11月12日(火)

曇りのち晴れ
   野生化のインコ
冬空にインコ羽裏の色残す  正子
観覧車円に灯点す冬の暮   正子
白菜を大袋に詰め電車の主婦 正子

●新幹線の切符を買いに新横まで。ついでに横浜そごうまで。切符は往復割引が利用できてよかったが、切符の印字を見ると、途中下車できない。せっかくの一人旅なので途中下車して、東福寺へ寄る予定を立てていた。しばらく旅行していないので、勘が鈍っている。往復切符では途中下車はダメなのだ。

●『若き詩人への手紙』(高安國世訳/新潮社)は、若き詩人カプスから送られた手紙は載っていない。リルケの手紙だけ。訳者の高安國世は旅の鞄には、内容が濃く薄い本を入れると言っていた。まさに、『若き詩人への手紙』がそうだ。その『若き詩人への手紙』のなかで、リルケは詩人へのアドバイスに、本はほんの数冊でいい。自分がいつも持っているのはバイブルとヤコブセンの詩集だと言っている。バイブルは意外だった。ヤコブセンを読むためにデンマーク語を勉強したという。ロシア語も学び、トルストイともロシア語で会話し、もちろんロシア文学も原文で読み、フランス語の詩も手紙も多い。生まれたのはプラハなのでチェコ語も話し、母語はドイツ語とのこと。孤独と集我を求めたリルケは、芸術家や文学者と多く交わっている。創作するときは、孤独を重視し、『若き詩人への手紙』にも孤独の重要性を度々述べている。それにより内面の奥へはいっていく。これが重要だと。

『若き詩人への手紙』は一通り読んだ。10通が収められている。1903年2月17日、パリからの手紙に始まるが、初めの数通の手紙が詩人への忠告としてわかりやすい。

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