11月10日(木)

★枯蓮となりつつ水に傾ぎゆき  正子
蓮が枯れ、大きな葉の重みに耐えかねて傾いてゆきます。やがて茎が折れるように曲がり、水面に接するようになります。そんな季節の移り変わりがスローモーションのように思い浮かびます。(小西 宏)

○今日の俳句
欅立つ落葉きらめく陽の中に/小西 宏
情景がよく整理されている。陽を受けてきらめきながら散る落葉。その中心に黄葉した大きな欅の存在が示されている。

+ + + + + + + + +

帰り咲く
高橋正子
あかるさは林檎の花の帰り咲く
草分けて柚子の熟るるを撮りにゆく
柚子の木の柚子にいびつな柚子ばかり
レモンの香飛べば灯ちらつけり
うす桃の菊の日差しも写し撮る
 慶大グランド
サッカーの練習熱帯ぶ野菊咲き
咲き残る紫苑寄り合い傾き立つ
りんどうに日矢が斜めに差し来たり
白樫の落葉多かり里山は
菊の香に座りていまだ死が見えず

+ + + + + + + + +

◇生活する花たち「千両・茶の花・白椿」(横浜下田町・松の川緑道)


コメント

  1. 小西 宏
    2011年11月17日 18:58

    お礼
    高橋正子先生
    「欅立つ落葉きらめく陽の中に」を「今日の俳句」にお取り上げ下さり、たいへんありがとうございました。

  2. 小西 宏
    2011年11月17日 19:00

    鑑賞
    ★枯蓮となりつつ水に傾ぎゆき  正子
    蓮が枯れ、大きな葉の重みに耐えかねて傾いてゆきます。やがて茎が折れるように曲がり、水面に接するようになります。そんな季節の移り変わりがスローモーションのように思い浮かびます。