★枝打ちの銀杏冬芽が地に弾み 正子
銀杏の枝打ちの音が、力強く明るく地に響き聞こえてきます。落とされた銀杏の、冬芽にある漲る生気が「地に弾み」に込められているようです。 (藤田洋子)
○今日の俳句
千両のひと色壷に豊かなり/藤田洋子
壺には千両だけ挿されているのか。そういうのもいい。あるいは、正月の花のなかに千両があって、赤い実の色があることで壺が豊かになる。
○四季の森公園
横浜市緑区に県立四季の森公園がある。JR中山駅南口から徒歩約15分のところである。豊かな緑の里山をそのまま生かした公園で、横浜の中心部に近いことや、四季折々の自然に出会えることなどから多くの人が訪れる。
寒中の四季の森公園は、葉のあるものが葉を落とし、川に架かる橋なども初めて見る橋のようである。今日は、四季の森には中山駅から「よこはま動物園」行のバスに乗り、いつもなら「長坂」で降りるところを、一つ手前の中山中学校入口で降りた。すぐ公園の敷地内に入るが、浅い池は全面薄氷が張り、先日降った雪も残り、皐月には霜がきれいについていた。さくらの園には、奇しくも十月桜という冬桜が咲いていた。山桜の花は三月だそうだが、花芽もかなり大きくなっていた。蝋梅、みつまたの花の蕾、サンシュの赤い実などが見られた。鴨も氷が融けはじめた池に4,5羽かたまるように浮いていた。尾長らしい鳥がいた。葦原を一巡する。山肌には、植物の標識のみが立っているところがある。「シモツケ」「オタフク」などとあっても、植物は枯れ果ててしまっている。この大寒の午前中というのに、散歩を楽しむ人が多くいた。二時間ほど園内にいた。
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○枯芦
★葦枯れて空と水とに月ふたつ/福田蓼汀
芦は葉が枯れてからいつまでも浅水や湿地に茎を残して、冬の水辺の風景を侘びしく見せる。芦原に日が差し込んでくれば、日の光を抱え込み、直立した茎の並びは、ほの赤くて美しい。
★葦枯るる葦原奥に雪残り/高橋正子
★枯るる葦そよがぬときはほの赤し/高橋正子
コメント
お礼
正子先生、今日の俳句に「千両」の句を取り上げていただきありがとうございます。
★枝打ちの銀杏冬芽が地に弾み 正子
銀杏の枝打ちの音が、力強く明るく地に響き聞こえてきます。落とされた銀杏の、冬芽にある漲る生気が「地に弾み」に込められているようです。