12月27日(金)

晴れ
●整形外科へ午前中、定期健診。午後家の片づけと、正月準備。正月用品ではなく、足りなくなりそうな普段のものを買う。
●信之先生の俳句絵葉書、俳句葉書き、扇子揮毫俳句を整理。坊っちゃん劇場で美知子さんの息子さんが虚子役を演じた「正岡子規」を鑑賞した時の俳句を書いた扇子が出てきた。美知子さんに送るように準備した。その後、夕方4時近くであったが、横浜の高島屋へ出かけた。正月前なので漆器が色々あるのではと思ったからだ。デパートに漆器や陶器類が少ない時は幻滅する。輪島塗の夫婦箸をお祝いに買った。輪島塗は今生産されていなく、注文しても入荷しないとのこと。一点しかなかったので、それを買った。「観桜月」と名がつけられ、桐の箱に入っていた。
「いたどり」時代の臥風先生からの松本功さんへの葉書、かまつかの加藤志偈夫さんからの水煙へのお礼の葉書のファイルを整理。志偈夫さんの葉書は、平成2年から5年で、昭和から平成に移ったころの俳壇の事情がよくわかる内容。今では大変貴重なもの。すでに30年が経った。功さんへの葉書もこれも臥風先生の貴重な葉書。加藤志偈夫さんの葉書の文面は花冠に掲載する価値があると思える。毎月なのでかなりの枚数。
●トゥルン・ウント・タクシス=ホーエンローエ侯爵夫人は、リルケのパトロンとして知られる。今日、ネットニュースを見ていて、「世界の美しいウェディングドレス」のYou Tubeがあったので、どれどれと言う感じで見た。お妃や王女さまのウィディングドレス姿である。どれもたっぷり布が使われている。「女性の美」と言えば、大英博物館のアフロディーテの像が目に浮かぶが、それを美の基準に置くのは無理だとしても、美しい写真が並ぶ。それらの写真に〇〇・〇〇 フォン・トゥルン・ウント・タクシス王女のウェディング姿の写真があった。奇抜なドレスとして紹介されていた。

フォンは貴族の名前に付くが、いまもトゥルン・ウント・タクシス家の王女として紹介されるのには驚いた。貴族の階級は公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵と順に続く(ちなみに公爵はウィリアム皇太子など)。トゥルン・ウント・タクシス家は中世から続くヨーロッパの名門貴族。郵便制度を確立させるなど重要な役目を果たし、巨万の富を築いたと言われる。侯爵夫人自身も裕福な家の出身で、夫は銀行家、不動産投資家である。侯爵夫人自身ダンテの神曲を訳したり文学が好きであるが、文学の質を見分ける目も高かったそうだ。リルケなど若い文学者のパトロンとして、社会的にも認められていた。

下世話な話だが、夫のいる夫人が若き詩人のパトロンになることを夫はどう思っていたのか気になるが、十分理解して、何の問題もないようだ。むしろ、誇りに思っていたのかもしれないと想像する。ヨーロッパでは、詩人は神と人間を繋ぐ中間の人として高く評価されている。アドリア海に面した彼女の居城は、海の崖の上に立つ孤城だが、リルケの「ドゥイノの悲歌」の生まれるに必要な城であった。こうして彼女の名はリルケと共に残っている。

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