★北風吹ける湖を見ていて湖動く 正子
強く吹く北風のなかで湖を見ておられたのでしょう。空気が動いているのではなく、一瞬湖自身が動いているように感じられた、自身の感覚を忠実に詠まれていると感じました。(多田有花)
○今日の俳句
北風去れば静かに青き空残る/多田有花
「北風」と書き、俳句では慣例的に「きた」とも読ませる。北風が塵を吹き払い、後に青空が残る。「静かに青き」は作者の心境でもあって、静謐な青がよい。
○大寒
★寒浄し床に白磁の観世音/川本臥風
★大寒や転びて諸手つく悲しさ/西東三鬼
★大寒の床におさまり静かな土鈴/高橋信之
大寒(だいかん)は、二十四節気の一つ。冬至から1/12年後で1月21日ごろ、期間としては、この日から、次の節気の立春前日までである。今年は、大寒の入りが1月21日、立春前日の節分が2月3日で、その間の14日間を大寒という。この頃は、冬の内でも寒さのはげしい時期である。
★大寒の水道水の真すぐ落つ/高橋正子
★大寒の障子のそばの日の移ろい/高橋正子
コメント
お礼とコメント
正子先生、
「北風去れば静かに青き空残る」を今日の俳句にお取り上げいただき
ありがとうございます。強く吹いていた北風がおさまると、塵が
吹き払われた後の景色が残ります。静かで清浄な空間です。
★北風吹ける湖を見ていて湖動く 正子
強く吹く北風のなかで湖を見ておられたのでしょう。
空気が動いているのではなく、一瞬湖自身が動いている
ように感じられた、自身の感覚を忠実に詠まれていると
感じました。