★水仙を活けしところに香が動く 正子
水仙の魅力のひとつはあの高い香りです。水仙を活けられて飾られたお部屋なのか玄関なのか、そこに人が出入りして動くたびに水仙の香りも動く、繊細にとらえられた水仙の姿、水仙のある生活です。 (多田有花)
○今日の俳句
髪洗う耳に木枯し届きけり/多田有花
髪を洗うときに耳の辺りが一番ひんやりするが、そこに木枯らしが吹く音が届いた。「耳に届く」は、リアル。季語は「木枯らし」。
○平成24年3月号投句
遊行寺坂
高橋正子
戸塚
水仙の二三花朝日の清源院
徒歩旅にはやも椿の赤い花
冬がすみ富士のこちらの山いくつ
藤沢
栴檀の実に藤沢の白き雲
遊行寺坂落葉たまるも切りもなし
きらきらと靴かがやせ冬の坂
藤沢宿
山茶花の一樹咲き添う古き壁
金蔵寺
除夜の鐘鳴りはじめなる一の音
駒林神社
かがり火に開きて読める初みくじ
正月の山の落葉のかく深し
○すずしろ(大根)
★流れ行く大根の葉の早さかな/高浜虚子
虚子写生の代表な句で、昭和3年11月10日、九品仏吟行のときの作品。句の対象が「大根の葉」のみで、そこに焦点が絞られ、他が切り捨てられているので、作者の思いが何処にあるか、見極め難い。そこが評価の分かれるところであろうが、私は、この句をよしとした。俳句というものを教えてくれる佳句である。(高橋信之)
「すずしろ」は大根の昔の呼び名で、1月7日の七草粥では大根のことを今でも「すずしろ」という。
大根は日本でもっとも消費量の多い野菜と聞く。大根が昔ながらの食生活を牽引しているとも言えるのではなかろうか。日本の食卓から大根が消えるときがあろうか。
大根の食べ方もいろいろ。ごく最近では、朝食のポトフに蕪ではなく、大根を入れた。朝食用なので、野菜は小さめに切った。大根はいちょう切り。キャベツとともに、あっさりとして体が温まる。ポトフに大根を入れるのは、私のアイディアではなく、伊豆の今井浜のホテルに泊まったときに、地元野菜を使った料理がいろいろと出されたがそのうちのひとつ。
これもごく最近のぶり大根。おなじみの料理だが、大根は皮を剥かずに乱切り。ほんの少し甘味だが、大根くささ、苦味などがほとんどなく、しかも確かに大根の味がする。子どもから大人まで楽しめる味だと思う。料理家の土井善晴さんのレシピをネットからダウンロード。
それから、秋には、大根を千六本に切ったものに、ちりめんいりこをトッピングして昆布ポン酢で食べる。浅漬け大根も寒い朝にはさわやかでよい。信之先生は、千六本に切ったものを湯豆腐に入れるのが好きで、たまに、そういう食べ方もしている。
コメント
お礼とコメント
正子先生、
「髪洗う耳に木枯し届きけり」を今日の俳句にお選びいただき
ありがとうございます。窓の外で強くなる風の音を聞き、
今夜は寒くなりそうだと思ったことを思い出します。
★水仙を活けしところに香が動く 正子
水仙の魅力のひとつはあの高い香りです。水仙を活けられて飾られた
お部屋なのか玄関なのか、そこに人が出入りして動くたびに水仙の
香りも動く、繊細にとらえられた水仙の姿、水仙のある生活です。