★寒林を行けばしんしん胸が充つ 正子
葉を落とし切り、枝をあらわにして鎮まる冬の林。地中深く根を張り近づいてくる春を待つ木々。想像力を刺激する冬の森で、詩人はいろいろな思いで胸を膨らませる。 (古田敬二)
○今日の俳句
寒禽の影滑る野に鍬を振る/古田敬二
野に懸命に鍬を振っていると、寒禽の影が滑っていった。土と我との対話があって、寒禽がそれに色を点じて景がたのしくなった。添削は、「冬禽」を「寒禽」として、鳥のイメージを際立たせ句に緊張感をもたせた。
○冬菫
★冬菫咲く万貫の巌を割り/藤井亘
「すみれは早春に花をつけるが、日当たりのより野山では野生のすみれは冬の半ばでも咲いているのを見かける。」と角川歳時記にある。金蔵寺の寺の裏山に登ったが、だれも人が来ぬらしく積もった落葉に埋もれてすみれが咲いていた。たったひとつということが多い。菫はかれんな花に似ず生命力が旺盛。子供のころ、畑にすみれが咲き喜んでいたら、すみれは瞬く間に増えて作物の邪魔になると、あっけなく抜き捨てられた。上掲の「万貫の巌割り」のすみれも、強靭な生命力を詠っている。
このごろは、パンジーも冬の花壇や鉢に植えられ、花の少ない季節に彩りを添えている。寒そうではあるが、生活の風景を変えている。
★冬すみれ日はしろがねに高くあり 正子
○グーグルの検索
グーグルで「俳句」と検索すれば、「インターネット俳句センター」がウィキペディアの次、2位の位置に来ている。昨夜の検索で驚いた次第。アドレスをkakan.infoに変えたので検索順位はぐんと下がったままではと思ったが、suien.ne.jp以上になった。おかげさまです。
インターネット俳句センター:http://kakan.info/
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★寒林を行けばしんしん胸が充つ 正子
葉を落とし切り、枝をあらわにして鎮まる冬の林。地中深く根を張り近づいてくる春を待つ木々。想像力を刺激する冬の森で、詩人はいろいろな思いで胸を膨らませる。