10月10日(金)

★辻に出て通う秋風身にまとう  正子
十字形に交わった道路に出ると四方よりの秋風が爽やかに通り抜けている。その風を総身にまとった一時の心地よさと「もう秋も深まって来たな」との季節の移ろいに寂しさをも感じられる御句です。(佃 康水)

○今日の俳句
満月や瀬戸の潮騒高まりぬ/佃 康水
月に左右される潮の干満。満月が昇ると、おだやかな瀬戸もざわざわと潮騒が高まる。潮騒の高まりに、ますます輝く満月となって、臨場感のある句となった。(高橋正子)

○栗の渋皮煮を作る。横浜に引っ越してからははじめて。「利平栗」が出回りはじめたので、この栗で作った。ややとんがり気味の形。利平栗がどういうものが知らないが大ぶりな栗だ。栗を水に3,4時間浸して皮を剥いたので、意外とたやすく皮が剥けた。手間だというが、それほどの手間ではない。重層で湯でこぼして灰汁を抜き、砂糖でことこと煮るだけで、出来上がりの味は、マロングラッセと似ている。和風マロングラッセと言っていい。水煙(花冠)大会にも持参して、みなさんに食べていただいたこともある。

○犬升麻(イヌショウマ)

[犬升麻/横浜・四季の森公園]

★晒菜升麻狐のごとし霧かくれ/古賀まり子

★秋の野の不思議の花にイヌショウマ/高橋正子
★釣舟草の隣に咲いてイヌショウマ/高橋正子

イヌショウマ(学名:Cimicifuga japonica)は、キンポウゲ科サラシナショウマ属のひとつで、山地の林内に生える高さ60~80センチの多年草。地下茎が発達し横にのびる。根生葉は1~2回3出複葉。小葉はやや硬く掌状に裂け、裂片のふちに不ぞろいのするどい鋸歯がある。葉の両面とも脈に短毛がある。つぼみは紅梅色のような色で、花は白色で穂状に多数つく。つぼみが開くと花弁と萼は落ちてしまい、白色の雄しべが花のように見える。よく似た種類にサラシナショウマがあるが、サラシナショウマは花柄(有柄の白い花)が、はっきりとわかるが、イヌショウマは花に柄がないので違いがよく分かる。花期は7~9月。名前のイヌショウマは、サラシナショウマが薬用(茎葉が枯れてから根を日干しにして用いる。)として用いられるのに対し、薬用にならないためつけられている。分布は、本州(関東から近畿地方)

◇生活する花たち「十月桜・白ほととぎす・野葡萄」(横浜・東慶寺)


コメント

  1. 佃 康水
    2014年10月4日 8:49

    御礼
    高橋信之先生 高橋正子先生
    (御礼)
    今日の俳句に「満月や瀬戸の潮騒高まりぬ」の句をお取り上げ頂き誠に有難うございます。この句を詠んでより、月を眺めるのが楽しみになっています。

    《俳句鑑賞》
     
     辻に出て通う秋風身にまとう  正子

    十字形に交わった道路に出ると四方よりの秋風が爽やかに通り抜けている。その風を総身にまとった一時の心地よさと「もう秋も深まって来たな」との季節の移ろいに寂しさをも感じられる御句です。