12月17日(火)

晴れ
●急に寒さが厳しくなった。霜が降ったりはしないが、すぐに体が冷える。
●「ゆうメール」のスタンプを買いに日吉商店街へ行ったが、売っていない。仕方なく、郵便局に封筒を持って行ってスタンプを押して帰った。切手やレタックス、スマートレターも購入。
 
●「角川俳句」12月号には、クローズアップに髙橋句美子の新作7句「冬の星」が掲載された。

同じ号に「日本語の美学」と題して言語学者の金田一秀穂氏と玉藻主宰の星野高士氏の採録対談が載っていた。司会は星野高士氏の娘の星野愛氏。星野高士氏は、ホトトギス派(虚子一門)なので、「季題先立て」の方法で句を作られ、対談でも下に引用した発言があった。季題先立ては、季語や季題を重視し、それを軸にして句を作ることで、季題や季節を強調し、自然の美しさを詠う。

星野氏は次のように言っている。「俳句は花鳥諷月や季語、季題からみて何を発想するか。私にはそれが永遠のテーマです。ところが今はいろいろな場所で俳句会をしていると、みんな現地で考え、まず言葉がでてからどの季題にしようと考えている。吟行でも歳時記を開いている人がいると、それは駄目ですよと言います。そういう風に作ると、当てはめているような句が多いんですよね。成功すれば問題ないですが。」

しかし、一方で作句の方法には、「後付け」の方法もあって、独自の魅力があり、観察や体験を大切にすることで、より個性的で新鮮な句が生まれることもある。同じ人がどちらの方法もとって作句することもある。星野氏の「それは駄目ですよ」と言ってしまうのは問題を孕んでいる。「成功すれば問題ないですが」とは言っているものの。星野氏はホトトギスの後継者として著名ではあるけれど、「私の流派では」の断りがあってもよかったのではと思った。そうしないと、初心者は俳句は「季題先立て」で作るものと思ってしまう。総合俳誌は俳句を勉強したい初心者に熱心に読まれているから注意が必要と思われる。
また、「後付け」の方法をとる場合の「観察や体験を大切にする」というのは、観照の態度や心境のレベルなどを含めて、仏教的、哲学的次元などが考えられる言葉で、それは詩の根本をなすものなので、受け流してはいけない。
この対談はほかにも面白いテーマがあった。それは、のちほど折に触れて書きたい。

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