゆ)・木瓜・三椏の花」(横浜四季の森公園)


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