★ポプラ黄葉雲寄り雲のまた流る 正子
街路樹や牧場などに植えられている菱形の葉を持つポプラは高く伸び、特に樹形が美しく黄葉したポプラは秋の青空に映え、そのポプラの上を真っ白な雲がゆっくりと流れ、また、近寄っては流れていく素晴らしい景ですね。(小口泰與)
○今日の俳句
ままごとのお椀かろしや赤のまま/小口泰與
「お椀かろし」がいい。作者はたわむれにままごとのお客になったとも思えるが、赤のままをいれたお椀があまりにも軽いこと、そこに感銘がある。(高橋正子)
○花冠新年1月号入稿
平成27年1月号より、20ページの月刊にする。昨年は56ページ、48ページの季刊だったが、以前に戻す。入稿といっても、ネット上にアップした原稿を印刷所がダウンロードする仕組みだ。
○大船フラワーセンター
★菊花展その上の空ひろびろと 信之
★秋薔薇の植物園の中央に 〃
★コスモスの池の向こうの風の中 〃
○1月号の入稿を済ませ、10時半から大船フラワーセンターへ信之先生と出かける。フラワーセンターまで、電車とバスを乗り継いで、1時間10分ほどだ。
フラワーセンターに入ると、すぐに菊花展の会場となり、20人ばかりの審査員が菊の審査をしていた。小菊は透きだが、仕立てられた菊には感興がわかない。入り口から左手にゆくとパンジーの苗や野菜の苗などを売っている。庭木の小さいものもある。いつも買って帰ろうと思うが、荷物になるのでやめることになる。菊花展のほかには、山茶花がすでに咲いて、散っているものもある。咲いては散り、咲いては散る山茶花だから、まだまだ花季は長い。銀杏の樹の根元に銀杏がたくさん落ちている。水道の蛇口の並んだところには、ここの水道で銀杏を洗わないようにという注意書きがしてあるから、拾って帰る人もあるようだ。山茶花の一画を出れば、石蕗が黄色の花をたくさん咲かせている。森蔭なので、ことに黄色が際立って明るい。石蕗の花を行き過ぎれば、鈴懸や栃の大樹がある。藤棚もあって藤豆が垂れている。少しゆくと冬桜が咲いている。この桜は三波川桜ともいうらしく、雑種の桜と説明書きがある。冬桜の続きにはいろんな種類の山茶花がある。大船には「玉縄」という地区があって、「玉縄山茶花」もあった。山茶花が囲む畑は芍薬の苗を育てているようで、この季節はすっかり葉も茎も枯れているが、切り払われてはいない。この枯れた芍薬畑を抜ければ、薔薇園に行き着く。薔薇園に入れば、明るく薔薇の花が咲いている。夏の薔薇は、それこそ誇らしく、生き生きと咲いていたが、秋の薔薇は長衣の貴婦人の背を見るようだ。秋には、秋の薔薇のよさがある。たくさんの薔薇からどの薔薇を写真に撮るかは難しい選択だ。薔薇の思いを汲むことは難しい。
薔薇園を見たあとは、温室の花を観賞した。温室に入ると蒸気がたったような温かさと湿度を感じた。
蘭、睡蓮、ハイビスカス、ブーゲンビリアなどが麗しく咲いている。ブーゲンビリアのたくさんの色には驚いた。白・黄色・オレンジ・紫・ピンクがある。花と思えるのは葉かもしれないが楽園の雰囲気だ。温室を出て、芝生広場の花壇を見て園をあとにした。大船の駅まではタクシーで。駅のスターバックスで珈琲とスコーンを注文した。珈琲は軽めに炒ったショートサイズ、スコーンはクランベリーとオレンジピールのはいったのと、チョコレートの入ったのを少し温めてもらって食べたが、クランベリーのほうが断然おいしかった。東海道線で横浜まで。横浜から東横線とグリーンラインで帰宅。帰宅は午後4時。
秋ばらの色いろいろが目に漂い 正子
秋ばらの黄ばらがことに日を浴びぬ 正子
コスモスを撮らんとすれば風に逃げ 〃
山茶花の花はたとえば二年生 〃
秋三時スコーンと珈琲温かく 〃
秋薔薇の花はゆるみてうすくれない 正子
オレンジとも黄とも言えない秋の薔薇 〃
鈴懸の実が垂れ秋を惜しみけり 〃
枯れゆける花に突っ立ちおみなえし 〃
新色のコスモス緑の葉も美しき 〃
冬桜くもれる空になお淡く 正子
葉鶏頭燃え立つ一列芝区切り 〃
藪柑子たったひとつの実がかがやく 正子
★赤がうれし黒鉄黐に朝が来て/高橋正子
クロガネモチ(黒鉄黐、学名 Ilex rotunda)は、モチノキ科モチノキ属の常緑高木。高木に分類されるものの、自然状態での成長は普通10m程度にとどまり、あまり高くならない。明るいところを好む。葉は革質で楕円形やや波打つことが多く、深緑色。表面につやがある。若い茎には陵があり、紫っぽく色づくことが多い。春4月に新芽を吹き、葉が交替する。雌雄異株で、花は淡紫色、5月から6月に咲く。たくさんの果実を秋につける。果実は真っ赤な球形で、直径6mmほど。本州(茨城・福井以西)・四国・九州・琉球列島に産し、国外では台湾・中国・インドシナまで分布する。低地の森林に多く、しばしば海岸林にも顔を出す。しばしば庭木として用いられ、比較的都市環境にも耐えることから、公園樹、あるいは街路樹として植えられる。「クロガネモチ」が「金持ち」に通じるから縁起木として庭木として好まれる地域もある。西日本では野鳥が種を運び、庭等に野生えすることがある。材木は農機具の柄としても用いられる。
コメント
御礼
高橋正子先生
「赤のまま」の句を正子先生の11月5日の俳句日記にお取り上げ、その上、素晴らしい句評をたまわり厚く御礼申し上げます。有難う御座いました。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
○ポプラ黄葉雲寄り雲のまた流る/高橋正子
街路樹や牧場などに植えられている菱形の葉を持つポプラは高く伸び、特に樹形が美しく黄葉したポプラは秋の青空に映え、そのポプラの上を真っ白な雲がゆっくりと流れ、また、近寄っては流れていく素晴らしい景ですね。