1月25日(日)

★寒厨卵も餅も白ほのと  正子
寒中の空気には冷たさと同時に清浄さがあります。冷えた台所にあるお餅の白さにそうした清らかさを感じておられる様子がうかがえます。(多田有花)

○今日の俳句
大寒の薄き日差しのなか歩く/多田有花
「薄き日差し」は、大寒でなくても経験することだが、大寒であることで、清浄な日差しを感じる。(高橋正子)

○大倉山公園梅林
http://www.natsuzora.com/may/park/okurayama_ume.html

梅林の斜面の白と紅の花     信之
梅林を一望ふところ深き谷    〃
寒梅の大きな一樹に対面す    〃
梅の谷鳥啼き風の吹き抜ける   〃
梅の谷その半分に陽が当たる   〃
良きこと多し一月の日曜の梅   〃
寒梅の白あり紅あり空の青    〃
公園の手洗い梅の満開に     〃

寒梅に水の流れのきらめき落つ  正子
「寒梅」に「水の流れ」の取り合わせがいい。寒の最中のみずみずしい風景だ。(高橋信之)

寒梅に谷間の草の萌えはじむ   〃
寒梅の紅白ひらく谷日和     〃

○ミモザの花蕾

[ミモザの蕾/横浜日吉本町]  [ミモザの花と蕾/横浜日吉本町]

★邂逅やミモザ咲く坂上りつつ/草間時彦
★教会の仰げばミモザの花たわわ/戸田菜穂
★狭くなく広くもなき庭ミモザ咲く/竹酔郎
★教会へ続く坂道ミモザ咲く/浜元さざ波

葉に刺激を与えると古代ギリシアの身振り劇ミモス”mimos”(マイム、パントマイムの前身)のように動くことからこの名がついた。ラテン語本来の発音はミモサ、英語発音はマモゥサあるいはマイモゥサとなり、日本語のミモザはフランス語発音に由来する。ここから以下のような転用により語義が広がっている。
オジギソウ(本来のミモザ)。 フサアカシア(ミモザ)は、マメ科オジギソウ属の植物の総称(オジギソウ属のラテン語名およびそれに由来する学名がMimosa)。フサアカシア、ギンヨウアカシアなどのマメ科アカシア属花卉の俗称。イギリスで、南フランスから輸入されるフサアカシアの切花を”mimosa”と呼んだ事から。アカシア属の葉は、オジギソウ属の葉によく似るが、触れても動かない。しかし花はオジギソウ属の花と類似したポンポン状の形態であることから誤用された。今日の日本ではこの用例がむしろ主流である。

◇生活する花たち「冬椿・冬の梨園・冬田」(横浜市緑区北八朔)


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