10月9日(土)

★甘藷よく実入り刃物に当たる音  正子
堅く良く実った甘藷は、刃物を入れるとギシギシと音を立てて抵抗するかのようです。そんな音が聞こえてくるような実感が伝わってきます。あるいは、この刃物はいも掘りの鍬であっても同じなのかもしれませんが。(河野啓一)

○今日の俳句
鍬音も高く甘藷を掘り当てぬ/河野啓一
実りの秋。充実の甘藷を掘り当てた喜び。平明で実感の言葉で詠まれている。「鍬音も高く」には、澄んだ秋の空や空気が、肌に伝わってくる表現である。


コメント

  1. 河野啓一
    2010年10月5日 20:40

    御礼
    高橋正子先生
    今日の俳句におとり上げくださり、誠に恐縮に存じす。秋空の下、いも掘りの喜びが表現できていれば、と思っておりました。

  2. 河野啓一
    2010年10月5日 20:46

    コメント
    ★甘藷よく実入り刃物に当たる音  正子
    よく太った甘藷ですが、ときに掘り上げに失敗するものです。「刃物に当たる音」が諧謔味をもってひびいてきます。いも掘りの実感がすばらしいと思います。

  3. 河野啓一
    2010年10月6日 20:12

    コメント再投稿
    先日のコメントは句意を取り違えていたのではないかと気付きました。お詫びして変更させていただきたく存じます。

    ★甘藷よく実入り刃物に当たる音  正子
    堅く良く実った甘藷は、刃物を入れるとギシギシと音を立てて抵抗するかのようです。そんな音が聞こえてくるような実感が伝わってきます。
    あるいは、この刃物はいも掘りの鍬であっても同じなのかもしれませんが。

  4. 高橋正子
    2010年10月7日 20:23

    お礼/啓一さんへ
    甘藷の句に2度もコメントをいただきありがとうございます。鍬の刃でも包丁の刃でも、肥った薩摩芋は充実の音がして、ぱりっと裂け、おどろきます。
    薩摩芋に包丁を入れたときの句ですが、こどものころは、家の畑で芋ほりをしましたので、鍬に当たる甘藷の音も覚えがあります。