晴れ
●合同句集の編集に取り掛かる。本の体裁部分を仕上げる。表紙と本扉の紙を検討。敬二さんのオーストリア旅行の50句、前書きがある方が読みやすいので、明日奥さんに電話で聞くことに。
●「澤」(小澤實/東京)10月号を贈呈される。その「窓 総合誌俳句鑑賞」に「俳句8月号」に掲載の正子の「夏隣」からの一句が以下のとおり掲載される。
「俳句」八月号より 鑑賞者/今朝
生ききって一遍ほどに夏痩せす 髙橋正子
クローズアップ作品七句「夏隣」より。「夫」の「旅立」ちを題材にした連作の中の一句。「生ききって」のストレートな打ち出しに心を打たれる。K音の重なりは枯れ木のように痩せ細った骨が触れ合う音、促音の「っ」は「いのちを閉づる」前の吐息のように感じられる。衰弱して急に体重の減った様を「夏痩せ」と見る心には、永遠の別れを覚悟する一方で、季節が巡ればまた元気になって再開できるという信念のような思いが潜んでいるのかもしれない。「捨ててこそ」を信念に全国を遊行した「一遍」上人、その痩躯と重ねあわせることで、清らかにして熱情にも満ちた人生や「夫」の人柄も見えてくる。俳人の透徹した眼差しが夏の光となり、瞼を閉じた深い眼窩に翳を落としている。
コメント