晴れ
水仙の香が玄関に通るたび 正子
寒晴の空を区切りて屋根と屋根 正子
寒の雲ちぎれちぎれに増えにけり 正子
●気がづけば今日は息子の誕生日。
●リルケの『時祷集』の「僧院生活の巻」をきのう富士川英郎の訳で読んでわかりにくいと思い、原詩にあたった。私がわかりにくさを感じた原因をきのうの段階で述べた。今日、『リルケ』(星野慎一・小磯仁共著/清水書院)の94頁に星野の訳があった。こちらのほうが私の感覚にあう。私は時間に身体性を感じなく、むしろ宇宙的なものを感じるので、富士川訳の再帰代名詞を訳出したかのような「いま時間が身を傾けて」の訳出はわかりにくかった。今日、星野訳を読んで納得した。ほかにもある。星野訳は事物に近く直感でとらえやすい。
星野慎一訳
「時」はかたむき
そうそうと鳴りとよみて われに触れ
官能はおののきふるう われは感ず われなし能う とー
かくて 彫塑の日をつかむなり
富士川英郎訳
いま時間が身を傾けて 私にふれる
明るい 金属的な響きをたてて。
私の感覚はふるえる 私は感じる 私にはできるとー
そして造形的な日をとらえる
私なら星野訳の次の3つを採用したい。
①時(間)に身体性をもたせない。
②「感覚」より「官能」を採る
③「造形」より「彫塑」を採る。
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