★雪晴れに鴨のまばらにそれぞれに 正子
雪がちらついたり止んだりの晴れ間、池の面には鴨たちが三々五々、思い思いに展開して夫々に晴れ間を愉しんでいる。そんな風情が目に浮かんできます。「まばらにそれぞれに」で一つのリズムを感じさせてくれます。 (河野啓一)
○今日の俳句
さわさわと光と影を水仙花/河野啓一
水仙に日の光りが当たると、花にも葉にも影ができる。日のあたるところはより輝いて、当たらないところは静かに深く影ができる。その光と影が「さわさわ」とした印象なのは、水仙の姿から受け取られるものであろう。(高橋正子)
○蕪
★雪降らぬ伊予の大野や緋の蕪/高浜虚子
蕪は絵になる。大根もなるかもしれないが、蕪のほうが形と葉に面白みがある。信之先生が絵を描くときは、野菜は絵になったあと台所へ回される。小蕪は、寒い時期なら、まるごと煮て葛あんをかけるのが評判がいい。あとは、ポトフやみそ汁に入れたり、漬物や酢の物になっている。最近男の子は酢の物を嫌うので、蕪の酢の物はあまり作らなくなった。酢の物はサラダにとってかわられている。
大根と呼ばれながら、蕪としか思えないものもある。さくらんぼのような赤い二十日大根、千枚漬けの聖護院大根。私のイメージでは、この二つは蕪の仲間に入っている。聖護院大根は、子供のころ、冬の保存食として、京都の千枚漬けとは違っているが、薄く銀杏切りにして甕いっぱい酢漬けにされていた。今思えば、寒い季節のわりに酢が強すぎたという感じだが、この聖護院大根をかぶらを呼んでいた。
子供にとっては、蕪といえばロシアの民話の「大きなかぶ」の話だろう。佐藤忠良の挿絵の「大きなかぶ」の絵本を何度も子供に読まされた。
コメント
お礼
正子先生
「さわさわと光と影を水仙花」を今日の俳句にお取り上げくださり、誠に有難うございました。裏庭に群生しています水仙を摘んで花瓶に投げ入れましたところ、光と影が交錯して何か面白い感じがした次第です。
コメント
★雪晴れに鴨のまばらにそれぞれに 正子
雪がちらついたり止んだりの晴れ間、池の面には鴨たちが三々五々、思い思いに展開して夫々に晴れ間を愉しんでいる。そんな風情が目に浮かんできます。「まばらにそれぞれに」で一つのリズムを感じさせてくれます。