曇り、ときどき時雨
松永湾
冬港止水のごとく潮が照り 正子
井原・平櫛田中美術館
榧の樹が全身紅葉に美術館 正子
暮早し土手を添い来て山坂へ 正子
らんま漏る祖母の灯または冬ともし 正子
●府中の妹のところへ、一番下の妹の車で行く。テレワーク中の姪もいて、家族で昼ご飯をする。普通のお昼ご飯でいいと言っておいたが、銀杏ご飯と、ローストビーフと鯛の焼いたの、鯛のおすまし、里芋とインゲンなどの煮たのと、ピーラーで向いた胡瓜の何かをごちそうしてくれた。
食後時雨が降ったり止んだりするなか、、われわれ三姉妹で、備後吉備津神社と、すぐそばにある生家の氏神の櫻山神社に参った。櫻山神社には桃太郎の昔話の石像が高いところにある。桃太郎は手日差しで遠くを見、肩に雉が止り、足元に犬と猿がいる。櫻山神社に先に参り吉備津神社に参拝して、お守りを買って降りると、櫻山神社に虹がかかった。すぐ下の妹が写真にとって、縁起がいいと喜んで、三姉妹で写真を共有した。
●参拝後、車でしばらく走り、これも先祖にゆかりのある寺。那須与一が屋島の合戦で扇を射抜いた功労でもらった荘園のひとつ。そこにある「永祥寺」へ行った。矢を射るとき邪魔だとちぎった右袖があるという。無住寺となっていて、鐘楼などもあり、草深いところにある。野川が深く流れている。そのあと、井原市内にある平櫛田中美術館へ行った。ちょうど特別展の開催中で、小平市や東京芸大や国立博物館所蔵の田中(でんちゅう)の作品も展示されていた。メインは22年かけて作った「鑑獅子」。
田中は西山禾山に禅の教えを受けている。禾山像の彫刻もある。禾山は私には、別な意味で身近である。禾山の孫の恭子さんは、俳句会の二つ上の先輩なのだが、私の部屋に来たいといい、話し込んで泊まったこともある。私を年下とも思っていないような感じで、お洒落て、けらけら笑う楽しい人だった。
すっかり暮れてしまったので、一番下の妹の車の運転で、40キロほど離れた生家へ芦田川の川土手を走り、鞆の浦を通って、着いたときは、暗くなってしまっていた。
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