曇り
●妹から大きい封筒が届いた。用事のものの他に、昨年11月の帰省のとき、妹の出席する講座を一緒に受講し、そこで出会った同級生から預かった写真がたくさん入っていた。去年の春、20人ばかりで食事会をした写真だそうだ。裏に旧姓で名前が書かれていた。初め、その名前に気づかなかったので、本当にちんぷんかんぷんだった。60年ぶりにみんなを見た。わかったのは、講座で出会った彼女と、男子で、彼に違いないという一人が見つかった。それに、私と似ていて、時に間違えられることがあった彼女かな、と思う人。精一杯のところそこまでだった。
裏に書いている旧姓に気づいて見直すと、一番変わっていないのは「眼差し」。つぎに「少し笑った口もと」かな。彼のあの眼差しは、今は刑事ものの人みたいに渋くなったんだとか、彼はいつもこんな感じで、教室の後ろの席からみんなを見ていたとか。紅顔の少年がこんなに彫り深い顔になって眼鏡をかけているとか。おきゃんな彼女は口もとが、今にも笑い出してしゃべりだしそうで、大人ぽかった彼女は着物を着て来たんだとか。目もと、口もと、変わってないわ。全員の名前と顔が一致した。男子は制服のなかに細い体が入っているような感じだったが、今はそんなことはない。温厚な体が十分服を満たしている。写真を見てすぐ、「みんなきれい」と思った。ちょっとうらやましかったが、それぞれいい人生を歩んできたのだと思えた。誰も不幸になっていない感じで、よかった。彼女の住所は書いてなく、電話番号を書いたメモが入っていた。
花冠の1月号の髙橋正子の俳句日記に彼女に出会ったことを書いたので、1月号を送るつもりでいた。住所がわからなく、年明けの講座で妹に連絡先を聞いてきてもらおうと思っていたところだった。お互いの意が通じたか。
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