2月16日(土)

 慶大日吉キャンパス
★煙る銀杏芽吹く気配を一心に   正子
慶応大学日吉キャンパスの銀杏を詠まれた御句。前途有望な学生が集まる学舎にふさわしい、銀杏の芽吹きの清々しさが伝わってきます。銀杏の芽はやがて青葉となり、学生たちの成長を静かに見守るのでしょう。(小川和子)

○今日の俳句
二月の陽を反射させつつバス来たる/小川和子
バスを待っていると、向こうから陽を反射させながらバスがやって来た。光は、早くも明るい二月の光。二月の光を連れて来たバスである。(高橋正子)

○榛の木(ハンノキ)の花

[榛の木の雄花)/東大・小石川植物園]   [榛の木の雄花と雌花/国立自然教育園]

★はんの木のそれでも花のつもりかな 一茶
★渓声に山羊啼き榛の花垂りぬ/飯田蛇笏
★空ふかく夜風わたりて榛の花/飯田龍太
★はんの木の花咲く窓や明日は発つ/高野素十
★榛咲けり溝には去(こ)年(ぞ)の水さびて/川島彷徨子
★百姓の忙しくなる榛咲けり/樋口玉蹊子
★榛の花いつかは人の中で死ぬ/岩尾美義
★空深し榛の花とは垂るる花/高橋正子

 ハンノキの花は単性で雄花と雌花は別々につく。雄花穂は、枝先に5cmぐらいの長さで尾状に下垂し、雌花穂は、雄花穂の付け根の近くの葉腋に高さ2cmほどの小さな楕円状になって直立する。両花穂とも小さな花の集合体で、目立つような花弁もなく、よく注意をしないと花とは気がつきにくい。
 ハンノキ(榛の木、学名:Alnus japonica)は、カバノキ科ハンノキ属の落葉高木。日本、朝鮮半島、ウスリー、満州に分布する。日本では全国の山野の低地や湿地、沼に自生する。樹高は15~20m、直径60cmほど。湿原のような過湿地において森林を形成する数少ない樹木。花期は冬の12-2月頃で、葉に先だって単性花をつける。雄花穂は黒褐色の円柱形で尾状に垂れ、雌花穂は楕円形で紅紫色を帯び雄花穂の下部につける。花はあまり目立たない。果実は松かさ状で10月頃熟す。葉は有柄で長さ5~13cmの長楕円形。縁に細鋸歯がある。良質の木炭の材料となるために、以前にはさかんに伐採された。材に油分が含まれ生木でもよく燃えるため、北陸地方では火葬の薪に使用された。近年では水田耕作放棄地に繁殖する例が多く見られる。

◇生活する花たち「満作①・満作②・蝋梅」(大船フラワーセンター)


コメント

  1. 小川和子
    2013年2月11日 17:20

    お礼
    正子先生の「今日の俳句」に「二月の陽」の句をとり上げて頂きまして有難うございました。

    ★煙る銀杏芽吹く気配を一心に 正子
    慶応大学日吉キャンパスの銀杏を詠まれた御句。前途有望な学生が集まる学舎にふさわしい、銀杏の芽吹きの清々しさが伝わってきます。銀杏の芽はやがて青葉となり、学生たちの成長を静かに見守るのでしょう。